文書の対象と範囲
本書は、電力広域的運営推進機関が2024年4月3日に発行した「容量市場 業務マニュアル 実需給期間中リクワイアメント対応(変動電源(単独))編」第2版の抜粋です。主な対象は、2024年度向け容量オークションに落札した変動電源(単独)の容量提供事業者と、電源等差替の差替先となった電源の提供事業者です。差替先電源等提供者が容量確保契約を締結していない場合、同提供者は容量停止計画を提出せず、差替元電源区分の業務マニュアルを確認するよう記載されています。
本文には第2章(容量停止計画)、第3章(発電計画・発電上限)および第4章(容量停止計画アセスメント結果)の手続が含まれます。ただし、冒頭で示されたページ範囲では第3章・第4章の一部の具体的手順が確認できない旨も記載されています。後段にはそれらの手続や図示スケジュールの情報が含まれていますが、抜粋に記載のない事項やマニュアル全体の結論は推測できません。画面やメールの例にある「2024」は入力例であり、手続の対象年度を一律に限定する記載ではありません。
リクワイアメントと提出対象
第1.4節では、実需給年度中、契約電源をアセスメント対象容量以上の供給力を提供できる状態に維持することが説明されています。容量停止計画を提出する場合、契約電源の停止またはアセスメント対象容量以下への出力低下は、年間8,640コマ(180日相当)を上限として認められます。自然影響による出力停止・低下は、容量停止計画の提出不要です。
容量停止計画の対象には、電源等の維持・運営に必要な作業のほか、流通設備の計画作業や地元自治体との協定など、発電設備自体の作業停止以外の要因による停止・出力低下が含まれます。事故による供給力低下、短期間・休日等の軽負荷時に行う作業による停止・出力低下も提出対象です。
差替の有無・種類により登録対象が異なります。
- 差替なしの容量提供事業者は、契約電源の容量停止計画と、全量の発電計画・発電上限を扱います。
- 差替元電源等提供者は、部分差替では差替元・差替先双方の容量停止計画、および差替元電源の全量と差替先から差替元に配分された量の発電計画・発電上限を扱います。全量差替では差替先の容量停止計画と、差替先から差替元に配分された量の発電計画・発電上限を扱います。
- 差替先電源等提供者は、差替先電源の容量停止計画と全量の発電計画・発電上限を扱います。ただし、容量確保契約を締結していない差替先電源等提供者は、容量停止計画の提出不要です。
- 差替元・差替先の提供者が同一事業者でも、双方の容量停止計画を提出します。
第2章:容量停止計画
登録・修正(2.2)
実需給2年度前に登録済みの容量停止計画は、実需給年度の前年度3月に本機関が実需給期間向けに変換して容量市場システムに登録します。事業者は追加・変更があれば都度、システムで登録・修正します。
CSV一括登録または容量停止計画確認・変更画面から登録します。新規登録の容量停止計画IDは空欄とし、スペースは入力しません。実需給年度、電源等識別番号、枝番、作業開始・終了日時など、指定された必須項目を入力します。差替なしでも、CSV形式上必要な電源等差替ID・差替元電源等識別番号の欄は空欄としてカンマで区切ります。直接登録の場合、広域受付番号と出力可能容量も空欄にします。終了時刻が24:00の場合は23:59と入力します。月をまたぐ計画は月ごとに分割せず登録できます。
CSVはテキストエディタ等で編集し、ヘッダ行の各項目には二重引用符を付け、データ行には付けません。Excel編集では引用符や先頭ゼロが失われる可能性があります。1ファイルのサイズ上限は20MBです。添付資料は一度に最大5件(各20MB)、登録後の追加を含め合計50件までです。その他要因による停止・出力低下では、必要に応じて根拠資料を添付します。画面から直接変更できるのは作業開始日時と終了日時です。
変更登録は既存情報との差分のみ更新されます。既存より短い期間の計画を別計画として追加すると、長い計画が最新と判定されるため、既存計画の取消が必要です。この場合、追加登録のタイミングが算定諸元の登録日となり、アセスメント結果に影響するとされています。計画数や停止期間によって登録・削除に時間がかかる場合があります。
CSV登録後は「一括登録・変更結果確認画面」で結果を確認します。「処理中」は完了後に再確認し、「OK」は正常登録、「NG」は未登録です。NGの場合はエラー情報CSVを取得して原因を確認し、修正して再登録します。正常登録時には完了メールが送付されるため、登録内容を確認します。画面から変更する場合は対象を選択して「編集開始」後、作業開始・終了日時を修正して「更新」します。取消は登録区分で「取消」を選択します。
図示された手順全体図では、2年前の計画の登録や各種提出期限が示されていますが、2.2の登録手続自体には具体的な期限が記載されていません。
差替先計画(2.2.2)
差替を実施している場合、登録主体と差替の種類に応じて差替先の容量停止計画を登録します。差替元は部分差替なら差替元・差替先双方、全量差替なら差替先の計画を登録し、差替先提供者も差替先計画を登録します。差替先計画には電源等差替IDと差替元電源等識別番号を記載します。容量確保契約を締結していない差替先電源等提供者は提出不要です。登録・結果確認・エラー時の修正再登録は通常の容量停止計画と同様です。
作業停止計画(月間)からの変換(2.3)
変換対象は、対象月の2か月前に確定した作業停止計画(月間)(翌々月分)です。広域機関システムに同計画を提出している事業者には、変換・容量市場システムへの登録希望を確認するメールが届きます。希望する場合は、広域受付番号と電源等識別番号を所定様式に記載し、対象月の前月10日までに本機関へメールで送付します。10日が休日の場合は直前の営業日が期限です。本機関は提出締切の翌営業日に変換・登録します。作業停止計画(月間)を提出していない事業者は変換登録できず、2.2に従って登録・修正します。
実需給2年度前の登録計画と変換計画は、作業期間が同じでも別計画として登録されます。両方があると、作業停止が短縮されても長い計画が最新と判別されるため、いずれか一方を取り消します。登録内容や流通設備停止等による抑制期間変更の通知を確認し、修正が必要なら修正します。不要なら対応は不要です。図示スケジュールでは、変換計画の修正・提出期限はN+1月第16営業日までです。
登録漏れ確認(2.4)
本機関は遮断器情報等を確認して登録漏れを確認します。不合格の通知を受けた事業者は、2.2に従って容量停止計画を修正登録します。未登録に正当な理由がある場合は、実需給年度・月、電源等識別番号・名称、正当な理由を指定メールアドレスへ申告し、必要に応じて根拠資料を添付します。本機関が理由を認めた場合は計画提出不要です。例としてバランス停止中の電源が挙げられています。図示スケジュールでは、登録漏れ確認結果の通知はN+1月下旬頃、修正・提出期限はN+1月第16営業日までです。正当な理由の申告期限は抜粋からは確認できません。
差替先計画の整合性審査(2.5)
本機関は差替元・差替先が登録した計画の整合性を審査します。不合格の場合、差替元電源等提供者に通知され、同提供者が差替先計画を修正・再登録します。図示スケジュールの修正・提出期限はN+2月第3営業日までです。
提出時期の妥当性審査(2.6)
本機関から停止理由の提出依頼を受けた場合、実需給年度・月、電源等識別番号・名称、停止理由を指定先へ提出し、必要に応じて根拠資料を添付します。審査結果は登録メールアドレス宛に通知されます。異議がある場合、結果通知を受領した日を含む5営業日以内にメールで申し立てます。図示スケジュールでは提出依頼はN+2月上旬頃、停止理由の提出期限はN+2月第20営業日までです。
異議申立は指定宛先に新規メールで行い、件名に事業者コードを含めます。本文には異議内容と具体的根拠、事業者コード、事業者名称・担当者名、電源等識別番号・名称、容量停止計画IDを記載し、必要に応じて根拠資料を添付します。営業日は、本文の参考記載による休日を除く平日のうち1月4日と12月29日を除いた日です。異議申立後の審査結果はメールで通知されます。
第3章:発電計画・発電上限
登録値の確認・修正(3.1)
本機関は、広域機関システムに登録されたゲートクローズ直前提出の発電計画値・発電上限値を、対象実需給月の翌月第5営業日までに容量市場システムへ登録します。事業者はアセスメント算定諸元一覧画面で実需給年月と最新回次を指定して検索し、電源等識別番号から詳細を確認します。号機単位の系統コードで紐づけ、同一系統コードの電源が複数ある場合は設備容量比で按分されます。停止状況等にかかわらず按分されるため、広域機関システムの値と異なる場合があり、必要に応じて修正します。
修正登録には所定CSVを用います。実需給年月日、情報区分(01=発電計画、02=発電上限)、提出事業者コード、電源等識別番号と、0:00から23:30まで30分ごとの値を記載します。単位はkW、整数部は最大12桁です。月初から月末まで1か月分を記載し、0の場合も0を入力します。ヘッダ行には二重引用符を付け、データ行には付けません。Excel編集では引用符や先頭ゼロが失われる可能性があります。
容量市場システムの「一括登録・変更画面」でファイル種別「アセスメント算定諸元」を選択してアップロードします。ファイル名は任意とされています。処理結果が「処理中」なら時間を空けて再確認し、「NG」ならエラー情報CSVに基づき修正・再登録します。「OK」の場合も登録内容を確認し、詳細画面の値とCSVを少なくとも対象月の1日分、全コマ照合します。誤登録があれば再登録し、正常登録時は完了メールを確認します。図示スケジュールでは修正・提出期限はN+1月第18営業日までです。
発電計画がアセスメント算定までに提出されない場合、当月の全コマを0として扱う場合があります。発電上限が提出されない場合は、月別のアセスメント対象容量(差替があれば差替容量を減じた値)を発電上限として扱う場合があります。
差替がある場合(3.1.3)
差替元電源等提供者は、部分差替では差替元電源の全量と差替先から差替元に配分された量、全量差替では差替先から配分された量について発電計画・発電上限を登録します。差替先電源等提供者は差替先電源の全量を登録します。差替元は通常項目に加え、差替先電源等識別番号と電源等差替IDを含む差替配分供給力CSVを用います。月初から月末までの30分値をkWで記載し、0も入力します。登録・エラー確認・修正再登録の手順は通常のCSVと同様です。図示スケジュールでは修正・提出期限はN+1月第18営業日までです。
差替配分供給力の発電計画が算定までに提出されない場合は当月全コマを0、発電上限が提出されない場合は月別差替容量を発電上限として扱う場合があります。
差替先情報の整合性審査(3.2)
本機関は差替元が登録した差替配分供給力と、差替先が登録した発電計画・発電上限の整合性を審査します。不合格の場合、差替元電源等提供者は差替先の算定諸元を確認して差替配分供給力を修正・登録します。図示スケジュールでは修正・提出期限はN+2月第13営業日までです。
第4章:容量停止計画のアセスメント結果(4.1)
容量停止計画が登録されたコマで、電源が提供できる供給力の最大値がアセスメント対象容量を下回ると未達成として扱われます。部分的な未達は未達量に応じて未達成コマとしてカウントされます。提出時期や低予備率アセスメント対象コマへの該当状況によって5倍カウントとなる場合があり、本文の条件は、平常時(夜間・休日を除く)と判断されたコマで前週火曜日17:00以降に提出した場合、または低予備率アセスメント対象コマで前月末以降に提出した場合です。それ以外は1倍です。一定の流通設備作業や自治体協定等に伴う計画は、前月末までに提出されていれば、後に変更があっても1倍とする場合があります。1週間の起算日は土曜日です。
差替元として差替を行う電源は、差替元・差替先それぞれの未達率を算定し、未達成コマを合算します。倍率を反映した実需給年度内の未達成コマ累積が8,640コマ(180日相当)を超えると、超過分に経済的ペナルティが科されます。本文の累積例では6月を対象とする場合に4月から6月までを累積します。
仮算定(仮確定)完了通知は、リクワイアメント未達成が発生した場合のみ送付されます。通知を受けた事業者は容量市場システムでコマごとの未達成コマを確認します。仮確定結果に異議がある場合、通知受領日を含め5営業日以内に所定宛先へ新規メールで申し立てます。件名には4桁の事業者コードを記載し、本文には異議内容・根拠、事業者・担当者情報、電源等識別番号・名称、対象年度・月・コマ、未達成コマを記載します。必要に応じて根拠資料を添付します。営業日は平日のうち1月4日・12月29日を除く日で、休日には土日祝日、1月2~3日、4月30日~5月2日、12月30~31日および本機関指定日が含まれます。例では7月1日(金)受領の場合、期限は7月7日(木)です。
本機関は異議申立の妥当性を審査し、結果をメールで通知します。合格の場合は本機関が未達成コマを修正し、確認依頼メールを送付するため、事業者はシステムで修正結果を確認します。異議申立の有無にかかわらず、結果確定後は確定通知を受け、確定したアセスメント結果を確認します。図示スケジュールでは結果確定はN+3月中旬頃です。
改定点と記載上の限界
第2版の改定履歴には、電源等差替に関する表現、容量市場システム稼働時間、CSV登録・削除時の注意事項、一括登録の待ち時間、添付資料の制限、発電計画等がアセスメント算定までに提出されない場合の注意事項などの変更が記載されています。本文には第3章・第4章の一部や手順全体図の情報もありますが、参照される別紙やメール様式の全項目、記載範囲外の詳細手順は確認できません。