資料の対象と範囲
本文は、電力広域的運営推進機関が2025年8月5日に発行した「容量市場 業務マニュアル メインオークションの参加登録・応札・容量確保契約書の締結 編」の一部です。主な対象は、2029年度を実需給年度とするメインオークションへの参加を希望する事業者です。参加登録前に、2029年度対象のメインオークション募集要綱を確認するよう示されています。提示範囲は登録、期待容量、応札、容量確保契約などにまたがりますが、各章の抜粋や図表一覧・業務手順図も含むため、記載されていない手続や要件を補うことはできません。
主な日程
2029年度向けメインオークションの参考スケジュールは、事業者情報の登録受付が2025年8月4日~8月8日(審査は8月13日まで)、電源等情報が8月4日~8月19日(審査は9月5日まで)、期待容量が9月9日~9月19日(審査は10月2日まで)です。応札受付は10月14日~10月24日、応札容量算定に用いた期待容量等算定諸元一覧の受付は10月27日~11月4日、約定結果公表は2025年12月頃の予定です。日程は不測の事態で変更されることがあり、変更時は機関ホームページや容量市場システムで案内されます。審査結果は各審査期間内にシステムを通じて通知されるとされています。
参加登録をしても応札は必須ではありません。応札には対象年度の参加資格通知書を受領済みであることが必要で、通知書は期待容量登録完了後、応札受付開始前に発行されます。応札しなかった電源等は、期待容量登録時点で供給力として確定していないものを除き、原則として2029年度を実需給年度とする調達オークションに参加できないと記載されています。調達オークションの参加条件は募集要綱で公表され、追加オークションの募集要綱は開催される場合に実需給年度の前年度までに公表されます。
登録対象・対象外(1.2)
募集対象エリアは全国ですが、沖縄地域とその他地域の離島は除外されます。主な登録区分は次のとおりです。
- 安定電源:所定の方法で算定する期待容量が1,000kW以上の安定的な供給力。対象として水力、火力、原子力、再生可能エネルギー、所定の運転継続能力を持つ蓄電池などが挙げられます。
- 変動電源(単独):安定的に供給力を提供できるものを除く水力または再生可能エネルギーで、期待容量1,000kW以上。
- 変動電源(アグリゲート):同一供給区域内の、安定的に供給力を提供できない期待容量1,000kW未満の水力・再生可能エネルギーを組み合わせ、合計1,000kW以上の供給力を提供するもの。
- 発動指令電源:安定供給が困難な事業用電気工作物、特定抑制依頼、または期待容量1,000kW未満の発電設備等を用い、同一供給区域内の複数電源等の組合せを含めて1,000kW以上の供給力を提供するもの。変動電源および変動電源だけの組合せは対象外です。
安定電源は、応札容量を供給したうえで需給ひっ迫時にそれを超える供給力を提供できる場合、1計量単位を発動指令電源の1リソースとしても登録できます。需給ひっ迫時とは、前日以降の需給バランス評価で低予備率アセスメント対象コマと判断された場合です。
原則登録できないものには、実需給年度とFIT買取期間またはFIP適用期間が重なる電源、業務規程第33条の電源入札で落札した電源、実需給年度中に供給力を提供できない電源、自家消費等に専ら用いる電源、所定の発電量調整供給契約または接続供給契約がない電源、長期脱炭素電源オークションの適用期間と重複する容量があります。本文に記載された主な例外は次のとおりです。
- FIT併設の非FIT電源を差分計量等で計量できる場合や混焼バイオマスの非FIT相当分は、その部分を登録できます。石炭・バイオマス混焼FIT電源は、所定の移行手続を行う場合に登録可能で、実需給開始前はFIT買取を受けられます。参加登録後にバイオマス比率が変わる場合は機関への申告が必要です。
- FIP電源はFIT電源に準じますが、洋上風力ゼロプレミアム案件は、バランシングコスト相当分のFIP交付金受領を放棄していれば例外として登録可能です。放棄は、初めて応札するオークションの参加登録時まで(運転開始後に初めて応札する場合は運転開始時まで)に、約定結果にかかわらずFIP制度の全支援期間について行う必要があります。
- 自家消費、自己託送、特定供給等に必要な容量を超えて供給力を提供できる部分は登録可能です。運用・契約形態により扱いが異なる場合は個別相談が案内されています。
- 実需給期間前に最終保障供給であっても、実需給期間中に所定の契約が締結されていれば登録可能です。
- 長期脱炭素電源オークションで落札した電源は、適用期間が重なる場合、そのオークションの対象容量部分を本オークションに参加させられません。
システム利用と事業者情報(1.3、第2章)
事業者情報・電源等情報の登録前に、事業者コード、クライアント証明書、該当する場合は系統コードを取得します。申込集中時には取得に最大3週間程度かかる可能性があり、期限後の受付はできないため早めの手続が必要です。自己託送用とそれ以外の事業者コードを持つ場合は、自己託送用でないコードを事業者情報登録に使います。クライアント証明書は事業者コードごとに必要で、有効期限前の更新登録が必要です。電源等リスト単位で参加する変動電源(アグリゲート)・発動指令電源は、リストごとに系統コードが必要です。安定電源を発動指令電源のリソースとしても登録する場合は、そのリソース用の系統コードも別途取得します。
事業者情報が既に登録されている事業者は、新規登録ではなく内容確認・必要な修正を行います。様式3「容量オークションの参加登録申請に伴う誓約書」を提出済みなら再提出不要です。新規登録ではシステムで情報・書類を入力またはアップロードし、利用規約に同意して申し込みます。様式3は記載・押印したものをアップロードし、原本郵送は不要です。登録口座は当座または普通預金で、口座番号が7桁未満なら先頭に0を付けます。審査合格後、登録完了と管理者ユーザ2件分のログイン情報がメール通知され、初回ログイン時にパスワード変更が必要です。仮パスワードは通知日を含め3日間有効です。不合格時は理由が通知され、再申込には登録手続を最初からやり直します。
変更・取消はシステム上の仮申込後、審査画面で「申込完了」を実行して初めて申込完了となります。審査開始前に限り取下げ可能です。取消が承認されると事業者情報が取り消され、システムにログインできなくなります。
電源等情報の登録(第3章)
電源等情報は事業者情報の登録完了後に登録します。安定電源、変動電源(単独)、発動指令電源は、事前準備、基本情報、詳細情報、仮申込、申込完了の順です。変動電源(アグリゲート)は先にリスト(Excelファイル)を作成します。2028年度向けに参加登録された情報は原則として機関が2029年度向けに登録しますが、取次による登録と思われる情報、修正が必要と判明している情報は引き継がれません。長期脱炭素電源オークションで登録した情報も引き継がれず、新規登録が必要です。
基本情報は1計量単位ごと、詳細情報は号機(ユニット)ごとに、実需給年度時点で想定される内容を登録します。登録情報が実需給年度時点で想定される情報であることを確認する欄へのチェックが必要で、未チェックの場合は再提出を求められます。提出書類は原則システム経由で登録時に提出し、写しで構いません。既設電源は様式4~7のいずれか、新設電源は様式8または9のいずれかが必要とされています。
主な入力・書類上の条件は以下のとおりです。
- 名称、受電地点特定番号、エリア、同時最大受電電力などを確認できる書類を提出します。受電地点特定番号は22桁で、先頭の0の欠落、0の置換、指数表記がないことを確認します。新設で番号未発番の場合、基本情報には受電地点特定番号「9999999999999999999999」、系統コード「YYYYY」を入力します。
- 号機所有者が参加登録申請者名と異なり、容量オークションの取次による場合、取次合意を証明する書類を提出し、書類記載の所有者を入力します。
- 電源種別、発電方式、設備容量は届出書等を根拠に入力します。安定電源・変動電源(単独)では、設備容量1,000kW以上を確認できる書類が必要です。バイオマス混焼は主燃料の確認資料が必要です。区分の詳細は各区分の表およびAppendix.1によります。
- 石炭主燃料の控除対象外電源として設計効率(HHV・発電端)42%以上を申請する場合、設計効率を確認できる、保有事業者以外が示す証憑書類を提出します。過去の対象オークションで提出済みで内容に変更がなければ新たな対応は不要とされます。
- 運開年月は経過年数に応じた控除の判定に用います。2011年4月以降運転開始の電源は年月を確認する書類が必要ですが、2011年3月末以前の電源は原則提出不要です。増出力分や一定のリプレースに関する取扱いも本文に記載されています。
- 安定電源のうち火力、水力、バイオマス専焼・混焼、地熱、蓄電池は、調整機能の有無にかかわらず様式18を提出します。提出先は指定メール窓口で、期限は期待容量登録受付期限の2025年9月19日です。調整機能「有」の場合、余力活用契約書写し等を実需給年度の前年までにシステム提出しますが、その時期は別途公表とされています。
- 生産計画で供給力が変動する発電用自家用電気工作物(余剰)に限り該当有無を登録し、電力受給契約書等を提出します。参加登録時点でFIT認定を受けている電源には様式12が必要で、FIT認定IDと特定契約終了年月を入力します。洋上風力ゼロプレミアム案件はFIP交付金受領放棄の書類を追加提出します。
登録時点で未運転の新設電源について、合理的理由で既設向け書類を準備できない場合、準備できるまで提出期限延長が認められることがあります。ただし、接続検討回答書または工事計画届出書は登録時に提出します。書類提出・追加登録の期限は2029年1月末予定で、それまでに追加登録されない場合、市場退出(全量退出)となることがあります。指定以外の書類への代替は、機関が登録項目を判断できる場合に限られ、追加書類を求められる場合があります。提出書類は表紙と該当ページのみでよく、該当箇所へのマーキングが必要です。ファイル名は拡張子込み50文字以下、パスワード保護は不可です。
変動電源(アグリゲート)は、小規模変動電源ごとの情報を最新版Excel様式に記載します。ファイルが4MB超または内訳が10,000件超の場合は分割提出します。リスト提出は原則として実需給年度の3年前の3月末日までで、2029年度向けは2026年3月末日です。合理的理由を機関が認める場合は延長の可能性があります。所有者と登録事業者が異なる電源を載せる場合、登録前に所有事業者の合意が必要です。リスト作成・システム登録・書類提出の詳細は本文に記載されています。
期待容量の登録・変更(第4章)
期待容量はメインオークションで応札できる容量の最大値です。応札を希望する事業者は毎年、応札前に対象年度分を登録します。過年度に登録済みでも2029年度向けには新たな登録が必要です。対象区分は安定電源、変動電源(単独)、変動電源(アグリゲート)、発動指令電源です。
期待容量は所定様式で算定します。安定電源は発電方式に応じて様式15または16、変動電源(単独・アグリゲート)は様式15、発動指令電源はビジネスプラン申請書を用います。安定電源等は原則1計量単位ごと、アグリゲートはリスト単位で作成します。安定電源、変動電源(単独)、発動指令電源は算定期待容量1,000kW以上、変動電源(アグリゲート)はリスト単位で1,000kW以上が必要です。発動指令電源は1kW刻みで算定します。算定諸元一覧は整数値で入力し、小数値を入力しても整数値で処理されます。複数ユニットを1計量単位とする場合は原則ユニットごとに算定して合算しますが、発電方式区分が同じなら複数ユニットを合算して算定する方法も可能です。
登録時には電源等情報が実需給年度時点で想定される内容であることを確認し、指定欄にチェックします。未チェックの場合は再提出を求められます。ブラックスタート機能を有する対象安定電源には、所定の揚水・蓄電池区分で、各月の送電・放電可能電力と継続時間から必要電力量相当分を除く入力上の扱いがあります。
システムでは期待容量を入力し、算定諸元一覧またはビジネスプラン申請書を所定欄にアップロードします。仮申込後、審査画面で「申込完了」を実行する必要があります。審査不合格時は審査コメントで理由を確認し、不備を修正して必要書類を追加し再申込します。再提出ファイル名には改訂回数を付け、例として2回目提出は「_R1」とします。変更申込も変更理由を入力し、仮申込後に申込完了操作を行います。変更は原則としてメインオークションの期待容量登録期間のみ可能ですが、応札期間終了後に設備更新等で期待容量を増加させる場合の記載もあります。具体的な受付日は提示範囲にありません。
応札(第5章)
応札容量の算定では、安定電源、変動電源(単独)、変動電源(アグリゲート)が期待容量登録時の算定諸元一覧をダウンロードし、区分別の様式に更新して算定します。ファイル名は「エリア_応札容量_電源等識別番号.xlsx」です。安定電源は様式15または16、変動電源は様式17を使います。発動指令電源は実効性テストで容量確保契約容量の供給力を確認するため、この応札容量算定は不要です。
応札受付期間中、電源等ごとに実需給年度、オークション区分、電源等識別番号、応札容量、応札価格を登録します。応札容量は1,000kW以上かつ期待容量以下を1kW単位、応札価格は税抜き0円以上を1円単位で入力します。複数電源等を登録した事業者は各電源等について応札します。登録後は状況が「応札済」となったことを確認します。受付期間中は容量・価格の変更や取消が可能です。登録完了により容量確保契約を申し込んだものとみなされ、約定結果公表日に公表内容に従う契約が成立すると記載されています。
発動指令電源の調整係数は応札受付期間後に決まり、係数適用後の容量が1,000kW未満なら非落札となります。係数は約定結果公表に合わせて公表されるとされています。市場支配力に関する注意として、発電規模500万kW以上の事業者が所定の事前確認価格または基準価格を超えて応札する場合、取消対象と判断されることがあります。500万kW未満でも監視対象となる場合があります。
応札した事業者は、応札受付期間終了後6営業日以内に、応札容量を記載した期待容量等算定諸元一覧をシステムで提出します。2029年度向けの期間は2025年10月27日~11月4日と記載されています。適切な一覧を期限までに提出しない場合、市場退出とみなされることがあります。期待容量を変更せず、変更理由に「応札容量を追記したため」と記入して、指定欄へ一覧をアップロードします。仮申込後、審査画面で申込完了操作が必要で、提出した一覧と応札容量の一致が審査されます。不備の通知後は速やかな修正・再提出が必要です。
約定処理後、落札・非落札の結果はメールとシステムで確認できます。結果決定まで受付終了から2か月程度かかるとされています。落札電源等は原則として供給計画に計上しますが、所有者が発電事業者に該当しない場合等は不要とされています。
容量確保契約(第6章)
契約書は本紙、システムで確認する別紙、機関ホームページで確認する約款から構成されます。落札事業者は確認依頼メールを受けた後、本紙・別紙を確認し、修正不要なら「無」、修正が必要なら「有」として依頼事項を記入します。依頼事項は100文字以内です。機関の承認通知後、契約書2部が郵送され、事業者は本紙の甲側に記名・押印し、押印日を記入して1部を返送し、1部を保管します。契約の効力発生日・締結日は約定結果公表日で、収入印紙は不要と記載されています。
契約変更が必要な主な場合は、権利義務・契約上の地位の譲渡、発動指令電源の実効性テスト結果が契約容量を下回った場合、調達オークションまたはリリースオークションでの落札・売却、電源等差替、市場退出などです。機関が必要と判断した場合も変更手続が必要です。別紙変更に伴いアセスメント対象容量の再算定が必要な場合、機関から提出依頼が届きます。発動指令電源は応札容量がアセスメント対象容量となるため、この算定手続は不要です。安定電源・変動電源は応札時の算定諸元一覧を更新して提出します。
解約の主なケースとして、全量市場退出、監督官庁による業務停止等、支払停止・支払不能、信用状況の極端な悪化、債務超過のおそれ、倒産手続、解散決議、市場支配力の行使などが挙げられます。全電源の全量市場退出では解約合意書、それ以外に表で列挙されたケースでは解約通知書が送付されるとされています。解約通知書の場合は機関指定の日付で解約されます。解約合意書は内容確認・必要な修正を経て承認され、2部郵送後に事業者が記名・押印して1部を返送します。
改定履歴と記載上の限界
改定履歴では、初版が2025年7月31日、第2版が2025年8月5日発行で、第2版では表3-5・表3-9の「選択可能書類」が差し替えられたとされています。本文は一部抜粋であり、応札・契約締結の具体的手続、個別の受付期限、変更・解約の詳細条件など、提示範囲にない事項は補えません。