本資料は、卸電力市場の活性化策を5領域で検討し、グロスビディングの運用枠組みを先行して議論するものである。旧一般電気事業者は自社供給力と需要が概ね均衡し、社内取引が中心であるため、市場で売買する自発的な需要が乏しい。2016年6月時点のJEPX約定量シェアは需要の2.6%にとどまる。資料は活性化効果を、短期取引の流動性、価格指標性、リスク管理・取引手法の多様性、新規参入者への事業機会の4視点で評価する枠組みを示す。
検討対象は①旧一般電気事業者電源、②旧卸電気事業者電源、③IPP等、④常時バックアップ、⑤取引所取引である。各領域の施策は、自主的取組の改善を検証しながら優先順位をつけて検討する方針であり、具体策の多くは未決定である。
グロスビディングは、自社需要向けの社内取引分も取引所で売買する取組であり、売った電力を自社が買い戻す自己約定が起こり得る。資料は、売り・買いそれぞれで経済合理性を追求し、限界費用を基本に入札すれば、取引所の流動性・価格指標性の向上に資するとの考え方を提示する。自社供出分の全量買戻しを目的とする入札では、実質的な活性化効果が限定される懸念がある。
| 論点 | 事務局が示す考え方・対応 |
|---|---|
| 買い価格 | 供給力不足のおそれがある局面では成り行き買いを許容し得る。供給力不足でない局面に限界費用ベースでない入札をする場合は、説明可能とする案。 |
| 量・燃種 | 基本的に各社判断としつつ、需給に配慮して約定量を増やすことが望ましい。約定量の推移をモニタリングする。 |
| アカウント・手数料 | JEPXは別アカウントを検討中。手数料も検討中で、現行から増やさない方向性が示されている。 |
| CO₂係数・電源構成 | 同一30分コマの売りと同量までの買い戻し分は自社の係数・電源として扱い、超過買い分はJEPX調達分とする案。詳細は別途検討。 |
| インバランス等 | インバランス料金のα値への影響は監視・分析する。回避可能原価はα値を参照しないため、買い価格の影響はないとの整理。 |
供給力については、前日スポット入札時に一時的に取引所へ出しても、翌日計画の提出時点で需要分の供給力が確保されていれば問題ないのではないか、との考え方が示された。各社からはほかに、予備力算定、事業税、稀頻度の価格高騰、発電部門の固定費回収などへの懸念も挙がり、扱いは引き続き検討事項である。
海外事例では、スポット取引所の流動性が価格指標性を支え、先渡・先物などの市場や新規参入者の電源アクセスにつながるという認識が示される。資料が挙げるスポット取引量は、英国でグロスビディング開始後に約20%から約50%へ、フランスで2015年に約25%、北欧で2002年に約35%である。これらは日本の目標値として決定されたものではなく、活性化策の参考事例である。
本会合ではグロスビディングの基本的な考え方を議論する。具体的な運用ルールや各課題への対応、他の活性化施策の優先順位は確定しておらず、経済合理性と安定供給を保ちながら、取引量・競争効果をモニタリングして検討を続ける段階である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第11回 制度設計専門委員会提出資料:卸電力取引の活性化の進め方について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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