需給調整市場における「三次調整力②」に関する検討概要
資料の目的・背景
本資料は、需給調整市場における「三次調整力②」の時間前市場への売り入札に関する検討内容をまとめたものである。具体的には、一般送配電事業者が時間前市場において入札を行う際の実務的課題やその対応方法について議論することを目的としている。
主要な検討内容・論点
三次調整力の時間前市場への売り入札
- **第29回本小委員会(2022年6月24日)**では、全ての一般送配電事業者を対象に安定供給に支障がない領域(領域a)での時間前市場への売り入札が整理された。
- **第69回制度検討作業部会(2022年8月26日)**において入札主体を一般送配電事業者に位置づけることが整理された。
「一般送配電事業者が領域aを売り入札するにあたり、実務的課題およびその対応方法について検討を行った」
需給調整市場における検討課題
| 課題 | これまでの整理事項 | 小委における論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 5-1 需要量低減の取り組み | 共同調達、アンサンブル予測 | エリアの拡大、気象精度向上 | 領域aを市場入札、データ収集分析 |
| 5-2 不要になる調整の時間前市場への売り入札 | 領域aを市場入札 | 入札主体、価格 | スケジュール |
領域について
- 領域aは、調達において使用しない領域であり、将来的には30分単位での調達が予定されている。この領域から市場に供出されなくなる可能性がある。
- 現在の仕組みでは、需給調整市場の取引単位が3時間になっており、これが調達に影響している。
決定事項・制度変更
- 領域aの売り入札を全ての一般送配電事業者で進め、実務的課題を整理していく。
- 各調整力余剰分の時間前市場への入札主体は一般送配電事業者を主軸とし、関係機関と連携して進める。
今後の予定・対応スケジュール
一般送配電事業者による時間前市場対応
- 調達した調整力から供出可能な量を算出し、時間前市場に売り入札を行う。
- 売れ残り時には札下げを検討し、実需給断面において調達した調整力の発動が必要となる。
年度別スケジュール
| 年度 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026以降 |
|---|
| 領域a | 課題整理環境整備 | 三次②時間前売入札 | | 三次②30分化 | |
| 領域b・c | | リスク分析供出量検討 | | 三次②時間前入札 | |
| システム改修 | | 仕様検討 | システム改修 | | |
課題・リスク
- 三次調整力の時間前市場への供出において、実務的な課題(例: 処理手順の複雑性、マンパワーへの依存)が残る。
- 領域bおよび領域cのデータ収集や分析も進める必要がある。
まとめ
需給調整市場における調整力の使い方や入札の仕組みは、電力の安定供給を確保するために重要な課題である。引き続き、実務的な対応を進めながら、関係者との連携を強化していく必要がある。
約定電源の発動方法についての検討
概要
本稿では、約定電源の発動方法に関する二つの案、案1および案2について説明する。これにより、入札時や発動時のオペレーションの違いについて理解を深めることを目的とする。
発動方法の要点
案2の内容
- 電源を特定せずに時間前市場へ入札する方法であり、約定後は調整力と供給力を分けずに発動する。
- オペレーションの簡略化: 電源の特定が不要なため、人間系での対応が簡便となる。
- ただし、調整力と供給力の混在によるインバランス料金への影響について、電力・ガス取引監視等委員会とのさらなる検討が必要である。
入札時の価格決定
- 電源を特定しない場合の入札価格の決定方法についても、電力・ガス取引監視等委員会との検討が必要である。
- 経済合理性に基づいた応札行動をとった場合、インバランス料金への影響が無くなることも考慮に入れるべきである。
インバランス料金への影響
インバランス料金のケーススタディ
- 案1 vs 案2: 調整力のマージナル価格は、案1が9円、案2が10円の場合が考えられる。
| 案 | 調整力と供給力の混在状態 | インバランス料 |
|---|
| 案1 | なし | 9円 |
| 案2 | あり | 10円 |
案1・2の比較
| 特徴 | 案1 | 案2 |
|---|
| システム構築 | 必要 | 不要(簡易ツールや人間系で可能) |
| メリット | より精緻なインバランス料金の算定が可能 | オペレーションが簡略化され、人間系での対応が容易 |
| デメリット | オペレーションが複雑 | インバランス料金への影響の要検討 |
今後の検討事項
- 約定電源の発動方法については、インバランス料金への影響やオペレーションの複雑さを考慮し、電力・ガス取引監視等委員会と連携しながら決定する方向で進めるべきである。
対応スケジュール
- 2023年度の環境整備: 業務フローや簡易ツールの準備を進め、必要に応じて改定を行う。
- 時間前市場供出の開始時期: 残る論点については資源エネルギー庁と連携し、整理を進める。