本資料は、第75回広域系統整備委員会における中西地域の広域連系系統に関する計画策定プロセスを説明するものであり、特に関門連系線の増強に関する内容が中心となっている。2022年7月より始まった計画策定プロセスを経て、工事の可能性や費用などを評価し、今後の進め方について議論を求めることを目的としている。
以下の点についての説明が行われる。
計画策定プロセスの概要
関門連系線増強に関する検討内容
関門連系線の増強において、以下の2つの案が検討されている。
| 増強案 | 概要 | 概算工事費 |
|---|---|---|
| 案① 2GW双極 | 送電容量を2GWに拡張(双方向) | 4,400-4,900億円 |
| 案② 1GW単極 | まず1GW単極で運開後、2GW双極に拡張可能 | 3,700-4,100億円 |
関門連系線増強の費用便益評価について、以下の評価情報が示された。
| 費用便益評価 | 案① 2GW双極 | 案② 1GW単極 |
|---|---|---|
| B/C比 | 0.26-0.62 | 0.34-0.92 |
関門連系線の増強が期待される定性的効果は以下の通りである。
関門連系線増強の工期については、早期の運開が求められ、6~9年程度が見込まれている。具体的な工程は以下の通りである。
今後のスケジュール案は以下の通りである。
| 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 会議 | 70回 | 71回 | 72回 | 73回 | 74回 | 75回 | 76回 |
| 作業会 | 9月19日 | 10月13日 | 調整中 |
関門連系線増強に関する各案の比較から、1GW単極の早期運開が社会的ニーズに合致しているとの結論が導かれた。提案された計画は国へ報告し、さらなる議論を促すことが望ましいとされている。
燃料費・CO2対策コストの便益は、全国メリットオーダーシミュレーションを通じて算出される。これは系統増強前後における電源の起動費を含めた総発電コスト(燃料費 + CO2対策コスト)の差分として評価される。
関門連系線の増強に伴う燃料費・CO2対策コストの低減による便益は以下の通りである。
| 便益 [億円] | 案①2GW双極 | 案②1GW単極 |
|---|---|---|
| 2030年頃 | 2526 | 3526 |
| 2050年 | 126175 | 115167 |
調達コストベースの便益は、系統増強前後の必要供給力の差に調達コストを乗じて算出される。
関門連系線増強に伴う必要供給力の低減効果及び便益は以下のように示される。
| 全国必要供給力増強前後 [万kW] | 案①2GW双極2030年頃 | 案①2GW双極2050年 | 案②1GW単極2030年頃 | 案②1GW単極2050年 |
|---|---|---|---|---|
| 増強前 / 増強後 | 14,467 / 14,373 | 16,673 / 16,520 | 14,467 / 14,386 | 16,673 / 16,555 |
| 必要供給力 [万kW] | 94 | 153 | 81 | 118 |
| 便益 [億円] | 92 | 149 | 79 | 115 |
停電コストベースの便益は、系統増強によって低減される見込み不足電力量に停電コストを乗じて計算する。
関門連系線増強に伴う見込み不足電力量と便益は次の通りである。
| 見込み不足電力量 [MWh] | 案①2GW双極2030年頃 | 案①2GW双極2050年 | 案②1GW単極2030年頃 | 案②1GW単極2050年 |
|---|---|---|---|---|
| 増強前 → 増強後 | 7096 → 5252 | 9090 → 6858 | 7096 → 5600 | 9090 → 6918 |
| Δ停電量 [MWh] | △1844 | △2232 | △1497 | △2173 |
| 便益 [億円] | 56〜109 | 68〜131 | 46〜88 | 66〜128 |
送電ロスは、送変電設備の抵抗損失等により発生する。系統増強により、系統全体の送電ロスは増減することがある。本資料では、系統増強前後の送電ロスの差から便益を算出する。
関門連系線増強による送電ロスが増加し、以下のようにマイナスの便益となった。
| 案①2GW双極 | 案②1GW単極 | |
|---|---|---|
| 2030年頃 | -9〜-11億円 | -9〜-7億円 |
| 2050年 | - | - |
費用便益評価は、2030年頃から系統設備が運用される期間における便益と費用を比較することで行う。この際、再エネの増加を考慮した土台で評価が進められる。
2030年頃の需要・電源は、供給計画の最終年次を基に設定されている。以下に具体的な数値を示す。
| 電源種類 | 前提条件の考え方 | 2030年頃 | 2050年頃 |
|---|---|---|---|
| 需要 | 最終年次の需要 | 8350億kWh | 12000億kWh |
| 太陽光 | 供給計画に基づく | 93GW | 260GW |
| 陸上風力 | 開発動向考慮 | 21GW | 41GW |
| 洋上風力 | 開発動向考慮 | 17GW | 45GW |
| 水力・地熱・バイオマス | 現状維持 | 59GW | 60GW |
| 火力 | 現状維持 | 145GW | 145GW |
| 原子力 | 廃炉以外の全て稼働 | 37GW | 37GW |
このように、各電源における能力と需要を基に計画が立てられる。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中西地域の広域連系系統に係る計画策定プロセス:関門連系線増強について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/kouikikeitouseibi/index.html)をもとに当社作成
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