資料の説明:第11回制度設計専門会合における卸電力取引の活性化
資料の目的・背景
本資料は、第11回制度設計専門会合において卸電力取引の活性化の進め方に関する論点を整理したものである。目的は、活性化施策の検討全体像を示し、各項目の現状や課題を明確にすることにある。
議題の概要
本日の議題は以下の2点である:
- 活性化施策検討の全体像
- グロスビディングの運用方法及び課題
これに基づき、全体的な活性化施策に関する検討を行う予定である。
卸電力市場活性化施策の検討項目
卸電力市場活性化のために検討される具体的な項目は以下のとおりである:
- 旧一般電気事業者電源
- 旧卸電気事業者電源
- IPP等の電源
- 常時バックアップ
- 取引所取引(JEPX)
特に、旧一般電気事業者電源の卸競争活性化が重要であり、各社の社内取引や域外小売競争状況に関する確認が求められている。
旧一般電気事業者の自社供給状況
我が国の旧一般電気事業者は以下の特徴を持つ:
- 自社供給と需要が概ねバランスしており、電力取引を行う必要性が少ない。
- 取引所取引の売買ポジションには差が見られるが、物理的な売買ニーズは乏しい。
- 単一地域において、旧一般電気事業者間の域外競争があまり進んでいない。
旧一般電気事業者の発電電力量及び需要量(2015年)
| 事業者名 | 発電電力量 (億kWh) | 需要量 (億kWh) |
|---|
| 旧一般電気事業者A | 〇〇 | 〇〇 |
| 旧一般電気事業者B | 〇〇 | 〇〇 |
課題と今後の方針
旧一般電気事業者の自社供給と需要のバランスが維持されることが、取引ニーズの乏しさを生み出している。今後、以下の課題に対処する必要がある:
特に、旧一般電気事業者の域外供給を拡大することで、余剰供給力を活用し、市場取引ニーズを生む可能性が期待されている。
常時バックアップと取引所取引の現状
- 新電力の常時バックアップ利用比率は低下傾向にあり、取引所からの調達量が増加している。
- 取引所取引のシェアは依然低く、今年の取引量は約**2.6%**であり、海外に比べて劣っている。
グロスビディングの意義
グロスビディングによって期待される効果は以下の通りである:
- 取引所取引の透明化・効率化
- 取引所の流動性・価格指標性の向上
各社が効果的に活用することで、市場全体の競争環境を醸成することが求められている。
今後の方向性
今後の活性化策の検討に関しては、自主的取組の改善を行い、競争的市場環境の実現に向けた施策を多角的に議論することが重要である。グロスビディングについては、本日の議題に含まれており、運用方法や課題について具体的な検討が必要である。
グロスビディングの活用に向けた課題
以下は、旧一般電気事業者から寄せられた具体的な課題とそれに対する考え方である。
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買い価格自由度(成り行き買い)
- 課題: 自社需要向け供給力の電源入札となるため、確実な買戻しが必要である。成り行き買いを許容するルール設計が求められる。
- 考え方: 供給力が不足する場合は成り行き買いを許容しつつ、限界費用ベースでの入札が望ましい。
-
売買入札量・売り燃種の自由度
- 課題: 売買量や燃種の自由度が求められる。
- 考え方: 旧一般電気事業者の判断により、需給状況を考慮しつつ、約定量を増やすことが重要。
-
アカウント利用方法の自由度、JEPX手数料等
- 課題: グロス・ネットビディング間でのアカウント使い分けの自由度が必要であり、手数料の増加も懸念される。
- 考え方: JEPXにおいてはアカウントの別管理を検討中。
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CO2排出係数・電源構成への影響
- 課題: CO2排出係数が取引所取引と異なり、グロスビディングによる影響が懸念される。
- 考え方: 自社のCO2排出係数を使用し、売買量に応じて表示を行う整理が必要。
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インバランス料金・FIT回避可能単価への影響
- 課題: 高値買い入札が入札曲線に影響を及ぼし、料金が変動することが懸念される。
- 考え方: モニタリングを通じて影響を分析し、その影響は回避可能原価にはないとされる。
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供給力(予備力)算定への影響
- 課題: グロスビディング取引が自社供給力と認定される必要がある。
- 考え方: 前日計画提出時点で供給力が確保されていれば問題はないとされる。
-
事業税の二重課税
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その他の懸念
- 成り行き買いによる市場価格高騰リスクや、発電部門の固定費回収の懸念が挙げられている。
今後の方針
本日は事務局が基本的な考え方を提示し、これに基づいて議論が行われる。引き続き各課題について検討し、整理していく予定である。