資料の概要
この資料は、競争の持続的確保についての検討を行うことを目的とし、特に新電力の電源アクセスに焦点を当てている。検討には、旧一般電気事業者の市場支配力が新電力の競争環境に与える影響も含まれており、以下の要点が議論されている。
- 新電力と旧一般電気事業者との電源アクセスの同等性が競争の持続性に影響を与える。
- 旧一般電気事業者が持つ市場支配力が、新電力の競争を脅かす可能性がある。
主要な検討内容
本資料では次の3つの主要な内容について整理されている。
- 我が国における新電力の電源アクセスに関する施策
- 諸外国における電源アクセスの取り組み
- 論点の抽出
電源保有の現状
我が国の発電能力の構造は以下の通りである。
- 旧一般電気事業者および旧卸電気事業者が出力ベースで**83%**を所有している。
- 発電事業者数は、100MW以上の発電事業者が103社である。
出所: 資源エネルギー庁「電力調査統計」(2018年7月)
旧一般電気事業者の取組状況
旧一般電気事業者の主な取組は以下の通りである。
- 常時バックアップ: 新規参入者に対して一定の需給に応じた供給を行っている(2000年~)。
- 余剰電力の全量市場供出: 発電能力の余力を卸電力取引所に投入している(2013年~)。
- 電源の切出し: 長期契約見直しにより電源を市場へ切り出す取組。
- グロス・ビディング: 社内取引の一部を取引所を介して行っている(2017年~)。
新電力の電力調達状況
新電力の電力調達における依存度は以下のように推移している。
- 常時バックアップによる調達量: 約9.4%
- 取引所からの調達量: 約45%(2018年6月時点)
| 調達方法 | 調達量比率 |
|---|
| 常時バックアップ | 9.4% |
| JEPXからの調達 | 45% |
卸電力取引所の取引量推移
日本卸電力取引所(JEPX)の取引量は増加傾向にあり、取引量シェアは約**18%**である。今後も増加が期待される。
スポット市場価格の推移
スポット市場の価格は以下のように推移している。
- 月間平均価格: 概ね8〜16円/kWh
- 年間平均価格: 9.90円/kWh(2017年7月から)
課題と今後の方向性
新電力と旧一般電気事業者間の競争を持続的に確保するためには、以下の課題への対応が求められている。
- 電源アクセスの均等性
- 旧一般電気事業者の市場支配力の抑制
- 他国の取り組みの参考にした施策の導入
これらの視点から議論を深めることが期待されている。
経過措置料金の撤廃と競争の持続的確保
撤廃判断の要素
経過措置料金の撤廃に関する判断では以下の要素が重要である。
- 旧一般電気事業者と新電力の間での電源アクセスに関するイコールフッティングの持続
- 中長期的に必要な電源投資の円滑な実施
- 発電事業者に対する環境整備の重要性
新規参入者の電源アクセス改善
新規参入者の電源アクセスは改善されている一方で、以下の課題が残っている。
- 短期市場への依存: 電源調達が価格変動の大きい短期市場に偏っている。
- 安価な電源のアクセス制限: 旧一般電気事業者が利用する安価な電源の影響を受ける可能性がある。
- 電源開発の利用状況: 電源開発㈱の電源は旧一般電気事業者が多く利用している。
競争の持続的確保に向けた対応
競争を持続的に確保するためには以下の対応が提示されている。
- 中長期市場における流動性の向上
- 旧一般電気事業者の発電部門から小売部門への内部補助による競争歪曲の懸念
- 小売全面自由化以前の電源開発の取り扱い見直し
以上の点を踏まえ、競争の持続的な確保を実現するための制度や方策が検討される必要がある。