検証Aの最後の項目である「自己計画電源等に一定の制約を課すロジック」は完了とされ、技術検証会は閉会する。混雑・非混雑系統の判定には、LMPクラスタリングと潮流感度の両方式を検討したが、今後の詳細検討・技術研究は、ループ系統も含めて系統を区分できる潮流感度方式を基礎に進める方針である。全体として大きな課題は見つかっていないと整理された一方、制約の対象や計算方法、目的関数など制度・実装上の選択は未確定である。
| 手法 | 確認できたこと | 残る課題 |
|---|---|---|
| LMP閾値 | 混雑・非混雑の分類 | 適切な閾値設定が難しく、系統上離れた「飛び地」が生じる |
| LMPクラスタリング | 閾値不要で、混雑線路の送電側・受電側を分け、「飛び地」も抑制できる | グループ境界の妥当性を評価しにくく、混雑の循環が起きる場合は制約対象や抑制量の特定が難しい。広域系統モデルで1日48コマを計算するのに約40分を要した |
| 潮流感度 | 発電出力の変化が混雑線路の潮流を増やすか減らすかで分類でき、小規模系統で正しい分類を確認 | 複数の混雑箇所が重なる場合や、HVDCなど潮流を調整できる設備への対応が必要 |
潮流感度方式では、HVDC等を含む混雑解消にDC-OPFを組み合わせる方法も検証した。起動停止を固定した出力再配分により、単一線路の混雑を運用容量内に収められ、HVDCを加えたケースでも混雑解消を確認した。広域系統モデルでは、商用ソルバーを用いた単断面計算が約48~66秒であった。これは起動停止を変えない出力調整の検証であり、追加起動・停止まで必要な場合の解決を示すものではない。
検証では、対象系統内の調整電源の上下げ可能量を指標とした。抑制側は混雑系統の下げ可能量、焚増側は非混雑系統の上げ可能量を確認し、条件を満たす場合に自己計画電源の出力調整を可能にする考え方である。
| 状況 | 検証した判定条件 | 制約内容(現時点の整理) |
|---|---|---|
| 余剰時 | 混雑系統グループの下げ可能量合計がゼロ | 出力下限を解除し、次回取引で反映 |
| 需給ひっ迫時 | 非混雑系統グループの上げ可能量合計がゼロ | 出力上限を解除し、次回取引で反映 |
単一エリアおよび広域ブロックのケースで、この指標により制約要否を判別できる可能性を確認した。ただし、予備力が閾値以下の場合の判定は今回の検証対象外である。また、当初はSCUCを取引ごとに2回行うのは現実的でないとして、制約を次回取引へ反映する整理であったが、今回のDC-OPF検証を受け、同一取引内での反映も検討対象となった。
今後はSCUCの計算時間に応じ、次の二案を詳細検討・技術研究で深掘りする。1回の取引内でSCUCを2回行えない場合は、1回目のSCUC結果を所与としてDC-OPFで差分最適化する方法を検討する。2回行える場合は、1回目で制約対象を特定し、2回目で制約を反映して計算する。
目的関数の選び方により、自己計画電源の調整量を抑えることも、全体の燃料費を抑えることも可能だが、再配分量や自己計画電源・市場計画電源間の配分は変わる。自己計画電源をどう位置付けるか、物理的制約と契約上の希望をどう扱うか、公平性や優先給電ルールとの整合、制約の解除条件、複数線路の混雑や起動停止変更への対応も未確定である。これらの残る論点は、新設予定の「業務設計・技術研究会」で扱う。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電源起動・出力配分ロジックの技術検証(検証A)の進捗報告について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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