電力システム改革と委員会の取り組み
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が発表した「電力システム改革の進捗と委員会の取り組み」に関するものであり、特に電力・ガス取引監視等委員会が関連する内容を検討したものである。リリース日は令和2年8月4日である。資料の目的は、電力の小売営業に関する指針を示し、契約に先立つ情報提供や現行の問題点を明確化することで、需要家の権利を保護し、公正な電力市場の確保を目指すものである。
主要な検討内容・論点
検証の進め方
本専門会合では以下の2つの分野の進展状況を評価することが目的である。
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電力システム改革
- 小売全面自由化
- 卸電力市場の公正性の確保および取引の活性化
- 送配電関連分野の制度改革
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ガスシステム改革
電力システム改革が目指していたこと
1. 小売全面自由化の意義
- 小売市場への参入や料金の自由化が進められ、競争を通じた効率化が期待されている。
2. 料金規制の見直し
- 料金規制を廃止し、需給状況に応じた柔軟な料金メニューの設定を可能にする。
3. 需要家保護策
- 自由化により供給義務や料金規制が撤廃されるが、最終保障サービスが設けられ、需要家の保護が図られている。
電力小売全面自由化の進展状況
新規参入の状況
- 2020年7月1日時点で、662者の小売電気事業者が市場に参入しており、新電力のシェアは約**16%**に達している。
需要家の動向
- 電気購入先を変更した消費者の割合は約15%に達し、国民の認知度は約8割に急増している。
小売料金の影響
- 電力自由化後、多様な料金メニューが登場し、料金は低下傾向にある。
小売全面自由化の経緯
- 2000年以降、段階的に電力小売自由化が進められ、2016年4月からは全ての需要家が自由に電力会社を選択できるようになった。
| 契約kW | 対象需要家イメージ | 2000年3月 | 2016年4月 |
|---|
| 2,000kW | 大規模工場 | 自由化部門電力量26% | 全面自由化 |
| 50kW | コンビニ、町工場、家庭 | 規制部門電力量38% | 全面自由化 |
小売全面自由化に関する委員会の取り組み
主要な活動内容
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需要家への情報提供・相談対応
- 電力・ガス自由化セミナーの開催や相談窓口の設置、相談事例の公表を行っている。
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適正な取引の確保
- 小売事業者が遵守すべきルールの明確化と小売市場の競争状況を把握する取り組みをしている。
相談件数と対応
- 国民生活センターへの相談件数は比較的低く、電気事業に関する相談は以下の通りである。
| 調査内容 | 相談件数 | 需要家数 | 相談件数の割合 |
|---|
| 電気 | 11,742 | 約5,853万世帯 | 0.020% |
| インターネット | 32,673 | 約4,025万契約 | 0.081% |
卸電力市場の公正性の確保に関する取り組み
我が国の卸電力市場の状況
- 旧一電の状況
- 旧一電が電源の大部分を保有し、自社の小売部門のために利用しているため、他の小売業者への卸売は行われていない。
委員会の取り組み
公正性の確保と取引量拡大
- 旧一電によるスポット市場への適切な取引を促進し、取引量の拡大を目指す。
定期的なモニタリング
- 卸電力市場の状況を定期的にモニタリングし、報告を行うことを約束している。
スポット市場での取引拡大の取り組み
- スポット市場における旧一電の適切な取引を推進するため、様々な取り組みを行っている。
スポット市場における相場操縦行為に関する整理
- 相場操縦に関する理論的整理が進められ、スポット市場での価格支配力を行使できる行動が促進されている。
今後の課題と取り組み
- 旧一般電気事業者による不当な内部補助の防止や、取引の透明性向上を図る取り組みが引き続き必要とされる。
まとめ
本資料は、電力システム改革の進捗と自由化に関する委員会の取り組みを詳細に示しており、新規参入者の増加や料金メニューの多様化を反映している。需要家保護策の重要性も強調されており、今後のさらなる改革が期待される。