機器個別計測導入に向けた論点と進め方
本資料は、2022年9月12日に開催された第42回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会での議論を基に、需給調整市場における機器個別計測導入の論点と今後の進め方を整理したものである。
議論の焦点
- 機器個別計測の導入に対する事業者からの要望を受領している。
- これに関連する制度(電気計量制度の合理化、系統利用負担、調整力の評価方法等)や不正防止策の検討が必要である。
- 2022年4月に施行された特定計量制度により、新たな視点での検討が求められている。
機器個別計測における課題
現在の検討課題は以下の通りである。
| 課題 | これまでの検討事項 | 小委における論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 7-1 | 単体で最低入札量を満たさないリソースは導入可能 | | |
| 7-2 | | | |
| 7-3 | | | |
| 7-4 | | | |
| 7-5 | | | |
| 7-6 | | | |
事業者要望と対応方針
以下の要望に対する対応方針が整理されている。
| 主な要望 | 対応方針 |
|---|
| 応答性能等のリソースの能力に応じたインセンティブ設置 | 現状ではインセンティブを設けない。将来的な状況を考慮し再検討する。 |
| 一次の機器個別計測を許容 | 調整力の評価方法や不正防止策については継続的に検討を行う。 |
| 低圧アグリによる参入を認める | 機器個別計測の課題整理後に検討を進める。 |
今後の進め方
- 計測点の整合性: ΔkW評価とkWh精算において校正ポイントを一致させる必要がある。
- 制御対象リソースの直接的な取引を考慮し、各リソースの管理責任等を整理する。
- 電気計量制度の合理化に基づき、調整力の評価方法や不正行為防止策を検討していく。
ユースケースの検討
機器個別計測のユースケースは以下のように分類できる。
- 単一リソース:
- 発電: 高圧の単一発電リソース接続時の課題の洗い出し
- 需要抑制: 単一需要負荷の制御課題
- 複数リソース:
課題解決に向けた検討事項
事業者は、以下の項目について検討を進める必要がある。
- アセスメント I (ΔkW供出確認)
- アセスメント II (応動の確認)
- 単位計測点の実施計画
- 不正行為の防止策
課題の把握と次なるステップ
関係者は以下の点を踏まえ、次のステップに進むことが求められている。
- 機器点で個別計測を行う際の不正防止策の具体化
- システム改修及び技術要件の設定値の明確化
- 各事業者の参加を促すための市場動向と費用対効果の分析
このように、機器個別計測導入に向けた課題が多岐にわたる中で、現場の動向を踏まえつつ効果的な制度設計が今後の焦点となる。
機器個別計測におけるインバランス精算に関する検討
1. インバランス精算の概要
- kWh精算に関連し、機器点リソースが調整力kWhとして発動した場合、現行では発動した調整リソースのみがインバランスフリーとなっている。
- この考え方の整理についても進める必要がある。
2. 差分計量の必要性
- インバランス精算を実施する上で、機器点以外の負荷のkWh計測も必要であり、受電点M2の計測値と機器点M1の計測値の差分計量が必要となる。
- 現行制度では、変圧器等の電力消費設備を介す場合の差分計量が実質不可であるため、制度変更の検討が求められる。
3. 差分計量の条件
差分計量を実施する際の条件
- 以下の条件を満たす場合には、適切な差分計量が可能と考えられる。
- 差分計量による誤差が特定計量器の使用公差内に収まるよう努めること
- 各計量器の検査タイミングを一致させること
- 各計量器の特性、構成が契約上認められた検定方法に適合すること
4. 機器点単位でのビジネスグループ(BG)構成の検討
- インバランス精算にはBGの構成が影響するため、機器点リソース単位での発電計画の作成が必要である。
- 一需要家内で複数事業者が取引を行う場合、機器点リソース単位で新たなBGを組成する案も考えられる。
5. 今後の課題
- 機器点単位でのBG組成は計画策定やシステム改修が必要となり、事業者の負担が増加する懸念があるため、複数の機器点リソースをまとめて一つのBGを組成する案の検討も必要である。
6. 今後の検討の方向性
- 機器点単位でのBG組成の必要性や調整電源としての役割について、国と連携して引き続き検討を進めることが望ましい。
7. 機器個別計測導入に向けた予定
- 機器個別計測導入に必要な詳細課題の検討やシステム改修の実施を進め、2022年度内に一定の方向性を示すことを目指す。以下にスケジュール案を示す。
| スケジュール | 2022.3Q | 2022.4Q | 2023〜 |
|---|
| 広域機関 | 方向性提示 | | |
| 一般送配電事業者 | 参入要件・詳細課題検討 | システム改修要件検討 | 実施 |
| 資源エネルギー庁 | 制度変更検討 | 事業者ヒアリング | |
このように、インバランス精算や機器個別計測の導入に関する検討が進められており、制度変更や技術的な調整が必要とされていることが示されている。