審議会資料の説明
資料の目的・背景
本資料は、2024年8月29日に開催された「第2回将来の運用容量等の在り方に関する作業会」の内容をまとめたものであり、系統特性定数に関する検討の方向性について議論されている。需給調整市場の全面運開に伴い、系統特性定数の見直しが必要とされており、その必要性や適用方法について整理することを目的としている。
主要な検討内容・論点
はじめに
- 2024年4月から需給調整市場が全面運開し、調整力の必要量がエリア調達から広域調達に移行した。
- その結果、系統特性定数(電源脱落率など)の見直しが求められており、現行の定数の実態や課題について整理する必要がある。
系統特性定数の定義
系統特性定数とは、系統容量に掛け合わせることで運用限度等を算出する指標であり、発電機や負荷特性とは異なる。
現行の系統特性定数について
- 平常時(N-0):
- 需給制御に使用される系統特性定数はエリア毎に異なり、実測結果やシミュレーションに基づいて算出されている。
- 緊急時(N-2):
- 異なるエリアで使用される系統特性定数があり、使用しないエリアも存在している。
| エリア | 従来の系統特性定数(上昇側) | 従来の系統特性定数(低下側) |
|---|
| 中西エリア(60Hz) | 10.0%MW/0.5Hz | 3.5%MW/0.5Hz |
| 東北エリア(50Hz) | 無し | 0.8%MW/0.1Hz |
| 東京エリア(50Hz) | 無し | 0.8%MW/0.1Hz |
論点
論点①:判定方法の妥当性
- 現行の系統特性定数の算出方法が妥当であるか検証する必要がある。
論点②:系統特性定数の必要性
- 将来的な構成や運用方式に伴い、系統特性定数の必要性について整理し直す必要がある。
論点③:系統特性定数の再算出
- 調整力調達の在り方の変化等に基づいて、系統特性定数を再算出する必要性について検討を進める。
今後の予定
- 上記の各論点に基づき、系統特性定数に関する議論を進め、必要な検討を行っていく予定である。
まとめ
本作業会の目的は、系統特性定数の現状や課題を整理し、今後の運用における必要性や算出方法の見直しについて検討することである。周波数制御や需給制御における系統特性定数の役割を再評価し、将来の制度に向けた基盤を整える必要がある。
負荷特性に関する根拠
-
日本でのβpの使用:
- βpは有効電力の周波数特性係数であり、1948年にイギリスで実施された負荷特性把握試験の結果に基づいている。
- 50Hz系統では 4.0% MW/Hz、60Hz系統では 3.3% MW/Hz が使用されている。
-
イギリスにおける負荷特性試験:
- 1948年9月、CornWall地区(50Hz)での試験では、周波数が48Hzまで低下した際のデータが得られた。
- この試験結果により、48~50Hzの範囲で1%の周波数変化に対し約2%の負荷変化が示された。
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我が国での対応:
- 日本では大幅な周波数低下の実験が不可能であるため、1%Hzに対し2%負荷という負荷特性を採用している。
系統特性定数に関する論点
論点① 判定方法の妥当性
- 系統特性定数を用いた周波数上昇・低下限度の算出について、以下の点が検討される必要がある。
- 平常時(N-0)と緊急時(N-2)の算出方法の違い
- 過渡的な周波数上昇の扱い
論点② 系統特性定数の必要性
- 系統特性定数の必要性について、以下のような視点で検討が求められる。
- 調整力調達の在り方や負荷特性の変化
- 平常時(N-0)、作業時(N-1)、緊急時(N-2)の事象ごとに評価
論点③ 状況変化による系統特性定数の再算出
- 系統特性定数が将来的にも必要とされる場合において、以下の観点から再算出が検討されるべきである。
- 調整力調達の在り方の変化
- 負荷側のインバータ需要による負荷特性の変化
今後の進め方
- 各論点について、次回以降に検討結果を報告する予定である。
- 周波数上昇側の算出根拠や状況変化を考慮した再算出の方法についても整理し、実績との突合せを含めた結果を報告する。
この資料は、負荷特性に基づく系統特性定数についての根拠や論点を明らかにし、今後の検討が必要な事項を示している。