需給調整市場では2024年度の全商品取引開始後も応札不足が続き、週間商品では未達が発生している。資料は市場外調達と余力活用の実績を比較し、前週木曜日に行う市場外調達を、恒常的な応札不足が解消するまで各一般送配電事業者の判断で一時中断できるようにする案を示している。エリア外電源の調達だけを中断するなど、部分的な中断も含む提案であり、確定事項ではない。
市場外調達は、週間市場で未達となった量を一般送配電事業者が調整力提供者に個別に依頼する方式である。2024年4~5月は全エリアで実施されたものの、実際に調達できたのは5エリアであり、一次~三次①複合募集量に対する比率は、北海道0.08%、東北0.11%、関西1.98%、四国12.06%、九州2.09%であった。調達量がゼロのエリアも4つあり、調達は限定的であった。市場取引より高単価のリソースが約定したエリアもある。また、個別連絡と供出可能量の確認が必要なため、送配電事業者と提供者の双方に対応コストが生じる。
| 観点 | 市場外調達 | 余力活用 |
|---|---|---|
| 役割・確保 | 相対契約で未達分の電源を確保する | GC後の余力を使う。電源予約ではなく、安定供給の最後の手段となる |
| 実績・コスト評価 | 調達量は限定的で、エリアによって市場より高単価 | 略式複合約定の導入後、足元の市場調達コストに近い水準まで低減した状況。ただし市場の競争調達より劣後する |
| 主な制約 | 週間取引由来の応札障壁が残り、個別対応の業務負荷が発生 | 余力減少リスクを見込む必要があり、複合約定や広域調達も市場ほど厳密・広範にはできない |
余力活用では、一般送配電事業者がGC後の余力をkWh価格の安い順に活用する。2024年4月から導入した略式複合約定では、一次・二次①の必要量や低速商品の複合必要量など複数の条件を満たすよう余力を確保し、余力減少リスクも織り込む。市場の複合約定ほど厳密な最適化ではないが、単一商品の必要量を単純合算するより確保量を抑えつつ、安定供給に支障がない水準を目指す整理である。持替費用は市場単価を下回るエリアと上回るエリアがあり、一律にどちらが安価とはいえない。
市場外調達が限定的な要因として、週間市場と同様の応札障壁が挙げられている。市況・需給変動リスクや揚水発電所等の並列要件を理由に市場応札を見送ったリソースは、市場外調達でも供出しにくいと考えられる。資料は、現状評価としての調達手段の基本順位を「市場内調達>市場外調達>余力活用」としつつ、足元では市場外調達の効果に対して業務負荷が大きいと整理する。
一方、余力活用は調整力の予約調達ではないため、通常の調達手段に代わるものではない。市場内外での調達を試みても不足する場合のセーフティネットとして位置づけられる。前日取引後に未達となった緊急時は、電源の起動時間を考慮し、市場外調達を待たず余力活用による追加起動へ移るという既存の考え方も資料で確認されている。
市場外調達の中断案は、応札不足の解消までの暫定措置として提示されている。さらに、取引を前日に集約する変更は2026年度の実現を目指して検討されており、実施後は市場外調達を行わない想定である。中断を選択する場合の詳細な運用は資料中で確定されておらず、各一般送配電事業者の判断に委ねる案である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「市場外調達および余力活用の実態を踏まえた市場外調達の取り扱いの方向性について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/jukyuchousei/)をもとに当社作成
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