資料の目的・背景
本資料は、効率的なネットワーク形成を目指した託送制度の在り方を検討するものである。平成28年4月26日付けで電力広域的運営推進機関により発表された。東日本大震災を契機に、従来の地域ごとの電力供給体制の限界が明らかになり、これに対処するために「電力広域的運営推進機関」が設立された。
電力広域的運営推進機関の概要
- 名称: 電力広域的運営推進機関(OCCTO)
- 目的:
- 地域を越えた電気のやりとりを容易にする
- 災害時の停電を防ぐ
- 業務内容:
- 需給調整業務
- 全国的な電力供給計画の策定
- 平常時の広域的な運用調整
- 新規電源の接続受付やルール整備
組織情報
| 名称 | 電力広域的運営推進機関 |
|---|
| 英語名 | Organization for Cross-regional Coordination of Transmission Operators, JAPAN |
| 略称 | OCCTO |
| 所在地 | 東京都江東区豊洲6215 |
| 主要役員 | 理事長: 金本良嗣<br>理事: 佐藤悦緒 など |
論点・検討内容
論点1: 託送料金の支払者について
-
課題:
- 発電設備の設置に伴う送配電設備の増強費用は発電容量によるが、一般送配電事業者はkWhに基づく収入を得るため、設備利用率の低い電源の接続には消極的である。
- 設備利用率が低下すると、託送料金がエリアごとに上昇し、需要家に負担がかかる可能性がある。
-
託送料金体系の例:
北海道から沖縄の各社の託送料金体系が示されている。
託送料金体系表: 平成28年4月から適用予定
| 項目 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 |
|---|
| 特別高圧 基本料金 (kW当たり) | 410.40 | 448.20 | 372.60 | 307.80 | 426.60 | 399.60 | 334.80 | 513.00 | 426.60 | 329.40 |
| 特別高圧 従量料金 (kWh当たり) | 1.61 | 1.35 | 1.27 | 1.27 | 1.18 | 1.18 | 0.92 | 0.95 | 1.40 | 2.72 |
| 高圧 基本料金 (kW当たり) | 615.60 | 675.00 | 545.40 | 388.80 | 583.20 | 507.60 | 507.60 | 583.20 | 448.20 | 480.60 |
| 高圧 従量料金 (kWh当たり) | 2.48 | 2.66 | 2.30 | 2.51 | 2.18 | 2.54 | 2.55 | 2.32 | 2.60 | 4.07 |
| 低圧 基本料金 (kW当たり) | 181.44 | 124.20 | 140.40 | 124.20 | 129.60 | 162.00 | 102.60 | 172.80 | 140.40 | 232.20 |
| 低圧 従量料金 (kWh当たり) | 7.84 | 8.68 | 7.31 | 7.97 | 6.89 | 7.88 | 8.62 | 8.56 | 7.25 | 9.84 |
論点2: 託送料金の二部料金制について
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課題:
- 設備投資やメンテナンスには固定費が大きく、現行の従量料金に依存する体系は効率的な利用を妨げる恐れがある。
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提案:
- 基本料金を大きくし、従量料金を小さくすることで、設備利用のインセンティブを向上させるべきとの意見がある。
調整力等の在り方検討・供給計画の取りまとめ
1. 調整力等の在り方検討の背景
- 昭和30年代以来、供給予備力に関する考え方は見直されていない。
- 過去の知見や経験に基づく短期の予備力・調整力の確保と連系線マージンの在り方について、技術検討が進められている。
2. 主な課題
以下の要素について課題が指摘されている:
| 課題 | 説明 |
|---|
| 長期の供給予備力 | 従来の考え方が見直されていない。広域機関による評価が必要。 |
| 短期の予備力・調整力 | 自然変動電源の増加に対する必要量の検証が行われていない。 |
| 連系線マージン | 資量の確保基準や根拠の整理が必要。 |
3. 供給計画の取りまとめ
- 平成27年度に619社の電気事業者の供給計画が取りまとめられ、経済産業大臣に送付された。
- 平成28年度は、ライセンス制導入により新たに発電事業者を加えた供給計画が策定される予定である。
供給計画提出者の内訳
| 年度 | 所属別提案者 |
|---|
| 平成27年度 | 一般電気事業者:10社<br>卸電気事業者:2社<br>特定電気事業者:5社<br>特定規模電気事業者:602社<br>合計:619社 |
| 平成28年度 | 一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者、発電事業者、小売電気事業者 |
4. 今後の予定
- 調整力等に関する委員会は、平成28年度中に需給バランス評価等の検討を進め、結論を得ることを目指す。
- 「中間取りまとめ」を平成28年3月29日に公表し、さらなる検討に繋げていく予定である。
5. 課題
- 各段階における調整力の算定や需給変動要因の検討が必要である。
- 再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需給の安定性評価も重要である。