ガス導管事業者の2019年度託送収支に関する事後評価
本資料は、ガス導管事業者の2019年度託送収支に関する事後評価の経緯と内容を示している。特に、料金制度専門委員会による法令に基づく評価が重要なテーマとなっている。
資料の構成
本資料は以下の項目から構成されている。
- 事後評価について
- 法令に基づく事後評価(ストック管理・フロー管理)
- 今後のスケジュール
事後評価の決定事項
- 電力・ガス取引監視等委員会は、ガス導管事業者の2019年度託送収支の事後評価を実施することを決定した。
- 評価対象は、託送供給約款を定め、料金届け出を行っている全147社のガス導管事業者である。
評価の進め方
対象事業者
- 託送供給約款を定めているガス導管事業者及び料金を届け出ている事業者(全147社)
評価内容
超過利潤の状況
2019年度末の超過利潤累積額についての評価結果は以下の通りである。
| 超過利潤累積額 (2019年度末) | 一般ガス導管事業者 (123社) | 特定ガス導管事業者 (24社) | 合計 |
|---|
| 一定水準額超過 | 1 | 0 | 7 |
| 一定水準額の2/3、3/3 | 6 | 0 | 8 |
| 一定水準額の1/3、2/3 | 6 | 1 | 11 |
| 一定水準額の1/3未満 | 55 | 4 | 115 |
決定事項
- 超過利潤が一定水準を超過した7社については、翌事業年度の開始日までに料金の値下げ届け出を義務付けられる。
- 収支状況が一定基準を満たさない場合、変更命令が発動される。
乖離率の状況
各社の乖離率の結果は以下の通りである。
| 乖離率 (2019年度末) | 一般ガス導管事業者 (123社) | 特定ガス導管事業者 (24社) | 合計 |
|---|
| -5%を超過 | 9 | 2 | 26 |
| -5%~2.5% | 6 | 1 | 16 |
| -2.5%~0% | 6 | 0 | 17 |
| 0以下 | 47 | 1 | 68 |
今後の予定
- 超過利潤累積額が一定水準を超過した事業者について、料金の変更命令を発動するかどうかの最終判断を行う予定。
- 乖離率について合理的な説明があった場合には、料金の変更が不要となる可能性がある。
結論
ガス導管事業者の託送収支に関する事後評価は、関係者にとって重要な意義を持ち、今後の料金設定や市場競争の健全性に影響を与えることが予想される。
大垣ガスの概要と乖離率計算
会社概要
大垣ガスの基本情報は以下の通りである。
| 一導/特導 | 会計年度 | 創立 | 本店所在地 | 資本金 | 従業員数 | 供給区域 | メーター取付数需要数 | 新規参入 |
|---|
| 一導 | 1-12 | 1912/1 | 岐阜県 大垣市 | 24,207万 | 53人 | 岐阜県 大垣市 | 18,009個 | 無 |
情報は会社HP、2019年度ガス事業便覧及び資源エネルギー庁「登録ガス小売事業者」より作成
乖離率計算書
乖離率の計算は以下の通りである。
| 項目 | 値 |
|---|
| 想定原価千円 ① | 3,570,634 |
| 想定需要量千m³ ② | 195,921 |
| 想定単価円/m³ ③=①/② | 18.22 |
| 実績費用千円 ④ | 3,358,858 |
| 実績需要量千m³ ⑤ | 203,347 |
| 実績単価円/m³ ⑥=④/⑤ | 16.52 |
| 乖離率 ⑦=⑥/③×100 | -9.33 |
大垣ガスの乖離率の状況と合理的説明
大垣ガスからの現行の託送供給約款料金の水準維持の妥当性について説明及び事務局の確認内容は以下の通りである。
合理的な説明
-
乖離率超過の要因:
- 減価償却費及び事業者間精算費の減少
- 導管延伸工事の延期による減価償却費の大幅減少
- 特定期間(2017年1月から3月)の実績が計上されない算定ルール
-
計上されていた場合の乖離率:
- 減価償却費と事業者間精算費が計上された場合、乖離率は**-3.84%**となる。
- 次年度以降は乖離が改善されることが想定されるため、料金の維持が妥当であると考える。
福山ガスの概要と乖離率計算
会社概要
福山ガスについての情報は以下の通りである。
| 一導/特導 | 会計年度 | 創立 | 本店所在地 | 資本金 | 従業員数 | 供給区域 | メーター取付数需要家数 | 新規参入 |
|---|
| 一導 | 1-12 | 1910/4 | 広島県 福山市 | 25,875万 | 90人 | 広島県 福山市 | 47,958個 | 無 |
情報は会社HP、2019年度ガス事業便覧及び資源エネルギー庁「登録ガス小売事業者」より作成
乖離率計算書
福山ガスの乖離率計算は以下の通りである。
| 項目 | 値 |
|---|
| 想定原価千円 ① | 6,281,998 |
| 想定需要量千m³ ② | 158,055 |
| 想定単価円/m³ ③=①/② | 39.74 |
| 実績費用千円 ④ | 6,283,159 |
| 実績需要量千m³ ⑤ | 223,509 |
| 実績単価円/m³ ⑥=④/⑤ | 28.11 |
| 乖離率 ⑥=③/100 | -29.27 |
福山ガスの乖離率状況と合理的説明
福山ガスについての合理的な説明は以下の通りである。
合理的な説明
- 乖離率超過の要因: 特定の大口需要家への一時的な需要増加
- 料金の妥当性評価: 一時的な需要増加を除いた場合、乖離率は**1.21%**となり、料金維持が妥当であると考える。
乖離原因および今後の費用想定(単位:千円)
| 年 | 想定原価 | 減価償却費 | 事業者間精算費 | 実績費用 | 減価償却費 | 事業者間精算費 |
|---|
| 2017 | 1,157,641 | 476,515 | 176,417 | 1,105,812 | 482,133 | 123,396 |
| 2018 | 1,183,241 | 501,611 | 176,417 | 1,131,833 | 458,561 | 165,397 |
| 2019 | 1,229,752 | 547,336 | 176,417 | 1,121,213 | 440,811 | 166,131 |
| 2020 | 1,157,641 | 476,515 | 176,417 | 1,143,126 | 455,150 | 173,705 |
| 2021 | 1,183,241 | 501,611 | 176,417 | 1,187,052 | 499,076 | 173,705 |
| 2022 | 1,229,752 | 547,336 | 176,417 | 1,260,230 | 572,254 | 173,705 |
広島ガスの概要と乖離率計算
会社概要
広島ガスについての基本情報は以下の通りである。
| 一導/特導 | 会計年度 | 創立 | 本店所在地 | 資本金 | 従業員数 | 供給区域 | メーター取付数需要家数 | 新規参入 |
|---|
| 一導 | 4-3 | 1909/10 | 広島県 広島市 | 520,300万 | 637人 | 広島県内 7市4町 | 412,574個 | 有 |
情報は会社HP、2019年度ガス事業便覧及び資源エネルギー庁「登録ガス小売業者」より作成
乖離率計算書
広島ガスの乖離率は以下の通りである。
| 項目 | 値 |
|---|
| 想定原価千円① | 39,403,382 |
| 想定需要量千m³② | 1,398,299 |
| 想定単価円/m³③=①/② | 28.18 |
| 実績費用千円④ | 38,481,092 |
| 実績需要量千m³⑤ | 1,464,766 |
| 実績単価円/m³⑥=④/⑤ | 26.27 |
| 乖離率 | -6.77% |
広島ガスの乖離率の状況と合理的説明
広島ガスの料金維持の妥当性についての説明及び確認結果は以下の通りである。
合理的な説明
- 乖離率超過の要因: 特定の大口需要家の実績需要量が想定を上回ったこと
- 今後の見通し: 他大口需要家の離脱が見込まれ、供給量が減少するため、料金維持が妥当であると判断される。
乖離原因の詳細及び今後の需要想定(単位:千m³)
| 年 | 想定需要量 | 実績需要量 | A社の需要増実績想定 |
|---|
| 2017 | 52,647 | 52,742 | - |
| 2018 | 52,673 | 73,543 | +19,801 |
| 2019 | 52,735 | 97,224 | +45,054 |
2021年度単年度での乖離率
| 項目 | 値 |
|---|
| 想定原価千円① | 13,134,460 |
| 想定需要量千m³② | 466,099 |
| 想定単価円/m³③=①/② | 28.18 |
| 実績費用千円④ | 12,827,030 |
| 実績想定需要量千m³⑤ | 447,901 |
| 実績単価円/m³⑥=④/⑤ | 28.63 |
| 乖離率 | 1.60% |
法令に基づく事後評価とりまとめ(案)
事後評価の対象事業者と行動方針
- 対象事業者の状況:
- 7社の超過利益累積額が基準を超過。
- 26社の乖離率が-5%を超過。
対応方針
- 現行料金の維持が妥当と評価された事業者(犬山ガス、大垣ガス、福山ガス、広島ガス)は変更命令の対象外。
- 値下げ届出が行われない場合、変更命令を行う。
- 特定事業者にはルール設定による対応を検討。
スケジュール
| 年度 | 日付 | 内容 |
|---|
| 2020年度 | 11/30 | 法令に基づく事後評価 |
| 12/7 | 意見回答 |
| 2021年1月or2月 | 値下げ届出内容の確認とりまとめ |
| 2021年2月or3月 | とりまとめ結果報告 |
以上がガス導管事業者の2019年度託送収支に関する事後評価の全体内容である。