本資料は、電力(kWh)と調整力(ΔkW)を一体で取引し、電源費用・運転制約・需給バランス・系統制約を反映して起動停止と出力を決める「同時市場」の制度設計案を示す。市場間の供給力の取り合い、起動費を反映しにくい入札、再エネ拡大に伴う需給変動や混雑への対応を狙うものであり、導入は決定済みではない。業務設計とシステム要求定義を進め、実現可能性を最終判断する方針である。
| 論点 | 提案されている仕組み | 状態・留意点 |
|---|---|---|
| 市場運営 | 週間運用、前日市場、複数回の時間前市場、直前市場を設け、実需給の約1週間前からゲートクローズまで最適化する | 開催時刻・回数など詳細は未確定。時間前市場は前日・当日計3回程度が基本方向 |
| 電源入札・約定 | 発電余力全量を原則として電力・調整力の双方に入札し、起動費・最低出力費用・増分費用と運転制約を登録。SCUC・SCEDで費用と系統制約を考慮する | 相対契約分は市場入札不要だが、電源情報・発電計画の登録が必要。自己計画電源も需給・系統上必要な場合は制約対象 |
| 価格・精算 | kWh価格は電源態勢のシャドウプライス、ΔkW価格は調整力確保による逸失利益を基礎に算定。費用の未回収分は電源ごとにアップリフトで補填する | ΔkW価格の適正水準、アップリフトの対象・負担配分は詳細設計事項。試算ではアップリフトは電力年間取引総額の1.8%(5兆円なら900億円) |
| 市場の更新 | 前日市場後も最新の需要・再エネ見通しで起動停止・出力配分を更新し、各市場の約定差分をその市場価格で精算する | 直前市場は原則として新規起動停止をせず、出力配分のみ。入札義務や事業者負担の設計は未決定 |
現行では電力と調整力が別市場で取引され、2020年度冬期には売り切れ・価格高騰、2024年4月の需給調整市場では全国の未達率が商品別に28~84%となった。変動性再エネの拡大を踏まえた調整力必要量は、全国で2028年度に2024年度比107~112%、2034年度に119~129%との見通しである。起動費を含む電源費用を単一のkWh・ΔkW単価に反映しにくく、ブロック入札は不落による電源未活用の課題もある。
技術検証では、2030年頃を想定した全国系統モデルで、現行ロジックが年間を通じ現実的な時間内に実行可能解を得て、需給バランスや電源構成も運用上妥当な結果となることを確認した。ただし、目標精度(MIPギャップ0.1~0.3%)は未達であり、買い入札、週間運用、系統制約などの計算上の課題も残る。検証結果は導入可能性を確定するものではない。
詳細設計では、入札・情報提供義務の対象と内容、小売想定需要と送配電想定需要の使い分け、アップリフトの補償対象・負担配分、計画提出方法、取引規律・監視、揚水・DERの扱いなどを詰める。ロードマップは、①業務設計、②要求定義(この段階の結果を踏まえて導入可能性を最終判断)、③システム開発、④市場参加者との連携・最終準備、⑤導入の5段階である。運営主体・開発主体の参画、参加者側の体制・システム準備、関連規程の改定も必要となる。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「「同時市場の在り方等に関する検討会」第二次中間取りまとめ(案)」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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