電力・ガス取引監視等委員会 第26回料金制度専門会合報告
資料の目的・背景
本資料は、2022年11月21日に開催された第26回料金制度専門会合におけるサイバーセキュリティに関する確認内容及び過去の資料の修正について報告するものである。委員会の事務局から提出されたもので、電力業界における重要な議論を反映している。
主要な検討内容・論点
本資料では、以下の点が検討されている:
- サイバーセキュリティの取り組みに係る確認内容の報告
- 第23回専門会合資料4の一部修正について
- 発電予測精度向上及び分散グリッド化に係る事業者説明資料(参考)
サイバーセキュリティの取り組みに係る確認内容
概要
- 第25回専門会合において、次世代投資の中でのサイバーセキュリティの取り組みについて、各社で便益の算出に差があるとの指摘を受け、追加の確認が実施された。
- 各社は、サイバー攻撃発生後に必要となる対応費用を算出し、便益として認識している。
事業者別の便益金額
以下は、主要事業者が算出したサイバーセキュリティ対策による便益金額である。
| 事業者 | 具体的な取組 | 便益金額算定期間 | 便益の考え方 |
|---|
| 中部電力PG | 防御・検知機能強化、対応力強化、専門人材配置など | 116.0億円 | サイバー攻撃による情報流出等の対応費用116億円 |
| 北陸電力送配電 | ログ収集サーバ設置 | 0.7億円/セキュリティ事故1回 | 初期化再構築にかかる費用削減 |
| 関西電力送配電 | 防御力・検知力強化、ログ分析システム活用 | 数百数千億円/有事による停電1回 | 停電被害を最小限に抑えるため |
| 四国電力送配電 | セキュリティチェック強化、ログ分析強化 | 0.1億円/セキュリティ事故1回 | システム停止リスク低減 |
| 九州電力送配電 | 多段ファイアウォール設置 | 19億円 | 停電被害リスクの低減 |
検証結果
各社のセキュリティ対策は個別に検証され、必要な対策に係る投資が計画されていることが確認された。
| 事業者 | 取組予算全期間 | 具体取組予算内訳 | 便益金額算定期間 | 規期間見積費用 |
|---|
| 中部電力 PG | 67.7億円 | 防御・検知機能強化、対応力強化など | 116.0億円 | 66.8億円 |
| 北陸電力送配電 | 0.7億円 | ログ収集サーバ設置 | 0.7億円/セキュリティ事故1回 | 0.3億円 |
| 関西電力送配電 | 10.4億円 | 防御力・検知力強化、ログ分析システム活用 | 数百数千億円/有事による停電 | 8.4億円 |
| 四国電力送配電 | 5.7億円 | セキュリティチェック強化、ログ分析機能の拡張 | 0.1億円/セキュリティ事故1回 | 2.7億円 |
| 九州電力送配電 | 8.6億円 | ファイアウォール設置、ログ分析システム導入、ホワイトリスト適用 | 19億円 | 1.5億円 |
今後の予定
- 各事業者は今後もサイバー攻撃に対する対策を強化する計画であり、損失回避のための具体的な施策を進めていくことが求められる。
スマートメーター検証に関する議論
概要
第23回料金制度専門会合におけるスマートメーターの設置単価に関する議論が行われ、以下のポイントが取り上げられた。
計量部および通信部単価の変更
-
計量部単価
- 東京が割高であるため、最新の価格動静を織り込み、計量部単価を**2,004円から1,128円(▲876円)**とすることが妥当と判断された。
-
通信部単価
- 低圧に比べ、高圧の台数が少ないため、負担する開発費用の割合が大きい。特に四国、東北、中部では高額であるが、RFIの結果を反映した見積もりであることを確認した。
- 東京では3G停波対応に伴う通信端末の機能変更が実施されており、増分費用が少額になる予定。
工事費の取り扱い
- スマートメーターから次世代スマートメーターへの取り替えに伴う「通信部の取替工事費用」が一部の社で計上されている。
- これらの工事費は通常CAPEX(配電)に計上され、検証を受けるべき費用とされている。工事費単価計上分については、CAPEX配電の査定率を適用する提案がなされている。
地域別設置単価
以下の表は、地域別の計量部単価、通信部単価、および工事費単価を示す。
| 地域 | 計量部単価 | 通信部単価 | 工事費単価 |
|---|
| 北海道 | 1,130 | 64,494 | 14,821 |
| 東北 | 1,100 | 74,176 | - |
| 東京 | 2,004 | 1,290 | 6,197 |
| 中部 | 1,206 | 66,965 | - |
| 北陸 | 1,047 | 55,261 | 2,218 |
| 関西 | 1,123 | 3,997 | 14,675 |
| 中国 | 1,130 | 12,635 | 18,787 |
| 四国 | 1,130 | 82,062 | - |
| 九州 | 1,130 | 64,176 | - |
| 沖縄 | 1,128 | 33,330 | - |
まとめ
スマートメーターの設置単価は地域ごとに異なり、特に東京の計量部単価は大幅に引き下げられる見込みである。また、工事費についてもCAPEXに計上されるべきという意見が出され、議論が進められている。
この資料に基づく分析は、今後の電力業界におけるサイバーセキュリティの強化とその便益を示唆するものである。