電力・ガス取引監視等委員会に関する報告書
資料の目的・背景
本資料は、令和2年9月18日に開催された電力・ガス取引監視等委員会における、電力システム改革の進捗と委員会の取組について報告するものである。
検証の進め方
- 前回の専門会合を踏まえ、電力・ガスシステム改革の狙いを再確認し、委員会が関与する分野について評価を行うことを目的とする。
- 特に、送配電部門に関する制度改革について評価する。
主な検討内容
- 電力システム改革
- 電力小売全面自由化
- 卸電力市場の公正性の確保及び取引の活性化
- 送配電部門に関する制度改革
- ガスシステム改革
電気事業の類型の見直し
- 2016年4月に電気事業の類型が見直され、発電は届出制、小売は登録制が導入された。
- 現在の事業者数は約1500者に達している。
- 送配電は許可制とされ、地域独占及び料金規制が設けられている。
電気事業の種類
| 事業の種類 | 制度 | 説明 |
|---|
| 発電事業 | 届出制 | 発電所の建設・運転、事業者数は899者(2020年6月) |
| 送配電事業 | 許可制 | 送配電網の建設・運用・保守を行い、料金規制を課す |
| 小売電気事業 | 登録制 | 顧客への電力販売を担当、事業者数は662者(2020年7月) |
送配電部門関連制度の重要性と委員会に期待される役割
- 委員会は、送配電部門の適正な業務運営を監視し、制度設計にも貢献することが期待される。
- 全ての事業者が公平に利用できるよう、発電・小売部門からの中立化を目指す。
需給調整の方針
- 分離後も電源への指令を確実に行うこと
- 広域的に安価な電源から順に利用する仕組み
- 需給調整のコストをインバランス料金に反映し、適切な価格シグナルを発信すること
送配電関連の制度改革の進展状況
電力システム改革が目指した送配電関連の制度改革が着実に進行中である。
主な進展
- 小売全面自由化に必要な制度の整備
- 低圧託送制度の整備
- 計画値同時量制度の導入
- 新電力等へのスイッチングは1300万件以上達成
- 安定供給のための新たな仕組みの整備
- 需給調整市場が設立され、全国で調整力を段階的に導入中
- インバランス料金の新制度が2022年度から適用予定
- 送配電部門の中立性の確保
- 沖縄電力を除く全ての送配電事業者が分社化され、行為規制が導入された。
委員会の取組
送配電関連制度改革に関する取組
- 小売全面自由化に必要な制度の整備・実施
- 安定供給のための新たな仕組みの整備
- 調整力の公募調達ガイドラインの策定
- 需給調整市場の価格規律と監視の検討
- 送配電部門の中立性の確保
インバランス料金の監視及び制度改正の提言
インバランス料金の位置づけ
- インバランス料金は、実需給における過不足の精算価格であり、卸取引の価格シグナルの基礎となっている。
- 当委員会は、2016年度に新たに導入されたインバランス料金制度について、その価格の動きをフォローしている。
これまでの制度改正等の提案
- 2017年5月: 前年度のインバランス料金の動きを分析。異常な動きが発覚し、調整項の見直しを提案。
- 2018年5月: FIT特例の影響を試算し、算定方法のシステム改修を要請。
- 2018年12月: インバランス料金の算定方法の見直しを提案。
- 2020年3月: インバランス料金が高止まりしている問題を指摘し、調整項値の見直しを提案。
2022年度以降の新たなインバランス料金制度の検討
現行制度の問題点
- 現行のインバランス料金は、エリア毎・コマ毎の状況を十分に反映していないケースが存在するため、需給調整市場開始後の制度設計が重要である。
新たなインバランス料金の概要
- インバランス料金は、以下の2点を重視する。
- 実需給の電気の価値が適切に反映されること
- 需給状況の情報がタイムリーに公表されること
需給ひっ迫時のインバランス料金
- 需給ひっ迫時の不定インバランスが大規模停電等のリスクを増大させるため、需給ひっ迫時インバランス料金が上昇する仕組みを導入する。
沖縄エリアにおけるインバランス料金の算定方法
- 沖縄エリアでは、独自のインバランス料金算定方法が必要であり、エリア内で稼働した調整力の限界的kWh価格を引用して算定する。
結論
- 委員会は、電力システム改革における送配電部門の監視・管理において、適正かつ効率的な運営の確保を目指し、専門的知見を基に積極的に関与している。今後も引き続き、透明性と公正性の確保が求められる。
ご議論いただきたい点
以下の点を中心に進めることを提案する。
- 送配電部門に関連する制度改革の進捗確認
- 委員会の取組と評価
- 今後特に注力すべき課題についての議論
まとめ
送配電部門の制度改革や各取組についての意見を集約し、今後の改善点を明確にすることが重要である。これにより、制度の利便性と効果を高める方向性が模索される。