中長期需給見通しに関する委員会資料の概要
資料の目的・背景
本資料は、第119回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会において、中長期の厳気象H1需要時の需給見通しを考察することを目的としている。資料は2026年6月2日に提示され、特に供給計画の信頼度や需給バランスに関する議論を中心にまとめられている。
主要な検討内容・論点
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供給信頼度評価の方法
2028年度以降の供給信頼度評価は従来の年間EUEに基づいていたが、変化する需給バランスの中で新たに定義された予備率管理と接続する必要がある。
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現在の課題
- 発電事業者による電源の休廃止が加速しており、中長期の供給力確保に対する不透明感が増している。
- 中長期の需給見通しを評価するため、確定論的手法を取り入れ、現状考慮可能な要素を反映した試算を行った。
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リスク評価の重要性
供給計画の不確実性要素が含まれており、リスクケースを基にした評価が求められる。
需給バランス評価の基本的考え方
(1) 長期年度の電力需給バランス評価
- 過去10年間の最も厳しい気象条件を考慮し、供給力が103%以上であることを確認する。
- 地域間連系線を活用し、予備率を均一化し、供給力の計画外停止率を考慮する。
(2) 供給力評価
- 電気事業者の2026年度供給計画を基に、発動指令電源や火力増出力分を算出する。
今後の供給力確保に向けた議論状況
第1回電力安定供給ワーキンググループで議論された未来の不確実性要因には、以下が含まれる:
- 発電事業者の電源休廃止の動向
- 再エネ・蓄電池の新設の遅れ
- EUEによる確率論的評価と予備率による確定論的評価の融合
厳気象H1最大需要想定値
次の表は、厳気象H1需要の想定に基づく各エリアの需要の推移を示している。
| エリア | 2028年度 | 2029年度 | 2030年度 | 2031年度 | 2032年度 | 2033年度 | 2034年度 | 2035年度 |
|---|
| 北海道 | 493 | 507 | 527 | 530 | 532 | 532 | 530 | 528 |
| 東北 | 1,454 | 1,462 | 1,461 | 1,456 | 1,452 | 1,447 | 1,443 | 1,439 |
| 東京 | 5,995 | 6,056 | 6,117 | 6,179 | 6,227 | 6,266 | 6,289 | 6,306 |
| 中部 | 2,501 | 2,504 | 2,510 | 2,516 | 2,521 | 2,523 | 2,524 | 2,523 |
| 北陸 | 502 | 501 | 501 | 500 | 499 | 498 | 497 | 496 |
| 関西 | 2,863 | 2,868 | 2,877 | 2,886 | 2,897 | 2,919 | 2,930 | 2,941 |
| 中国 | 1,047 | 1,054 | 1,057 | 1,054 | 1,052 | 1,055 | 1,057 | 1,059 |
| 四国 | 479 | 474 | 469 | 465 | 460 | 456 | 451 | 447 |
| 九州 | 1,688 | 1,690 | 1,692 | 1,692 | 1,691 | 1,690 | 1,687 | 1,685 |
ベースケースにおける需給見通し
- 2026年度供給計画と約定結果を考慮すると、2029年度において東北・東京エリアでH1予備率が3%を下回る見通しである。
- 容量市場における目標調達量に対して、補修計画に相当する年間計画停止可能量によって予備率は1~4%程度悪化する見込みである。
リスクケースの考え方
- 将来的な電力需給における不確実性を踏まえ、火力発電の休廃止の影響を評価する。
- リスクケースとして以下を想定:
- 経年45年を超える火力電源の廃止
- 非効率の石炭火力の2029年度末での廃止
まとめ
今回の分析は、提出された各電気事業者の2026年度供給計画に基づく試算であり、需給両面には多くの変動要因が存在することに留意が必要である。また、電力安定供給ワーキンググループでの議論に資することが期待されている。