対象・適用範囲
本資料は、電力広域的運営推進機関が業務規程第32条の5に基づき作成した「容量停止計画の調整業務」マニュアルの一部です。対象実需給年度は2027年度、適用開始日は2026年7月30日で、第1版は2026年9月30日発行、変更履歴は初版・新規作成です。対象はメインオークションで落札した安定電源・変動電源(単独)と差替先電源等です。提示範囲はマニュアルの一部(66~92ページ)で、改定点の記載はありません。
容量停止計画の提出対象は、実需給年度に、定期補修・中間補修、流通設備作業等、または地元自治体との協定等の履行により出力停止・抑制を行う計画です。高圧・低圧等の流通設備作業は対象外です。事故、運用による供給力減少、燃料制約等による停止は調整対象外で、短期間に休日等の軽負荷時に実施できる補修も通常は停止電力に見込まず、調整対象に含めません。
計画の作成・算定条件
応札単位に複数電源がある場合、容量市場システムに登録した電源等情報の詳細情報単位で提出し、供給力・出力可能容量は号機単位で算定します。計画補修等により合計出力可能容量がアセスメント対象容量を下回る場合は、作業のない電源も号機単位で提出します。各号機の補修時にも合計がアセスメント対象容量を下回らない場合は提出を省略できます。
計画補修による停止電力は原則月平均値とし、調整係数が適用される電源は出力可能容量に調整係数を乗じます。供給力は本機関指定の月間・前半・後半の記載断面で算定し、月を跨ぐ作業は月ごとに分けます。出力可能容量は1kW単位で小数点以下第1位を切り捨てます。純揚水・蓄電池は各月の管理容量に、作業と運転継続時間を考慮した調整係数を乗じます。変動電源(単独)は停止電力を反映せず、作業計画把握のため当該月のアセスメント対象容量を出力可能容量として提出します。
対象年度にメインオークションと長期脱炭素電源オークションの契約がある水素・アンモニア混焼火力またはCCS付火力は、通常の号機単位ではなく契約単位で計画を作成します。契約単位の出力可能容量は、号機単位の出力可能容量に、電源全体の送電端設備容量に対する各契約の相当設備容量の割合を乗じます。混焼火力の長期脱炭素契約分は電源全体設備容量×混焼率、CCS付火力の同契約分は化石燃料部分の設備容量×CO₂回収率とし、メインオークション分は電源全体の設備容量から当該長期脱炭素契約分を差し引きます。設備容量、混焼率、CO₂回収率には長期脱炭素電源オークションで提出済みの電源等情報の値を用います。
第2章:提出・登録手続と期限
容量停止計画は年間作業停止計画と整合させます。発電契約者が作業停止計画を広域機関システムに登録し、容量提供事業者はそれと整合する計画を容量市場システムに提出します。両者が異なる場合も、作業調整と情報共有を行ったうえで提出します。
- 長期固定電源(原子力、水力〔揚水式を除く〕、地熱):流通設備作業への同調を求める場合、容量提供事業者は実需給2年度前の7月末日までに提出します。複数作業は作業ごと、月跨ぎは月ごとに提出します。系統状況や計画停止調整状況によって同調できない場合があります。この提出に該当しない電源は10月末日までの提出対象です。
- 長期固定電源以外:容量確保契約を締結した電源に出力停止等の計画がある場合、属地一般送配電事業者から通知された出力停止等も含め、実需給2年度前の10月末日までに提出します。第2.2節により長期固定電源の計画を提出済みなら再提出は不要です。複数作業は個別に、月跨ぎは月ごとに提出します。
- 流通設備作業情報:属地一般送配電事業者は原則、実需給2年度前の9月末までに、出力停止等を要する発電契約者へ様式1(Excel)で作業・制約情報を通知します。追加・変更情報は期日後も都度通知される場合があります。制約量が2種類示された場合は「発電機作業停止を実施した場合」の制約量を用います。
長期固定電源以外は調整期間中の新規提出が原則できません。ただし、提出済み計画の変更に伴う追加は除かれます。例として、11月分の作業を11月15日~12月15日に変更する場合、11月分を変更し、12月分を新規提出します。
登録は容量市場システム用CSVの一括アップロードまたは画面での個別登録で行います。CSVは原則1行に1計画を記載し、複数事業者の計画は同じファイルにまとめられません。変更時は変更対象の計画だけを提出し、1MBを超えるファイルは分割します。CSVでは作業日をYYYYMMDD、時刻をhhmmの半角数字で入力し、終了時刻24:00は2359とします。広域受付番号は広域機関システムの該当作業停止計画の7桁番号を入力し、同システムに提出していない場合は「zzzzzzz」とします。出力可能容量は1以上の整数とし、小数点以下を切り捨て、実際に0kWの場合は「1」と入力します。登録状況欄は編集せず、登録区分は初回登録が「1」、2回目以降の変更が「2」です。初回登録のCSVに容量停止計画IDを入力すると取込エラーになります。
アップロード後は登録結果を確認します。「処理中」は約1時間後を目安に再確認し、「NG」はエラー一覧CSVで原因を確認・修正して再提出、「OK」は登録完了です。個別登録は容量停止計画管理画面から対象電源を選び、必要項目を入力して登録します。
差替がある場合、登録主体は容量確保契約の契約主体である差替元電源等提供者です。通知や通知書の送付先は差替元・差替先で異なるため、両者で連携して確認します。容量確保契約を締結していない差替先電源等提供者は提出不要です。
変更・取消と例外
提出後、長期固定電源の流通設備作業に関する計画の追加・変更は、作業変更の影響を受ける他事業者の同意を得ることを基本に認められます。調整期間終了後の追加・変更は原則認められませんが、法令上の対応、緊急的な設備トラブル、または終了後に属地一般送配電事業者から調整依頼が生じた場合は例外的に認められることがあります。市場退出時は提出済み計画を変更または取り消します。
初回登録・変更・取消の申請中は、登録確認待・変更確認待・取消確認待の状態で取下げできます。取下げは申請前の状態に戻す操作で、提出済み計画を削除する取消とは異なります。広域確認後、登録確認済みの計画を削除する場合は取消を行います。本文には、変更可能な登録状況や取消可能な登録状況として「登録確認待」「調整不調電源反映済」等が示されています。
調整期間終了後、容量提供事業者の事由で停止期間を追加・変更し、供給信頼度確保に影響する場合は、実需給2年度前の2月頃の算定結果を基に契約約款第16条の式で算定した経済的ペナルティの1.5倍を科す場合があります。第5章では、確定手続完了後に市場退出があった場合、退出相当の契約容量を控除してペナルティを算定するとしています。
第3章:調整手続
供給信頼度の基準を満たさないエリア・ブロックや期間に計画を提出している電源は調整対象となり、容量提供事業者は調整に応じます。広域機関は、調整が必要なエリア・時期の算定、調整不調電源の登録、日数・減額率・判断結果の更新時に対象事業者へメール通知します。通知先は容量市場システムの事業者情報および管理者ユーザID(2件)に登録されたメールアドレスです。調整が必要なエリア・時期は広域機関HPで確認します。2026年度以降は供給信頼度状況に応じてブロック構成が随時更新され、更新後のブロック単位で確認します。
調整不調電源の判定は各STEP終了時点のブロック構成・供給信頼度確保状況と計画提出状況によります。基準を満たすエリア・月だけに計画を提出している電源は対象外です。複数作業を登録している場合は、全作業が対象外条件に合致したときに限り対象外です。減額率は約定時点のブロック構成における作業停止量で算定します。
調整不調電源として通知された電源は、調整に応じられないやむを得ない理由がない限り、調整期間中の依頼に応じます。容量提供事業者は停止理由を踏まえ、発電契約者等と停止容量・時期の変更可否を確認し、調整可能であれば計画を変更して提出します。調整期間は供給力確保状況により延長される場合があり、詳細日程は広域機関HPで公表されます。
- STEP1(約3週間):全電源が変更可能です。終了時に基準を満たす月だけに計画がある電源は対象外として登録されます。
- STEP2(約2週間):STEP1終了時点で供給信頼度に影響する月の停止電力を、STEP1終了時より増やす変更は原則できません。それ以外は変更可能です。STEP1で対象外とされた電源が作業調整した場合、その対象外判定はいったん無効になります。
- STEP3(約2週間):STEP2終了時点で影響する月の停止電力を現状より増やす変更は原則できません。原則として、STEP2終了時点で調整不調電源となり、基準未達の月に計画している容量停止計画のみ変更できます。
- STEP4(約2週間):STEP3までに供給信頼度への影響が解消されない場合に限り個別調整を行い、変更可能な事業者へ直接依頼します。
調整期間終了時にも基準未達の月に計画を提出している電源は調整不調電源となり、ペナルティ対象となる場合があります。調整に応じず、やむを得ない理由も提出しない電源、または理由が認められない電源は経済的ペナルティの対象です。
第4章:経済的ペナルティの確定
調整期間終了後、基準未達のエリア・ブロック・期間に計画を提出している電源は調整不調電源となりますが、対象外登録の電源はペナルティ対象外です。容量市場システムの電源等情報詳細画面で日数・減額率を確認し、両方に0でない値が登録されていれば対象です。未提出の場合は欄が空欄、調整不調電源でない場合は日数・減額率が0と表示されます。
本文に示された算定式は、(契約単価×契約容量-容量確保契約金額の算出に関する経過措置の控除額)×減額率×調整不調日数です。契約容量は、調達オークションによりメインオークション落札時の契約容量を上回る場合、落札時の容量を使います。減額率は、追加設備量利用分(0.3%/日×追加設備量を利用する容量/追加設備量×同容量/停止対象容量)と、供給信頼度確保への影響分(0.6%/日×影響容量/停止対象容量)の合計です。調整不調日数は(1-出力可能容量/応札単位のアセスメント対象容量)×1か月の日数で算定し、純揚水・蓄電池はアセスメント対象容量に各月の調整係数を乗じます。
調整に応じられないやむを得ない理由がある場合、広域機関HPで公表される期限までに、所定様式と第三者(社内他部署を含む)が作成した証明資料を添付し、容量市場受付窓口(youryou_uketsuke@occto.or.jp)へメールで報告します。本文だけで必要事項を送った場合は様式での再提出を求められ、第三者作成の証明資料を出せない場合はペナルティ対象となります。例示される理由は、属地一般送配電事業者との調整が必要な場合、メーカー・作業員確保等により時期調整が不可能な場合、その他広域機関が妥当と認める場合です。個別審査により対象外となる可能性があります。ただし、理由が認められても、メーカー・作業員確保等で時期調整が不可能な場合や、広域機関が対象外と判断した場合には、供給信頼度確保への影響に関するペナルティが対象となることがあります。
審査結果は別途公表される期日までにメールで送付されます。異議がある場合は、受領から5営業日以内に所定の別紙へ審査結果と異議内容を記載し、受付窓口へメールで申し立てます。異議が認められれば原則対象外ですが、供給信頼度確保に影響する場合のペナルティは残ることがあります。認められなければ対象です。
対象電源の有無は対象実需給2年度前の2月末頃に確定します。「実需給2年度前」の通知書には減額率・調整不調日数が記され、記載不備は受領から5営業日以内に連絡します。同通知の金額は当時の契約情報による参考値です。最終額は実需給期間中に「実需給年度」の通知書で最新の契約情報に基づき通知され、記載不備は受領後5営業日以内に連絡します。不備がなければ、各月の容量確保契約金額の支払・請求の初月の算定時に反映されます。差替電源では通知書は契約主体の差替元へ送付され、調整不調電源情報の更新通知は差替先にも送付されるため、両者で連携します。
第5章:確定後の追加・変更
対象は、実需給年度2年度前の2月頃にペナルティ確定手続が完了した後、容量停止計画を追加・変更する調整不調電源の容量提供事業者です。変更がない事業者に本章の業務はありません。原則として調整期間終了後の追加・変更は認められませんが、法令対応、緊急的な設備トラブル、終了後に属地一般送配電事業者から調整依頼が発生した場合は例外となります。やむを得ない理由による変更は、影響を受ける他事業者の同意を得ることを基本とします。
作業変更時は容量提供事業者が作業工程を再検討し、影響を受ける事業者を属地一般送配電事業者に確認したうえで、同意を主体的に取得します(5.1)。追加・変更が必要になった場合は速やかに容量市場受付窓口へメールし、容量停止計画、変更前後の出力可能容量の増減値、変更理由を示す資料を送付します(5.2)。やむを得ない理由による計画は供給計画と整合させ、対象実需給年度1年度前の2月頃までに提出します。具体的な期日は容量市場システムから別途周知されます。提出計画は同時期に集約され、供給信頼度算定結果が公表されます。期日後の変更により算定結果の再公表が必要となる場合があります(5.3)。
提出方法は容量停止計画設定CSVの一括アップロードまたは個別登録です。変更後の計画は供給計画・作業停止計画と整合させます。複数電源の計画は1ファイルにまとめられますが、複数事業者の計画は同一ファイルにできません。月跨ぎは月ごとに分け、変更対象だけを提出します。CSVの登録・確認・取下げ・取消は第2章と同様のシステム上の手順に従い、調整期間終了後の計画は供給信頼度算定結果の公表時まで広域確認前の状態で維持され、その公表時にステータスが変更されます。
第3章以降の調整方法・ペナルティ算定の記述、および第5章の手続は本抜粋に含まれる範囲に限られます。資料全体の結論や、記載のない追加手続は推測できません。