2024年度以降の余力活用と電力需給に関する検討資料
資料の目的・背景
本資料は、2024年度以降の余力活用の考え方や、電力需給における緊急時の追加起動、インバランス料金制度、および容量市場のリクワイアメントに関する内容を整理したものである。これにより、需給ひっ迫時における電源の適切な活用を促進し、電力供給の安定性を確保することを目的としている。
主要な検討内容・論点
余力活用の仕組み
- 余力活用: 発電計画及び調達したkWの枠を超えた部分の活用。
- 発電事業者がグリッドコーディネーション前の計画に支障を来す場合、余力の提供を拒否できる。
余力活用契約
- 一般送配電事業者が余力を活用するための契約を締結予定。
- 契約内容については年内に意見募集を行い、議論が進められる。
課題の整理
| 課題 | これまでの整理事項 | 小委における論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 4-1 2023年度に向けた必要量の検討および精査 | 設備量と需要の101%の差分から調達 | 必要量の精査 | |
| 4-2 調達不足解消に向けた施策 | 需給変動リスク等を考慮した分析結果 | 安定供給を維持する仕組み | |
余力活用の位置付け
余力の位置付け
- 2024年度から一般送配電事業者は余力を活用し、社会コストの低減および効率的な需給調整が期待される。
平常時と緊急時での運用方針
- 平常時: 余力を活用し、出力増減や電源の起動・停止を調整。
- 緊急時: 追加起動が可能で、対価は余力活用契約により支払われる。
余力活用の用途
余力活用契約に基づく利用用途には以下が含まれる。
- 電源の経済差替え
- 下げ調整力の運用
- ブラックスタート機能
- 電圧調整機能
- 潮流調整機能
- 系統保安ポンブ機能
- 緊急時の追加起動
緊急時の追加起動
概要
- 想定外の電源トラブルや必要なΔkWが調達できない場合、余力活用契約に基づく追加起動を認める。
- 追加起動が社会的コストを増加させる可能性やインセンティブに影響するリスクがある。
追加起動の方針
- 電源の追加起動は、エリア内のオンラインやオフライン電源を優先的に調達して行う。
- 緊急時には出力増減の運用が求められる。
緊急時の定義
- 需給ひっ迫においてインバランス料金が頭打ちとなる場合が追加起動の基準とされ、広域予備率が**3%**を下回る場合に許可される方向で検討されている。
インバランス料金制度
概要
- 需給ひっ迫時のインバランス料金制度は、小売電気事業者が不均衡状態を回避するように働きかけるインセンティブである。
補正料金の仕組み
- 広域予備率が低下する場合、「需給ひっ迫時補正インバランス料金」が適用され、最大600円/kWhまで上昇する可能性がある。2022年から2023年は経過措置として200円/kWhとされる。
容量市場のリクワイアメント
概要
- 需給ひっ迫時、容量市場のリクワイアメントに基づき、以下の義務が課される。
- 稼働可能な計画の電源は、小売電気事業者との契約または卸電力市場への応札を実施。
- 燃料制約により市場へ応札する余地が限られても、義務は変わらない。
リクワイアメントによるペナルティ
| 状態 | リクワイアメント | ペナルティ |
|---|
| 平常時 | 稼働可能な電源に余力の応札を求める | 問題行為発生時の参入ペナルティ |
| 需給ひっ迫時 | 小売電気事業者との契約を求める | リクワイアメント未達時に経済的ペナルティ |
課題・リスク
- TSO(系統運用者)の介入により短期的な需給ひっ迫解消が図られる一方、長期的には事業者の学習機会を奪うリスクがある。
- 入札市場での競争が不十分であれば、調達不足が発生するリスクがあり、事業者の応札行動をどのように促進するかが重要である。
今後の予定
2024年度からの市場運用に向け、一般送配電事業者との連携を強化し、余力活用に関する詳細な検討を進める予定である。
まとめ
本資料は、2024年度以降の余力活用の仕組みに関する詳細な見通しと提案を示しており、一般送配電事業者が市場環境の不安定性の中でも安定した電力供給を行うための仕組みの構築を目指している。