2024年度から需給調整市場で一次・二次①・二次②の取引が始まったが、揚水の応札不足が続いている。資料は、主な障壁を「ポンプアップ原資の確保」と「調整力供出に必要な電源態勢の持替え」に整理し、設備所有者と調整力提供者の関係や保有電源によって対応の難しさが異なると分析する。4月の約定実績にもエリア差が見られるが、資料は地域別の差を応札不足の原因とは特定していない。
| 課題 | 応札を妨げる仕組み | 対応の方向性・状態 |
|---|---|---|
| ポンプアップ原資 | 揚水計画を決めた後に調整力がどれだけ発動するか分からず、発動が少ない場合は水位上限を超えるおそれがある | 過去の使用率等を踏まえて原資を控えめに計画し、想定を超える発動分は自社火力または時間前市場で補う案。事業者の運用習熟も課題である |
| 電源態勢の持替え | 一次・二次①は並列が必要で、揚水の最低出力は約50%。週間断面では約定時間帯に最低出力を確保するための販売先や他電源への持替えを確約しにくく、アセスメント違反・計画不一致のリスクがある | 代替ΔkWの用意、または揚水の並列をTSOの上げ調整とし、別電源を下げ調整にする案がある。市場内取引としての扱いや公平性等が未整理で、応急対策としての具体化は次回以降に国と検討する |
一次・二次①の並列要件そのものより、週間先の電源態勢を確約できない点が本質的な障壁と分析される。パターンⅠ(揚水と火力等を保有)では自社電源で原資や持替えに対応しやすい一方、揚水のみの事業者や設備所有者と調整力提供者が異なる場合は、卸市場での調達・販売や契約が制約となりやすい。2026年度に予定される週間商品の前日取引化で、週間先の運用制約は一定程度軽減すると見込まれる。
2024年度以降は、平常時の池全体の水位管理をBGが担い、BGが通知する水位幅の中でTSOが調整力や余力を運用することが基本である。TSOが水位幅を守れば、揚水の運用は需給調整市場のインバランス取引として扱われる。一方、水位幅を超えて池水位を戻す運用では、インバランス精算がないまま調整力精算・託送支出が生じ得るため、市場外取引となる。
需給ひっ迫時、再エネ出力抑制の回避時、発雷・台風等で送配電設備に支障が生じるおそれがある場合は、TSOによる一時的な水位幅超過運用が認められている。需給ひっ迫時は、追加供給力対策後も広域予備率が5%を下回り、TSOの運用で改善できる場合などが判断条件として示され、前日時点以降は3%を基本とする整理も記載される。TSOは運用した旨を公表し、適正な事後監視を行う方針である。
現状は、揚水BG計画を考慮せず、BGが提出する下限水位までの上池貯水量を余力とみなし、広域予備率が一定となるよう計上している。この潜在計算とBG計画が乖離すると、インバランスがない局面でも水位調整のための追加託送支出が生じ得る。
応札不足が続く足元では、安定供給を支える特別対応として現行計上に一定の合理性があるとの見方が示される。一方、平常時のTSO介入はBGの需給管理上の学習や需給ひっ迫時の価格シグナルを弱め、新規リソースの発展機会にも影響し得るため、制度本来の姿としてはBG計画を反映した余力計上が望ましいとの考えも示される。乖離の実態、応札不足の解消見込み、TSOシステム改修期間を踏まえ、国と連携して方向性を別途示すとしており、結論は未決定である。
揚水応札を増やすための応急策は、取引の市場内・市場外の整理、アセスメント、公平性、ゲーミング防止などの論点が残る。事務局は国と連携し、早期かつ期間限定で実施できる具体策を次回以降に提示する方針である。また、揚水予備率の計上方法も、運用実績とシステム改修の見通しを踏まえて別途検討する段階である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「揚水の応札拡大に向けた課題と対応の方向性について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/jukyuchousei/)をもとに当社作成
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