資料全体の説明
資料の目的・背景
本資料は、2023年11月9日に開催された第55回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会の報告である。検討会では、同時市場における調整力の必要性や商品区分の見直しについて議論し、タスクアウト項目が設定された。
検討内容・論点
本作業会では、以下の重要な検討内容が提示されている。
1. 現行商品の必要性
- 現行商品は5つの区分に分かれており、特に**「予備力」**としての扱いを含め、必要性に関する検討が求められている。
- 現行商品の必要量については、GC(実需給1時間前)の前日時点での確保の必要性が論点とされている。
2. 商品区分の見直し
- 商品区分の見直しに関し、再生可能エネルギーの予測誤差に対応する必要性が議論されている。
- EDC成分において、二次・三次のような区分が必要かどうかも考慮されている。
タスクアウト項目の概要
以下のタスクアウト項目について、各論点が整理されている。
| No | 論点 | 詳細 |
|---|
| 1 | 現行商品5区分の必要性 | 実需給前後における予備力としての確保の必要性を検討 |
| 2 | 商品区分の見直し | 再エネ差異対応等の区分の必要性について |
| 3 | 各商品必要量の算定式 | 必要量の算定式に関する見直しとその影響を検討 |
| 4 | 電源起動出力配分ロジックにおける制約条件 | 新たな論点に基づく制約条件の整理 |
需給調整市場と同時市場の違い
- 需給調整市場: 一般送配電事業者は前週及び前日で調整力を確保し、実需給の予測誤差を考慮する必要がある。
- 同時市場: 前日取引終了後も調整力の確保が可能で、需給バランスの考え方が変わる。
同時市場において対応すべき事象および商品の必要性
予備力を含む現行商品の必要性
- 現行商品の必要性は、以下の事象に対応するために求められている。
- 時間内変動
- 需給予測差
- 再生可能エネルギー予測誤差
- 電源脱落(瞬時及び継続)
再エネ予測誤差への対応
- 同時市場では、再エネ予測誤差及び需要予測誤差を合成した残余需要誤差に対応する必要性が特に高いとされる。
課題・リスク
- 同時市場への移行に伴い、調整力確保のタイミングや需給バランスの作成主体が変更になるため、過去の誤差への対応が求められる。
- 電源脱落時の対応として、調整力の受け渡し方法や確保方法に対する明確な整理が必要となる。
今後の予定
- 次回の作業会で、上記の論点についてさらに詳細な議論が行われる見込みである。引き続き、電力システムの安定性を確保するための検討が求められる。
商品区分の見直し
現行の商品区分と要件
商品区分の見直しにあたっては、以下の現行の要件が前提となる。
| 一次調整力 | 二次調整力① | 二次調整力② | 三次調整力① | 三次調整力② |
|---|
| 英呼称 | Frequency Containment Reserve (FCR) | Synchronized Frequency Restoration Reserve (S-FRR) | Frequency Restoration Reserve (FRR) | Replacement Reserve (RR) | Replacement Reserve-for FIT (RR-FIT) |
| 指令制御 | オフライン自端制御 | オンラインLFC信号 | オンラインEDC信号 | オンラインEDC信号 | オンライン |
| 応動時間 | 10秒以内 | 5分以内 | 5分以内 | 15分以内 | 45分以内 |
| 入札時間単位 | 3時間 | 3時間 | 3時間 | 3時間 | 3時間 |
同時市場への移行後は、一般送配電事業者がSCUC(Security Constrained Unit Commitment)を実施するため、「並列要否」の要件は不要と考えられる。
商品集約の検討対象
商品集約については、以下の3点が検討の対象となる。
- 需要予測誤差および再エネ予測誤差に対応する商品(二次②、三次①、三次②)
- 時間内変動に対応する商品(一次、二次①)
- 類似要件の商品(二次①、二次②)
まとめ
本資料では、同時市場において複数の類似商品が存在する状況であり、商品区分の見直しが求められている。今後は、次の検討を進める必要がある:
- インセンティブ設計の統合
- 現行商品の要件を基にした整合性の確認
- 参入を希望するリソースに対する手当の検討
このように、資料は同時市場における必要な商品とその区分について詳しく分析されており、今後の制度変更や商品設計の方向性を考える上で重要な情報を提供している。