一般送配電事業者の経営効率化に関する評価資料
本資料は、全10社における一般送配電事業者の経営効率化の実施状況に関する事後評価を目的としている。各社の効率化に向けた取り組みの進展や公表状況をまとめている。
主要な検討内容・論点
経営効率化の実施状況:評価の視点
- 各社が昨年度の事後評価以降に実施した取り組みの進展状況を確認する。
- 各社は具体的な効率化施策を国民が確認できるように公表することが求められる。
- 取り組みの内容は定量的に説明されることが望ましい。
具体的な確認内容:
- 昨年度の事後評価で紹介された各社の代表的な取り組みに関連する進捗状況
- 新規の取り組み事項
- 費用削減効果が高まった事項
効率化計画の公表状況
-
各社の効率化計画の公表状況を以下の観点から確認する。
- 今後の取り組みが具体的に記載されているか
- 国民から見てわかりやすい内容か
重要な数値・データ
効率化額が大きい取り組み
| 会社名 | 取り組み内容 | 効率化額 |
|---|
| 中部 | 送電線の巡視回数の見直し | ▲1.6億円/年 |
| 東北 | 自動電圧調整器の修理・改造による調達費用削減 | ▲1億円/年 |
| 北海道 | 地中管路の再利用 | ▲0.8億円/年 |
削減率が大きい取り組み
| 会社名 | 取り組み内容 | 削減率 |
|---|
| 東京 | 階段用運搬工具の開発 | 作業時間:▲87% |
| 中部 | 配電用変電所用配電盤の開発・導入 | 資材代:最大▲40% |
| 北海道 | ケーブル工事における区分発注の採用 | コスト:▲5~10% |
スケジュール・公表状況
- 各社の公表日:平成30年11月30日
- 各社の公表媒体:ホームページ上の電子ファイル
各社の公表概要
| 会社名 | 公表内容 |
|---|
| 北海道 | 経営効率化体制、新規取組(3件) |
| 東北 | 経営効率化の取組状況、新規取組(3件) |
| 東京 | 他社事例の取組状況、新規取り組み(3件) |
| 中部 | 経営効率化体制、新規取り組み(3件) |
| 北陸 | 他社事例の取組状況、新規取り組み(3件) |
| 関西 | 経営効率化体制、新規取り組み(3件) |
| 中国 | 他社事例の取組状況、新規取り組み(2件) |
| 四国 | 経営効率化体制、新規取り組み(3件) |
| 九州 | 経営効率化体制、新規取り組み(3件) |
| 沖縄 | 経営効率化体制、新規取り組み(3件) |
課題・リスク
- 各社は他社の優れた取り組みを自社に取り込むための検討を続けているが、具体的な導入が進んでいるかは状況により異なる。
- 今後の取り組みを国民が確認できる形で公表することが求められる。
その他重要事項
- 仕様の統一化や調達の合理化に関する取り組みも評価されており、今後の進展に注目が必要である。
調達の状況(仕様の統一化)
進捗状況
- 配電機材仕様作業会が全10社によって設立され、コンクリート柱の仕様統一化に向けた検討が行われている。
- 昨年度の取組において、以下の進捗が確認された:
- 東京での分割式複合柱の導入による仕様削減。
- 東北・北陸での2本継コンクリート柱の導入による作業効率の改善。
現状の課題
- コンクリート柱に関する特定の課題は以下の通りである:
- 長尺で重いコンクリート柱は、狭い道路での運搬が困難で、作業効率が低下する。
- 吊上げ作業が必要で、運搬時の誘導車配置によるコスト増加が発生する。
- 分割式複合柱や2本継コンクリート柱の採用事業者が少なく、共同調達が難しい。
- NTT柱との仕様統一により効率化の余地がある。
- 構造面での仕様簡素化の可能性が考慮されている。
- 使用頻度が低い品目の統一化についても検討が必要である。
取組の進捗状況(2018年11月)
- 全10社による取組
- 配電機材仕様作業会が設立され、現状確認と仕様統一の可否を検討中。
- 自社内の取組
- 北海道における分割柱の作業性や運用方法の検討。
- 既設コンクリート柱の仕様統廃合を継続的に検討。
- 2本継コンクリート柱の導入検討(狭い箇所での作業可能性を見込む)。
- 東京での分割式複合柱導入に伴うコンクリート柱削減。
競争発注比率の状況
競争発注比率の推移
- 全体的に競争発注比率は上昇しており、70%超のグループと30〜50%のグループに分けられる。
| 地域 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 |
|---|
| 北海道 | - | 5.5 | 23.9 | 34.3 | 50.8 | 66.0 | 70.1 |
| 東北 | - | - | 20.9 | 28.4 | 35.4 | 35.6 | 30.0 |
| 東京 | - | 32.9 | 46.0 | 50.6 | 53.1 | 66.5 | 66.0 |
| 中部 | - | 25.9 | 25.6 | 31.6 | 32.5 | - | - |
| 北陸 | 24.9 | 35.8 | 61.2 | 68.1 | 84.8 | 85.0 | 81.3 |
| 関西 | - | 44.8 | 58.8 | 60.6 | 69.0 | 63.7 | - |
| 中国 | - | 17.5 | 17.3 | 27.9 | 40.9 | 46.6 | 54.1 |
| 四国 | 16.1 | 24.1 | 57.6 | 59.7 | 76.1 | 71.3 | 75.9 |
| 九州 | 21.9 | 21.4 | 39.1 | 36.3 | 49.8 | 48.8 | 45.1 |
| 沖縄 | - | 78.2 | 61.1 | 83.0 | 68.6 | 84.9 | 79.2 |
競争発注比率が低い事業者の特徴
- 電力の配電部門で競争発注比率が低い事業者が存在しており、原因として以下が挙げられる:
- 競争入札対象物品の範囲の狭さ
- 工事単価の競争入札導入の遅れ
各地域の目標と実績
| 地域 | H29実績 | 目標値 | 目標年度 | 思考 |
|---|
| 北海道 | 41% | 50% | H32 | 中期目標設定 |
| 東北 | 52% | 50% | H30 | 競争発注比率を高める |
| 東京 | 74% | 60% | H28 | 取引先との協力強化 |
| 中部 | 38% | 50% | H32 | 最適な発注方法を確立 |
| 北陸 | 79% | 50% | H29 | 全競争発注を原則 |
| 関西 | 73% | 30% | K27 | 効率化志向 |
| 中国 | 51% | 30% | K27 | 安定調達を視野に |
| 四国 | 33% | 70% | H33 | 新規取引先の開拓 |
| 九州 | 37% | 60% | H31 | 競争拡大の加速 |
| 沖縄 | 78% | - | - | 調達コスト削減 |
調達単価について
調達価格引き下げのインパクト
- 調達価格が10%下がった場合、単価はおおよそ**-0.18円/kWh**の影響を及ぼすと試算されている。この効果は段階的に表れる。
| 地域 | 想定原価 (円/kWh) | 調達価格引き下げ影響 (円/kWh) |
|---|
| 北海道 | 5.99 | -0.18 |
| 東北 | 5.73 | -0.21 |
| 東京 | 5.02 | -0.19 |
| 中部 | 4.74 | -0.16 |
| 北陸 | 4.59 | -0.15 |
| 関西 | 4.75 | -0.17 |
| 中国 | 4.69 | -0.15 |
| 四国 | 5.40 | -0.17 |
| 九州 | 5.25 | -0.19 |
| 沖縄 | 6.87 | -0.23 |
| 平均 | 5.30 | -0.18 |
調達単価に含まれる費用の範囲
- 電力会社は固定資産台帳を利用し、単位当たりコストを以下の費用項目から算出する。
| 対象設備 | 物品費 | 工事費 |
|---|
| 送電設備 | 鉄塔、架空送電線 | 調査設計費、仮設工事費、運搬費、鉄塔工事費など |
| 配電設備 | コンクリート柱、電線 | 建柱工事費、運搬費など |
このような体系で各社のコストを分析・評価し、効率化やコスト削減を促進するための情報発信が行われる予定である。
地中ケーブルの工事プロセス
概要
地中ケーブルの工事プロセスは、調査・設計を含むいくつかのステップに分かれている。布設方式は3つあり、それぞれの方法により工事規模が異なる。工事件数は鉄塔や送電線工事に比べて少なく、工事の個別性が高い。
工事工程
地中ケーブルの工事は以下の工程で進められる。
-
調査・設計
-
仮設工事
- 工事用地の確保
- 運搬路の造成
- 作業構台の設置
- 資機材運搬路の確保
-
管路工事(今回対象外)
- 地下通路を確保するための土木工事
- マンホール取り付けなど
-
ケーブル工事
- ケーブルの敷設(管路式、暗渠式、直接埋没式)
- 敷設ケーブルを既存送電線に接続する工事
- ケーブル端末工事
布設方法
費用の考え方
- 工事費は管路および地中ケーブルに按分して計上される。一般的に工事件数は数件から数十件/年で、1社当たりの平均値として示されている。
鉄塔の単位当たりコストに影響を与える要因
要因の概要
鉄塔の単位当たりコストは、さまざまな要因によって影響を受ける。これには以下が含まれる。
-
基礎種類
- 軟弱地盤においては高コストな基礎が必要となり、コストが増加する。
- 基礎の種類には逆T字基礎、ベタ基礎、杭基礎、深礎基礎がある。
-
特殊鉄塔比率
- 分岐鉄塔や引留鉄塔、架空地中接続鉄塔などの特殊な鉄塔を使用する場合、コストが高くなる。
基礎の種類について
| 基礎種類 | 説明 |
|---|
| 逆T字基礎 | 標準的で安価な基礎、一般的に地盤に用いられる |
| ベタ基礎 | 軟弱地盤向け、広い面積のコンクリートで支える |
| 深礎基礎 | 硬い地盤まで基礎を延長する |
| 杭基礎 | 杭を打ち込み、逆T字基礎を支える |
まとめ
本資料は、一般送配電事業者の経営効率化に関する評価の結果や進捗状況、課題・リスク、調達の状況、工事プロセス、コスト影響要因に関する詳細な情報を提供している。各社の取り組みや公表状況は経営効率化の重要な指標であり、今後の動向に注目が必要である。