一般送配電事業者の収支状況及び関連事項に関する評価報告
資料の目的・背景
本資料は、一般送配電事業者の収支状況を評価し、経営効率化や高経年化対策に関する取組の進捗状況を確認することを目的とする。第35回料金審査専門会合において事務局から提出されたものである。
主要な検討内容・論点
資料の構成は以下のとおりである。
- 本日ご議論いただきたい内容
- 第34回料金審査専門会合における指摘事項への回答
- 参考資料:仕様統一化に向けた議論の状況
本日ご議論いただきたい内容
- 経営効率化や高経年化対策に関する具体的な取組の進捗状況の確認
- 全10社の状況把握及び情報提供の整理・集約結果の評価
4社ヒアリング
外部公開ヒアリングの対象事業者は以下の4社である。
評価結果を踏まえた対応
- 先進的な取組については、他の事業者への共有を促進
- 非効率的な取組を行っている事業者については、具体的な取組状況を再確認することを検討
- 託送料金制度の在り方について、関連部局とともに検討を進める
4社ヒアリングにおけるポイント
ヒアリングの重点項目は以下の通りである。
- 経営効率化についての昨年度以降の取組の進捗状況
- 廃炉等負担金に関連する東京電力PGの評価
評価項目(案)
| 項目 | 確認内容 |
|---|
| A. 想定原価と実績費用の乖離 | 詳細な増減額 |
| B-1. 経営効率化の実施状況 | 新たな取組の詳細 |
| B-2. 調達 | 競争発注比率 |
| C-1. 高経年化対策 | - |
| C-2. 安定供給 | 災害時の取組状況 |
| 東電PGのみ | 廃炉等負担金との関連 |
これまでの主な御意見・指摘事項
これまでにいただいた主な指摘事項は以下の通りである。
- 経営管理指標に関する明確な説明の必要性
- コスト削減のアピールが必要
- 効率化の取組効果の評価方法に関する見直し
収支状況の評価
平成29年度の収支状況については、以下のような評価がなされている。
- 全国平均での超過利潤がマイナス
- 東京電力PGに対して厳格な値下げ基準が適用され、その基準に抵触していないことが確認されている
| 事業者 | 当期純利益/損失 | 当期超過利潤 | 基準への抵触 |
|---|
| 北海道電力 | 78 | 93 | 無 |
| 東北電力 | 23 | 165 | 無 |
| 東京電力PG | 492 | 19 | 無 |
| その他の電力会社 | ... | ... | ... |
その他重要事項
- 銀行や外部サービス提供者に対する発注状況について、逐一確認が必要である。
- 各社の競争発注比率について、人的関係が影響していることも考慮する必要がある。
今後も適切な評価基準の下で、一般送配電事業者の効率化を進め、安定した電力供給を実現する取り組みが求められる。
競争発注比率が低い事業者の特徴
- 競争発注比率が低い事業者についての調査結果は以下の通りである。
- 東北地域を除き、配電部門の競争発注比率が低い状況にある。
- 競争発注比率が高い事業者の理由に関しては、競争入札対象物品の範囲が拡大していることや工量制工事単価の競争入札の導入が進んでいることが挙げられる。
託送量の通知遅延・請求遅延の状況
託送量の通知遅延
| 年度 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 全社計 |
|---|
| 平成28年度 | 0.09% | データ無し | 0.1% | 0.0% | 0.05% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.05% | - |
| 平成29年度 | 0.0% | 0.01% | 0.02% | 0.03% | 0.0% | 0.01% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.02% |
託送量の通知遅延 件数
| 年度 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 全社計 |
|---|
| 平成28年度 | 978 | データ無し | データ無し | 1,573 | 0 | 2,143 | 9 | 3 | 0 | 0 | 4,706 |
| 平成29年度 | 52 | 153 | 7,185 | 1,311 | 0 | 1,350 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10,051 |
託送料金の請求遅延
| 年度 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 全社計 |
|---|
| 平成28年度 | 0.33% | 0.0% | 50.75% | 0.1% | 0.0% | 2.16% | - | 0.0% | 1.59% | 0.0% | 29.00% |
| 平成29年度 | 1.46% | 0.0% | 5.01% | 0.03% | 0.0% | 0.0% | - | 0.0% | 0.02% | 0.0% | 2.74% |
誤通知・誤請求の状況
託送量の誤通知
| 年度 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 全社計 |
|---|
| 平成28年度 | 0.02% | 0.00% | 0.06% | 0.01% | 0.05% | 0.03% | 0.02% | 0.03% | 0.02% | 0.00% | 0.04% |
| 平成29年度 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.01% | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 1.17% | 0.00% | 0.02% |
託送料金の誤請求
| 年度 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 全社計 |
|---|
| 平成28年度 | 0.05% | 0.02% | 0.03% | 0.02% | 0.16% | 0.07% | 0.07% | 0.04% | 0.29% | 0.00% | 0.06% |
| 平成29年度 | 0.01% | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0.02% | 0.00% | 0.01% | 1.18% | 0.47% | 0.00% | 0.05% |
主要な発生理由と改善策
- 北海道: 一過性の業務繁忙により誤通知・誤請求が発生し、システム改善を実施。
- 東京: サーバー高負荷状態により誤通知が発生し、システム改修により対応。
- 中部: 人的要因による誤通知・誤請求が発生し、処理の簡素化を検討。
- 関西: システムトラブルにより発生し、改修を着手。
- 九州: システムトラブルにより請求遅延が発生し、改善策を実施。
海外とのコスト比較
-
日本の送電線・鉄塔の単位当たりコストは、海外よりも高い可能性がある。
-
380~500kV級の単位当たりコスト(億円/km)
-
220~275kV級の単位当たりコスト(億円/km)
まとめ
本資料では、一般送配電事業者の収支状況や競争発注比率、託送量の通知遅延・請求遅延、誤通知・誤請求の状況、並びに海外とのコスト比較について詳細なデータを示した。引き続き、コスト削減やシステムの改善に向けた取り組みが必要である。