低圧部門における競争の現状と見通し
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が実施した電力・ガス取引監視委員会における議論を基に、低圧部門の競争状況を整理したものである。特に、東京電力エリア及び関西電力エリアに焦点を当て、指定等基準の適用状況を評価し、競争環境を確保するための要点を明確にすることを目的としている。
議論内容
本日の会議で期待される議論内容は以下の通りである。
- 低圧シェア 5% 以上の有力競争者候補が存在するエリアの詳細審査
- 指定等基準が満たされているか否かの評価
- 「消費者等の状況」「十分な競争力の存在」「競争の持続的確保」についても議論が必要である。
指定等基準の各考慮要素
指定等基準は以下の3つの要件で構成される。
-
消費者等の状況(第一要件)
- 現在の消費者の関心、満足度、スイッチング率、スイッチングによる支払額の変化予測
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十分な競争力の存在(第二要件)
- 市場構造(有力で独立した複数の競争者の存在、供給余力の確認)
- 市場行動(新規参入者の状況、協調的価格行動の懸念)
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競争の持続的確保(第三要件)
現状の分析
東京電力エリアの状況
消費者の関心
- 自由化認知度が 95% を超え、詳細を知っている者は 48.7% に達する。
- スイッチングに対する消極的な態度が見られる。
競争環境の持続性
- 新電力の参入者数は増加しているが、みなし小売電気事業者のブランド力が競争の障害となる可能性がある。
料金設定比較
| 事業者 | プラン名 | 料金設定の概要 |
|---|
| 東京電力PG | 従量電力B | 基本料金: 280.80円、電力量料金: 120kWh: 19.52円/kWh, 121kWh〜300kWh: 26.00円/kWh, 301kWh: 30.02円/kWh |
| 東京ガス | ずっとも電気 1S | 東京電力JCIに相当 |
| KDDI | でんきMプラン | 一般家庭向け |
| JXTG | 従量電灯C相当の割引プラン | |
スイッチングの容易性
- 電気の購入先変更時の手続きの簡易さ(n=775)について、46.0%が「とても簡単だった」と答え、困難だとの意見は少数派であった。
関西電力エリアの状況
消費者の関心
- 消費者の状況評価は、競争の持続的確保が重要である。
市場構造
- 新規参入が進んでおり、協調的価格行動の懸念は限定的である。
スイッチングの容易性
- 手続きを「簡単だった」とする回答は39.7%であり、全国平均に比べて高い。
| 区分 | とても簡単だった | 簡単だった | どちらとも言えない | やや難しかった | 難しかった |
|---|
| 関西電力管内 | 39.7% | 37.5% | 20.7% | 2.2% | 0% |
| 全国平均 | 42.7% | 39.4% | 15.2% | 2.6% | 0.1% |
スマートメーターの普及状況
- 関西電力管内のスマートメーター設置率は 71% であり、全国平均を上回っている。
| 電力会社 | 設置予定台数示 | 設置台数及び設置率 |
|---|
| 関西電力 | 1,313万台 | 932.0万台 71.0% |
結論
現在、低圧部門において価格設定における協調的行動についての具体的な懸念はなく、スイッチングの容易性やスマートメーターの普及状況も良好である。今後は、東京電力および関西電力エリアでの競争の持続性についての審査を進め、さらなる検討を行う予定である。