送配電網協議会 第41回調整力の細分化及び広域調達に関する作業会報告
会議概要
2022年8月3日に開催された送配電網協議会の第41回調整力の細分化及び広域調達に関する作業会では、中給システム仕様統一に関する検討状況が報告された。同会議は送配電網運用委員会が主催している。
はじめに
第5回の需給調整市場検討小委において、中給システムの抜本的改修が必要とされる事項が整理された。本日は、二次調整力①の広域運用に向けたLFC(Load Frequency Control)の改修に関する進捗を報告する。
中給システムの改修項目
中給システムの改修が必要な項目は以下の通りである。
| 項目 | 内容 | 改修しない場合 |
|---|
| 制御方式演算周期の統一 | 各発電機制御方式の統一要否および可否の検討 | 二次①の広域運用ができない |
| 単価登録の細分化 | 出力帯別の単価から時間帯別の単価への変更検討 | 時間帯ごとのニーズに応えられない |
| V1/V2による運用 | 現状の近似的運用からV1/V2単価による運用への変更検討 | より厳密なメリットオーダー実現が困難 |
| 最大制御数の拡大 | 制御上限の拡大について検討 | 監視可能数以上の事業者の制御ができない |
中給システムの改修は大規模なものであり、ソフトウェア改修のみではない。
本日ご確認いただきたい内容
- 二次調整力①の広域運用に向けた仕様統一案およびシミュレーション分析が実施された。
- 中給システムの主要機能についての検討も行われており、議論の内容は中給システム開発に反映される予定である。
中給システムの改修に関する方向性
仕様統一に向けた方向性が示されている。
| 検討事項 | 現状仕様 | 仕様統一の方向性 |
|---|
| LFC機能 | 広域LFC指令間隔シミュレーション分析 | - |
| 中給システム LFC指令間隔 | 0.5数十秒 |
| EDC機能 | EDC配分対象 | 最低出力基準 |
| 指令方法 | 出力指令値 |
| 発電機のI/F共通事項 | 伝送方式 | IPCDT等 |
LFC仕様統一のシミュレーション結果
LFC仕様統一により、以下の利点が期待できる。
- 平常時の周波数品質向上
- LFC動作量の低減効果
- kWhコスト低減効果
シミュレーション結果
| エリア | 現状運用 | 現状活用案 | T=1s | T=3s | T=5s | T=10s |
|---|
| 中西エリア | 0.14 | 0.12 | 0.10 | 0.08 | 0.06 | 0.04 |
| 東エリア | 0.12 | 0.09 | 0.07 | 0.05 | 0.03 | 0.02 |
LFCおよびEDCの指令間隔
LFCの指令間隔は1秒で統一する方針であり、EDCは5分で統一される予定である。
| 商品 | 指令方法 | 指令間隔 |
|---|
| 発電機 | 専用線オンライン | 1秒 |
| VPP | 専用線オンライン | 5分 |
| DR | 専用線オンライン | 5分 |
通信方式および伝送方法の統一化
中給システムの通信方式を統一することで、事業者の参入コストを低減し、調整力コストの削減を目指す。適用する通信方式としては、IEC61850が有力視されている。
仕様統一に向けたスケジュール
仕様統一実現に向けた具体的なスケジュールを検討中である。
| 年 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 2028 | 2029 |
|---|
| LFC 仕様統一 | ロジック検討 | 仕様検討 | 動作検証 | 異常時対応検討 | 詳細仕様検討 | 継続検討中 | | | | | |
| EDC 仕様統一 | ロジック検討 | 仕様検討 | 詳細仕様検討 | | | | | | | | |
この資料においては、調整力の広域化に向けた中給システムの仕様改善、及びそれに伴う技術的検討が詳細に報告されている。今後の進展に期待する。