2026年度供給計画などを基にした試算では、厳気象H1需要時の予備率が**2029年度に東北・東京で1.6%**となり、評価基準の3%を下回る見通しである。予備率3%に対する供給不足量は両エリア合計で約100万kWである。中部・北陸・関西は同年度3.0%であり、他エリアは3%を上回る。容量市場の目標調達量に含まれる年間計画停止可能量2.4か月分を考慮すると、予備率はさらに1~4ポイント程度低下する見込みである。
| ケース | 主な結果・前提 |
|---|---|
| ベースケース | 2029年度の東北・東京が各1.6%。供給不足量は合計約100万kW |
| リスク①:経年45年超の火力を停止 | 予備率への影響は全エリア・年度でマイナス。東北・東京では2029年度に各2.6ポイント低下 |
| リスク②:非効率石炭火力を2029年度末に停止 | 2028・2029年度への影響はなく、2030年度以降は全エリアでマイナス。東北・東京では2030年度に各1.4ポイント低下 |
本資料は、年間EUEによる確率論的評価に加え、実需給時の予備率管理との接続を意識した確定論的なH1予備率評価を試みたものである。結果は決定値ではなく、2026年度供給計画(期中変更届出を含む)と第3回長期脱炭素電源オークションまでの約定結果のうち供給計画に計上可能と想定した電源を基礎に、一定の仮定を置いて算出した試算である。
2028年度以降のH1需要は、各年度のH3需要に2026年度の厳気象影響量を加えて想定した。供給力には発動指令電源、火力増出力、エリア間融通などを含め、長期年度の補修計画は2026・2027年度の電源種別ごとの補修率を基に反映した。供給計画の長期年度には、意思決定前の火力休廃止や今後の新設計画などが十分反映されない場合がある。
ベースケース自体にも仮定と不確実性が含まれる。需要の上下振れ、火力の早期退出、再エネ導入量、原子力の再稼働・定期点検時期などが需給を変動させうる。資料は、供給計画に未計上の休廃止を確認するため、火力の稼働期間実績が平均約45年であることを踏まえたケースと、非効率石炭火力を2029年度末に全て停止するケースを設定した。これは仮定に基づく影響試算であり、実際の廃止が決定したことを示すものではない。
非効率石炭火力は、ベースケースでも2029年度末までに全体の44%が休廃止となる計画である。45年超火力の停止ケースでは、東北・東京の予備率は2029年度に各2.6ポイント低下し、その後も低下幅が広がる年度がある。非効率石炭火力の停止ケースは2029年度末の停止を仮定するため、影響は2030年度から現れ、地域により低下幅が異なる。
参考のH3需要時評価では予備率は全エリアで7%以上だが、H1需要時とは太陽光などの供給力の織り込み方が異なるため、単純比較はできない。資料は、需要・供給双方に残る不確実性を踏まえ、本試算を電力安定供給ワーキンググループの議論に資するものとして提示している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中長期の厳気象H1需給時の需給見通しについて」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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火力電源の休廃止は、もはや「将来の供給力不足リスク」ではなく、足元の調達コストと需給運用に現れている事象である。2026年度夏季の東京エリアでは8月の予備率見通しが0.9%にまで低下し、120万kWの追加供給力公募が実施された [DOC:04141b99-b33c-4e9e-9ad0-70876a34b77b]。一方で容量市場の指標価格(Net CONE)は2年で約2.1倍に上昇しており、供給力を「維持する費用」が制度を通じて可視化されつつある。
長期脱炭素電源オークションは2023年度に初回が実施され、2026年5月には第3回(応札年度2025年度)の約定結果が公表された(開始済み)[DOC:32a03370-b8ee-4aac-978d-2bc2f179194a]。制度が3回転したことで、「20年間の固定収入」という設計思想が実務上どう機能するのか、そして誰がそのコストをいつ負担するのかが、数字として見えてきた段階にある。
「全エリアで予備率3%以上を確保」——電力需給検証の報告書には毎回この文言が登場する。しかしこの数字は「安心してよい」を意味するのではなく、「ぎりぎり安全圏」を示す最低ラインだ。しかも2026年6月の最新分析では、ベースケースにおいて東北・東京エリアで**2029年度にH1予備率が3%を下回る見通し**が示されている。現行の評価の仕組みを正確に理解しないまま自社の計画を組み立てると、想定外の制度対応に追われることになる。
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