関西電力の調査では、役職員75人が1987年から2010年代にかけて森山氏らから計約3億6,000万円相当の金品を受領していた。森山氏側は関係企業への発注を通じた経済的利益の維持を主目的として金品を提供したと認定された。また、森山氏の要求に応じた事前情報提供や発注約束は120件超、対象工事は延べ380件超に及び、発注過程の適切性・透明性を損なうおそれがあった。ただし、特命発注の金額が不合理だったとは認定されていない。
問題発覚後の関西電力の社内調査は対象範囲が限定され、経営陣が取締役会への報告を見送るなど、組織的な対応にも問題があった。経済産業大臣は2020年3月、責任の明確化、コンプライアンス強化、発注・契約の透明化、新たな経営管理体制を柱とする業務改善命令を発出し、関西電力は改善計画を提出して実施中である。計画には役職員93人の処分、約2.6億円の自主返還要請、社外委員を中心とするコンプライアンス委員会・調達等審査委員会の設置、指名委員会等設置会社への移行準備などが含まれる。
電力・ガス取引監視等委員会は2019年9月の報道まで事案を把握していなかった。電気事業法に基づく監査は業務・経理の適正性を確認するもので、役員の金品受領は直接の対象ではなかった。また、委員会と経産省の相談・通報窓口にも情報提供はなかった。
報道時点では電力取引上の問題を示す情報がなく、関西電力の第三者委員会報告を確認した後も、委員会は電力の適正取引に関する問題とは認めず、自らの調査や勧告・建議は不要と判断した。業務改善命令案についても、専門的知見から特段の意見はないとして異存なしと回答した。委員会の勧告・建議権限は電気事業法上の所掌範囲に限られる。
資料は、一般送配電事業者で工事費の水増しなど不当な支出増が生じた場合、将来の託送料金の値下げ余地を縮小させる可能性を指摘する。今回、工事発注金額の不合理性は認定されていないが、こうした事案の発生や規制料金への影響を防ぐため、制度的な工夫が必要ではないかと問題提起している。具体策は決定されておらず、検討課題である。
2020年3月16日の業務改善命令は、法定の事前意見聴取を経ずに発出された。発出後に手続漏れが判明し、同日中に事後の意見聴取が行われたが、その過程で資源エネルギー庁が日付を遡った文書を作成する不適切な手続もあった。経産省は3月29日に意見聴取を改めて実施し、命令を再発出した。
委員会は当初、手続の瑕疵を伝えたうえで命令内容を精査し、異存なしと回答した。資料は、事後的な意見回答で瑕疵が治癒される考え方を踏まえれば、撤回を求めなかった判断が不当とまでは言えない可能性を示す一方、事前意見聴取を定めた制度趣旨から、今回の手続漏れはあってはならないとしている。今後は事前聴取を常に求める方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「[関西電力における金品受領問題等への対応について]」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_kensho.html)をもとに当社作成
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