需給調整費に関する資料
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が平成28年10月12日に提出したもので、需給調整費に関する詳細な情報をまとめている。資料は、電力・ガス取引監視等委員会の所管のもと、需給調整に関わる各種コストに関する指摘事項とその対応を記載している。
主要な検討内容・論点
本資料では、以下の指摘事項が含まれており、それぞれの内容と対応が表形式で整理されている。
| 指摘事項 | 内容 | 対応 |
|---|
| 指摘事項 2 | 調整力の必要量に関する需要量の前提と実績の比較 | 事務局資料により説明 |
| 指摘事項 3 | 振替供給コストに関する確保の必要性 | 東京ガスより説明 |
| 指摘事項 4 | 振替供給コストの算定にアローワンスの考慮必要 | 東京ガスより説明 |
| 指摘事項 5 | 振替供給エリア設定の合理性 | 各事業者より説明 |
需給調整コストの算定根拠データ
概要
需給調整コストは、供給量における需要の変化に対応するために、一般ガス導管事業者が確保する供給力を表す。このコストに関する算定根拠は、各事業者によって異なっている。
各事業者の算定方法
- 東京ガス
- 最大時ガス量=過去5年間(2月)の最大時ガス平均 × (原価算定期間の最大送出日量 ÷ 過去5年間(2月)の最大送出日量平均)
| 指標 | 数値 |
|---|
| 最大時ガス (千m³/h) | 3,068 |
| 最大送出日量 (千m³/日) | 51,864 |
- 大阪ガス
- 最大時ガス量=過去3年間の最大送出日の平均値を基に算定。
| 指標 | 数値 |
|---|
| 最大時ガス (千m³/h) | 1,717 |
| 最大送出日量 (千m³/日) | 32,805 |
- 東邦ガス
- 最大時ガス量=過去3年間(2月)の最大時ガス平均に基づく。
| 指標 | 数値 |
|---|
| 最大時ガス (千m³/h) | 862 |
| 最大送出日量 (千m³/日) | 3,920,477 |
調整カコストと振替供給コスト
調整カコスト
- 一般ガス導管事業者が確保すべき調整力についてのコストであり、需要が伸びた際に供給力を調達するための対価である。
振替供給コスト
- ガスが届かない地域への供給を行うためのコストであり、製造設備の余力を確保することに対する対価である。
エリア別調整コスト
以下の表に各事業者の調整カコストと振替供給コストを示す。
| 事業者 | 調整カコスト (百万円) | 振替供給コスト (百万円) | 合計 (百万円) |
|---|
| 東京ガス | 2,609 | 378 | 2,987 |
| 大阪ガス | 1,564 | 182 | 1,746 |
| 東邦ガス | 570 | 41 | 612 |
振替供給に関する総論
- ガスの物理的特性上、供給範囲に限界があるため、ガス小売事業者は自らの需要を満たすために製造設備を設置することが原則である。
- 新規参入者に対して製造設備の厳格な設置を求めると、業界の競争が阻害される可能性がある。
- ガス導管事業者には託送供給義務があるため、小売業者間の振替供給は重要である。
注釈
- 注1: 託送供給は、ガス小売事業者の製造設備の余力の範囲内で行われる必要がある。
- 注2: 改正ガス事業法により、小売全面自由化後も振替供給に関する検証が求められる。
振替供給コストの算定方法
振替供給コストは以下の公式で算定される。
| 算定方法 | 算定式 |
|---|
| 振替供給コスト | 振替供給単価 × 振替供給能力の合計(m³/h) |
| 振替供給単価 | 調整力コスト ÷ 原価算定期間の必要調整力(m³/h)の合計 |
値の例(事業者別)
| 項目 | 東京ガス | 大阪ガス | 東邦ガス |
|---|
| a.振替供給単価 (円/m³/h) | 10,400 | 12,382 | 8,979 |
| b.振替供給能力の合計 (千m³/h) | 109 | 44 | 13 |
| 振替供給コスト(百万円) | 1,135 | 546 | 124 |
| 振替供給コスト(期間平均)(百万円) | 378 | 182 | 41 |
振替供給能力の算定の流れ
各事業者の振替供給能力の算定は以下の手順で行われる。
- エリアの設定: ガスが供給可能な範囲の圧力解析を行う。
- 需要量の設定: 新規参入者の供給予定量を予測する。
- 流量倍率の算定: 過去の需要実績に基づいて、最大時ガス量に対する年間需要の比率を算定する。
- 設備容量の確保: 供給需要量と流量倍率に基づいて必要な設備容量を算定する。
今後の議論のポイント
振替供給に関連する今後の検討課題として、以下の点が挙げられている。
- 振替供給エリアの設定の合理性
- 新規参入者の供給量の想定の妥当性
- 振替供給能力の算定方法の合理性
- 事業者間の算定方法の差異整理の方法
今後の予定
これらの資料は、今後の料金審査や規制に関する議論の基盤となる重要な情報であり、各事業者が提出した情報をもとに合理的なコスト算定の方法について検討が続けられる見込みである。
まとめ
本資料では、需給調整費の算定方法や各事業者のコストの詳細が示されている。特に、調整力の算定方法や費用に関する指摘事項は、今後の議論や制度運営における重要な要素となる。