資料の説明
資料の目的・背景
この資料は、2024年3月18日に株式会社エネットの取締役需給本部長である小鶴慎吾によって作成され、電力・ガス取引監視等委員会に向けて小売電気事業者の視点から期待や要望を述べたものである。
現状認識
小売
- 小売の部分自由化から20年以上が経過している。
- 現在、以下の課題が存在する。
- 需要家アクセス: 市場の段階的な開放やスマートメーターの導入により、需要家のアクセスは進展している。
- 系統利用: 計画値同量やインバランスの仕組みに関する課題が顕在化している。
- 電源調達: 卸電力取引市場やBL市場の整備が進行中であるが、コロナ禍や国際情勢の影響で市場は不安定である。
ネットワーク
- 再エネルギーの普及拡大に伴い、火力発電所の休廃止や厳しい気象条件による需要の変動が生じており、安定供給の仕組みが変化を求められている。
課題認識
小売に関する課題
- 卸売・小売の価格関係の改善: 旧一般電気事業者のエリアにおいて、供給が困難な状況が発生している。
- 容量拡出金の小売料金への適切なコスト反映: 容量拡出金の負担額が需給状況により変動し、料金の設定が難しい状況が続いている。
ネットワークに関する課題
- 再エネ活用に向けた託送ルールの見直し: 昼間の需要創出が基本料金負担に影響する懸念がある。
- 小売電気事業者の実務負担の軽減: 発電側課金制度などによって、業務の負担が増加している。
- 有事の際の仕組みの整備: 地震などの有事における協力体制の不足が懸念されている。
電源調達に関する課題
- 卸標準メニューの多様化とリスク対応: 小売事業者の需給ミスマッチを解消するために調達オプションの整備が求められる。
- 容量拡出金負担における新電力の電源調達コストの増加: 2024年度からの容量市場開始により、負担が大きくなる懸念がある。
- 既存電源活用策の拡充・整備: 情報掲示板の活用効果が低く、改善が求められている。
小売電気事業者として目指す方向性
- 英国の事例を参考にしつつ、日本の小売電気事業者もサービスの多様化やリスクヘッジを進める必要がある。
- 具体的な取り組みは以下のとおりである。
- 多様な料金メニューの提供
- デマンドレスポンスの活用
- 再エネ重視の需要家へのサービス充実
実施済み施策の検証
- 能動的検証・評価: 施策を発生してからの検証ではなく、事前に評価することが重要である。
- 将来を見据えた課題抽出と早期解決策の検討: 内外無差別な問題解決を進め、さらなる競争環境の整備が必要である。
会社概要
- エネットについて
- 設立: 2000年7月7日
- 資本金: 107億円
- 売上高: 5,098億円(2022年度)
- 主要事業: 小売電気事業および省エネルギーに関するコンサルティング。