資料の目的・背景
本資料は、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会において、不当な内部補助を防止するための具体的方策及び指定等基準全体のあり方に関する議論を行うために作成されたものである。
本日ご議論いただきたい内容
- 不当な内部補助を防止するための具体的方策
- 指定等基準全体のあり方についての議論
中間論点整理ベースの考慮要素
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消費者等の状況(第一要件)
- 現在の消費者の関心
- 現在の消費者の満足度
- スイッチング率(事業者内・事業者間)
- スイッチングによる支払額の変化に関する予測可能性
- その他スイッチング率が上下する要因
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十分な競争力の存在(第二要件)
- 低圧部門の市場構造
- 有力で独立した複数の競争者の存在
- 旧一般電気事業者の地位による競争力への影響
- 競争者が利用可能な十分な供給余力
- 低圧部門の市場行動
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競争の持続的確保(第三要件)
不当な内部補助を防止する方策
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不当な内部補助の定義
- 内部補助は必ずしも不当ではないが、独占部門の独占利益を競争部門に利用することは競争を歪曲する可能性がある。
- 旧一般電気事業者が市場支配力を持つ状況での内部補助を防ぐ必要がある。
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不当な内部補助の防止手法
- 経済合理的な事情がない内部補助を抑制
- 内部補助の機会を限定
- 内部補助を行う者の誘因をなくす方法
重要な数値・データ
| 方策 | 想定される論点 |
|---|
| ①社内取引における内外無差別性の担保 | 不当な内部補助を監視・抑制する効果 |
| ②取引所取引を通じた透明性向上 | 内部補助の機会を限定する可能性 |
| ③発電部門利潤最大化行動 | 外形的な利潤最大化行動の保証の難しさ |
| ④電発電源等の切り出し | 市場支配力の減衰に繋がるかの確認 |
| ⑤小売価格への制限 | 競争者排除の防止及び市場モニタリング |
課題・リスク
- 不当な内部補助を防止するための手法の実施において、事業者の自主的取組に依存する部分があるため、その実効性の確保が課題となる可能性がある。
- 各方策の実現可能性および市場環境の変化に対応できるかが重要である。
今後の予定
本資料における内容を基に、各会合での議論を経て、具体的な方策の実施や指定等基準の見直しを検討していく予定である。
社内取引価格の内外無差別性の検証について
1. 内外無差別性の検証の重要性
社内取引価格の内外無差別性を確保するためには、以下の考慮事項が重要である。
- 卸市場における市場支配力を有する旧一般電気事業者において、社内および社外において経済合理性のある価格設定が求められる。
- 社内取引価格の信頼性を確保するために、行政当局が実情を検証し、必要に応じた是正を求める必要がある。
2. 検討が必要な論点
内外無差別性を考える上で、以下の要素が重要な考慮点となる。
- 信用リスク、利用率、取引期間、取引規模。
- 取引量の増減オプション、行使期限、最低引取量の有無、比例しない基本料金。
- 同様の取引条件において、社内外の価格が経済合理的であるか。
- 電気の貯蔵が困難であることを踏まえた発電所の稼働率や販売価格についての考慮。
- 長期契約における卸価格のリスクヘッジの重要性。
- 大量卸取引契約の売残リスクと市場流動性の関連。
3. 社内取引価格の算定
社内取引価格を適正に算定するためには、以下の観点が必要である。
- 発電部門と小売部門間での具体的な狙いや条件を掴むこと。
- 発電部門の実体的な全コストを下回らない範囲での価格設定。
- 小売部門で社内取引価格が明確にコストとして計上されることを確認する必要性。
4. 公表の要否
社内取引価格等の状況について行政当局が照会を行うことの必要性が示されているが、以下の点も考慮すべきである。
- 社内取引の条件が競争者に明らかになることで競争を減殺するリスクがあるため、原則として非公表とすることを提案。
- 海外での情報公表事例を参考にしつつ、日本の競争環境に適した判断を行う必要がある。
5. 今後の進め方
これまでの検討を踏まえて、社内価格の算定、実効性、信頼性の確保に向けた具体的な議論を進めていく必要がある。柔軟性を持たせつつ、実効的な方策を模索することが求められる。
6. 卸市場における市場支配力の判断基準
市場支配力の有無やその程度は、以下の点を考慮して判断される。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 取引状況 | 卸取引の当事者、取引地点、取引量、取引価格等 |
| 地理的範囲 | 電源の保有量シェアを踏まえた市場画定 |
7. 海外の参考事例
英国における発電から小売への内部補助の議論や改善策が示されており、透明性向上の必要性が強調されている。これにより、監査や報告制度が導入された事例が存在する。
以上を踏まえ、社内取引価格の検証及びそれに関連する議論を引き続き深化させていくことが重要である。