次世代投資費用検証に関する審議会資料
この資料は、次世代投資費用の費用検証結果についての審議会資料であり、経済産業省の料金制度専門会合に提出されたものである。資料は2022年9月15日付で、電力・ガス取引監視等委員会によるものである。
レベニューキャップ制度の概要
- レベニューキャップ制度では、電力ネットワークの次世代化を目指しており、一般送配電事業者が効果的な次世代投資計画を策定することが求められている。
- 次世代投資は、規制期間内に限定されず中長期的な取り組みを視野に入れ、費用対便益が認められるものだけが対象となる。
効率化係数の設定に関する検討
基本方針
- 効率化係数は基本的に設定しないこととなっている。
- 投資策には以下の要件が求められる:
- 説明可能であること
- 定量的または定性的に費用対便益が一定以上であること
検証内容
- 各事業者による次世代投資に対する効率化係数設定の有無について検証し、その結果を報告する予定である。
効率化係数の設定案
以下の3つの案が提出されている:
| 案 | 内容 | 5年/年率 |
|---|
| 案1 | 過去実績を参照した需要減少率約1.1%を基にした効率化係数 | 1.1% / 0.22% |
| 案2 | ドイツの効率化係数を参照した場合の算出 | 2.1% / 0.425% |
| 案3 | さらに厳しい目標を目指した場合 | 2.5% / 0.5% |
次世代投資計画における効率化係数設定の検証項目
一般送配電事業者から提出された次世代投資計画に基づいて、以下の検証を実施する:
検証項目
- 次世代投資が単なる設備投資や継続投資に区分されないか
- 中長期的な目標における位置づけが合理的に説明されるか
- 費用対便益が中長期的に十分であるかの検証
検証の結果に応じて次のステップを考慮する予定である。
今後の検証プロセス
- 現在の検証:
- 次世代投資計画における効率化係数の設定について検証
- 次回以降の検証予定:
- 次世代投資における計画性の検証
- コスト効率化に向けた取り組みの検証
- 費用の妥当性に関する検証
重視すべき事項
次世代投資費用の検証に当たり、以下の事項が重視される:
- 再エネ主力電源化やレジリエンス強化に必要な投資資量の検証
- 送配電ネットワークの次世代化に向けた取組効果の検証
- 電力の安定供給に向けた対応費用の適切性
- コスト効率化の徹底
これに基づいて、詳細な検討が進められる予定である。
レジリエンス強化に関する各社の取組み
各電力会社が行っているレジリエンス強化に向けた具体的な取り組みについて、以下に整理する。
各社の取組内容と便益
| 事業者 | 取組内容 | 便益 |
|---|
| 関西電力送配電 | 系統安定化停電災害対応設備の強靭化(架空ケーブル化による倒木対策) | 0.26億円/年 停電量の抑制 |
| 九州電力送配電 | 中間遮断器による停電の回避及び事故点標定等による対応の迅速化 | 21.3億円 設備費用抑制等 |
| 沖縄電力 | 低圧発電機車の整備 | 0.1億円/年 早期復旧 |
投資計画に関する概要
以下は、各社の次世代投資計画に関する概要である。
DX・効率化に関する取り組み
| 事業者 | 取組内容 | 便益 |
|---|
| 北海道電力NW | DX推進(ドローン、AI、ロボット利用など) | 巡視点検業務効率化 |
| 東京電力PG | 設備異常兆候の評価による巡視点検費用の抑制 | 51億円 人件費削減 |
投資の数量的な副次的利益
| 事業者 | 投資計画 | 便益 |
|---|
| 中部電力PG | ドローン等で点検業務の自動化 | 4億円 運用高度化 |
| 中国電力NW | データ活用による業務効率化 | 1億円 委託費低減 |
効率化係数設定の妥当性の検証
本資料では、効率化係数設定の妥当性について、ノンファーム型接続や再給電方式に関する事例とその影響を中心に説明されている。
ノンファーム型接続
- 四国電力送配電の投資計画では、再給電・ノンファーム型接続への対応として設備投資や費用見積もりを行っている。
| 取り組み内容 | 費目 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 合計 |
|---|
| 系統制約マネジメントシステムサーバ設置 | 設備投資 | 記載ない | 記載ない | 記載ない | 記載ない | 記載ない | 記載ない |
| システム改修費用 | 委託費(システム) | 記載ない | 記載ない | 記載ない | 記載ない | 記載ない | 記載ない |
ダイナミックレーティング
- リアルタイムで気象条件を監視・分析し、送電可能容量を変動させる取り組みが進められている。この取り組みも効率化係数の対象外とすべきとの考え方が示されている。
スマートメーターに関する取組
スマートメーター導入の目的
次世代スマートメーターが各社で計画され、再エネ導入の促進や停電の早期把握が期待されている。
本資料は、電力業界のデジタル化やアセットマネジメントの具体的な取組みを通じて、効率化係数の設定や制度の改善に向けた議論を展開している。今後は、さらに詳細な検証が求められると考えられる。