電力市場モニタリング報告(2016年7月~9月期)
資料の目的・背景
本資料は、電力市場における自主的取組・競争状態のモニタリング報告であり、主に2016年7月から9月期のデータを中心に分析されている。報告は電力・ガス取引監視委員会が行い、制度設計専門会合にて提出されたものである。
モニタリング実施状況
これまでに、制度設計ワーキンググループおよび制度設計専門会合では、計8回のモニタリング報告が実施されている。各回のモニタリングの実施日と対象期間は以下の通りである。
| モニタリング回 | 実施日 | 対象期間 |
|---|
| 第1回 | 2013年8月2日 | 2013年1月-7月中旬期 |
| 第2回 | 2013年12月9日 | 2013年7月中旬-11月中旬期 |
| 第3回 | 2014年6月23日 | 2013年11月中旬-2014年3月期 |
| 第4回 | 2014年10月30日 | 2014年4月-8月期 |
| 第5回 | 2015年6月25日 | 2014年9月-2015年3月期 |
| 第6回 | 2016年1月22日 | 2015年4月-9月期 |
| 第7回 | 2016年6月17日 | 2015年10月-2016年3月期 |
| 第8回 | 2016年9月27日 | 2016年4月-6月期 |
主要なモニタリング内容
2016年7月から9月期のモニタリングにおいて、以下の主要な市場の状況が報告された。
卸電力市場
- 卸電力取引所の構成には、以下の3つの市場が含まれる。
自主的取組
旧一般電気事業者による取り組みは以下の通りである。
- 余剰電力の取引所への供出
- 売買両建て入札の実施
- 卸電気事業者の電源の切出し
重要な数値・データ
2016年7月から9月期の主要指標は以下の通りである。
| 指標名 | 2016年7月~9月 | 2015年7月~9月 | 前年同時期比 |
|---|
| 約定量 | 59億kWh | 41億kWh | 1.4倍 |
| 平均約定価格 (システムプライス) | 8.24円/kWh | 10.27円/kWh | - |
| 東西市場分断発生率 | 69.9% | 69.2% | - |
| 販売電力量 | 2,218億kWh | 2,185億kWh | - |
| 新電力による電力販売量 | 174億kWh | 115億kWh | 1.5倍 |
スポット市場の入札状況
売り入札量
- 総売り入札量は269億kWhであり、内訳は以下の通りである。
- 旧一般電気事業者: 236億kWh
- 新電力その他の事業者: 32億kWh
- 前年同時期比較:
買い入札量
- 総買い入札量は151億kWhで、内訳は以下の通りである。
- 旧一般電気事業者: 81億kWh
- 新電力その他の事業者: 69億kWh
- 前年同時期比較:
時間前市場の状況
- 約定量は4.6億kWhであった。
- 売り約定量は旧一般電気事業者が4.2億kWh、新電力その他の事業者が0.4億kWhであり、旧一般電気事業者が91%を占めている。
平均約定価格
- 時間前市場の平均約定価格は7.97円/kWhであり、横ばいで推移している。
今後の課題・リスク
- モニタリングの継続および市場状況の変化に対応する必要がある。
- 価格変動や市場分断の影響を考慮した取引が求められる。
地方公共団体の電源調達契約
契約の背景
- 地方公共団体が経営する発電事業は、旧一般電気事業者との長期随意契約に基づくことが多い。
- 2015年4月に「地方公共団体の売電契約の解消協議に関するガイドライン」が公表され、契約の解消や見直しが進められている。
旧一般電気事業者の対応
- 一部の事業者は地方公共団体と協議・検討を行っているが、「地方公共団体からの申し入れ・相談はない」と回答する事業者が多数を占めている。
公営電気事業の競争入札状況(2016年7月~9月期)
競争入札の実施状況
- 公営電気事業26事業体のうち、売電契約の競争入札が1件実施され、九州電力が落札した。
公営電気事業の設備概要
- 発電所数:336
- 出力:約243.5万kW
- 年間可能発電電力量:約88.6億kWh
売電契約競争入札状況の表
| 事業体 | 発電種別 | 合計最大出力[kW] | 落札者 |
|---|
| 宮崎県 | 水力発電所1箇所 | 520 | 九州電力 |
| 合計 | | 520 | |
現行契約の供給例
| 事業体 | 発電種別 | 合計最大出力[kW] | 落札者 |
|---|
| 東京都 | 水力発電所3箇所 | 36,500 | F-Power |
| 東京都 | 太陽光発電所1箇所 | 1,896 | 丸紅 |
| 神奈川県 | 太陽光発電所1箇所 | 20 | 丸紅 |
| 新潟県 | 水力発電所8箇所 | 46,000 | F-Power |
| 新潟県 | 水力発電所3箇所 | 86,300 | 日本テクノ |
| 山梨県 | 水力発電所1箇所 | 49 | F-Power |
| 三重県 | 廃棄物固形燃料発電所1箇所 | 12,050 | エネット |
| 合計 | | 184,347 | |
この報告は、電力市場の実態を把握し、今後の取り組みを進めるための重要な情報源である。