2025年4月〜6月期 電力市場の動向
目的・背景
本資料は、経済産業省が提出した「自主的取組・競争状態のモニタリング報告」に基づき、2025年4月から6月期における電力市場の動向を報告するものである。
市場動向の概況
1. 卸電力市場価格
2025年4月から6月の市場価格は以下の通りである。
東エリア
- 4月: 10.59円/kWh
- 5月: 9.83円/kWh
- 6月: 11.13円/kWh
西エリア
- 4月: 9.25円/kWh
- 5月: 7.83円/kWh
- 6月: 10.06円/kWh
特に6月は東エリアの平均価格が約13円/kWhに達した。
2. 市場分断率
- 4月はエリア間の価格差が最小であったが、5月には東京-中部間の価格差が最大となった。
- 6月は猛暑により、複数回価格が30円/kWh以上に高騰した。
3. スポット市場約定量
- スポット市場約定量は640億kWh(前年比1.1倍)であった。
- 時間前市場約定量は16.6億kWh(前年比0.9倍)。
4. 分断状況
- 10か所の連系線のうち7か所で平均分断率が前年同期に比べて上昇した。
5. 先物市場動向
- 先物市場の約定量は393.0億kWhで、前年同期比4.5倍となった。
- 取引参加者数が増加し、取引が活発化している。
6. 小売市場のスイッチング
- 低圧契約における旧一般電気事業者から新電力へのスイッチングが、全国平均で**50%**を超えた。
主要指標の報告
卸電力市場の主要指標
| 指標 | 数値 |
|---|
| スポット市場約定量 | 640億kWh |
| スポット市場のシステムプライス | 平均 9.86円/kWh |
スポット市場の売り入札量
| 事業者区分 | 売り入札量 | 前年同期比 |
|---|
| 旧一般電気事業者 | 493億kWh | 1.0倍 |
| 新電力その他 | 381億kWh | 1.1倍 |
| 一般送配電事業者 | 170億kWh | 1.0倍 |
スポット市場の買い入札量
| 事業者区分 | 買い入札量 | 前年同期比 |
|---|
| 旧一般電気事業者 | 331億kWh | 1.0倍 |
| 新電力その他 | 458億kWh | 1.2倍 |
時間前市場の約定量
| 指標 | 数値 |
|---|
| 時間前市場約定量 | 16.6億kWh |
| 前年同期比 | 0.9倍 |
課題・リスク
市場分断が依然として高水準で推移しており、特に東エリアにおいては連系線作業による運用容量の低下が影響している。
今後の予定
今後の議論において、昨今の市場動向や価格変動の要因についてさらに詳細な分析が必要である。
新電力シェアの推移
総需要に占める新電力シェア
- 2025年6月時点
- 総需要に占める新電力シェア: 約21.3%
- 特高・高圧需要に占める新電力シェア: 約19.1%
- 低圧需要に占める新電力シェア: 約26.6%
以下の表は、2012年から2025年にかけての新電力シェアの推移を示している。
| 指標 | 2012/4 | 2013/4 | 2014/4 | 2015/4 | 2016/4 | 2017/4 | 2018/4 | 2019/4 | 2020/4 | 2021/4 | 2022/4 | 2023/4 | 2024/4 | 2025/4 | 2025/6 |
|---|
| 総需要に占める新電力シェア | 2.3% | 2.6% | 3.1% | 4.0% | 5.2% | 9.2% | 12.7% | 14.0% | 16.2% | 19.9% | 19.9% | 16.0% | 17.5% | 20.3% | 21.3% |
| 特高高圧需要に占める新電力シェア | 3.7% | 4.2% | 5.0% | 6.5% | 8.2% | 12.1% | 14.9% | 15.8% | 19.4% | 19.9% | 17.7% | 11.4% | 14.2% | 17.8% | 19.1% |
| 低圧需要に占める新電力シェア | - | - | - | - | 0.1% | 4.6% | 8.8% | 13.2% | 16.9% | 20.6% | 23.6% | 23.0% | 24.4% | 23.0% | 26.6% |
地域別市場シェア(2025年6月)
以下の表は、地域別の市場シェアの数値である。
| 地域 | 市場シェア |
|---|
| 北海道 | 1.3% |
| 東北 | 4.7% |
| 東京 | 8.7% |
| 中部 | 3.3% |
| 北陸 | 2.1% |
| 関西 | 4.5% |
| 中国 | 11.8% |
| 四国 | 2.0% |
| 九州 | 4.4% |
| 沖縄 | 0.0% |
| 合計 | 5.9% |
スイッチングの動向
スイッチング率の推移
- 2025年6月時点で、スイッチング率は全国で**50.3%**であり、これは2025年3月から0.4ポイントの増加を示している。
以下の表は、地域別のスイッチング率である。
| 地域 | スイッチング率 |
|---|
| 北海道 | 47.5% |
| 東北 | 37.1% |
| 東京 | 54.2% |
| 中部 | 52.3% |
| 北陸 | 48.5% |
| 関西 | 49.8% |
| 中国 | 57.9% |
| 四国 | 47.0% |
| 九州 | 46.2% |
| 沖縄 | 35.9% |
| 全国 | 50.3% |
各エリアのスイッチングの状況
旧一般電気事業者から新電力へのスイッチング率は、2025年6月時点で**23.8%**であり、微増傾向にある。
以下の表は、地域別のスイッチング動向を示している。
| 地域 | スイッチング率 |
|---|
| 北海道 | 22.5% |
| 東北 | 14.6% |
| 東京 | 32.9% |
| 中部 | 20.9% |
| 北陸 | 7.5% |
| 関西 | 25.7% |
| 中国 | 12.8% |
| 四国 | 13.2% |
| 九州 | 15.9% |
| 沖縄 | 11.2% |
| 全国 | 23.8% |
まとめ
2025年4月〜6月期における電力市場は、先物取引やスポット市場において前年同期比で大きな伸びを示し、特に東エリアの価格が高い傾向が見られる。また、新電力の市場シェアやスイッチング率も増加傾向にあり、地域ごとの動向が今後の市場に影響を与える可能性がある。引き続き市場動向には注視が必要である。