北海道電力株式会社の経営効率化の取り組みについて
本資料は、2023年2月15日に発表された北海道電力株式会社の経営効率化に関する取り組みをまとめたものである。以下に、主要なポイントを整理する。
目次
- I. 経営効率化の取り組み体制と概要
- II. 今回原価へ反映した経営効率化の取り組み
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- 継続的な経営効率化の取り組み
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- 今後の経営効率化の取り組み
- III. 火力発電および業務効率化の取り組み
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- 火力法定点検・中間点検の延伸
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- 砂川発電所の新工法の適用
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- 放射線管理区域内塗装修繕作業の改善
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- 資機材調達の効率化
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- その他の取り組み
- IV. 資機材調達コスト低減の取り組み
- 取り組みの背景
- 競争発注比率の推移
- 2021年度の契約減率
- V. まとめ
I. 経営効率化の取り組み体制と概要
1. 経営効率化の取り組み体制
- 北海道電力は2016年度に「経営基盤強化推進委員会」を設置し、収支改善と財務体質の強化を目的に以下の取り組みを推進している:
- カイゼン: 業務効率化の手法を導入し、生産性向上を図る。
- DX(デジタルトランスフォーメーション): デジタル技術による業務革新を進める。
- 調達検討委員会: 資機材調達コストの低減を目指す。
2. 経営効率化の概要
- 2018年度にカイゼンを導入以来、プロジェクト数は2,800件以上に達している。
| 年度 | プロジェクト数 |
|---|
| 2019 | 1,000 |
| 2020 | 2,000 |
| 2021 | 2,500 |
| 2022 | 3,000 |
| 2023以降(計画) | 3,500 |
II. 今回原価へ反映した経営効率化の取り組み
1. 継続的な経営効率化の取り組み
- 経営基盤強化推進委員会のもとで進めてきたコスト低減策は、合計で年平均650億円の効率化を原価に反映予定である。
原価への反映額の内訳(単位:億円/年)
| 費目 | 継続的取り組み内容 | 金額 | 今後の取り組み内容 | 金額 |
|---|
| 人件費 | 業務運営体制の見直し | 4 | 組織のさらなる見直し、カイゼン深化 | 6 |
| 需給関係費 | 電源構成の最適化 | 268 | 燃料調達の工夫 | 147 |
| 設備投資関連費 | 定期点検の周期延伸 | 2 | さらなるコスト低減 | 2 |
| 修繕費 | 内容の見直し | 73 | 資機材調達コストの低減 | 36 |
| 諸経費等 | 調達コストの低減 | 71 | | 39 |
| 合計 | | 417 | | 230 |
2. 今後の経営効率化の取り組み
- 今後も継続的な取り組みを進め、カイゼンやデジタル技術の活用を強化することで、さらなる効率化と業務全般の生産性向上を図る計画である。
III. 火力発電および業務効率化の取り組み
1. 火力法定点検・中間点検の延伸
- 2017年の電気事業法改正に伴い、安全管理審査制度が見直され、火力ユニットにおいて「システムS」評価を取得することで、定期検査のインターバルを最大6年間まで延長することが可能になり、修繕費の低減が期待されている。
| インターバル | システムS評価取得前 | システムS評価取得後 |
|---|
| ボイラ | 定検 | 中間点検、定検 |
| タービン | 中間点検、定検 | 中間点検、定検 |
2. 砂川発電所の新工法の適用
- 砂川発電所3号機の経年劣化に伴う亀裂に対し、従来の工場修理が不要となる新たな溶接施工法を認証取得し、現地での溶接が可能となったことで工期短縮と費用低減を達成した。
3. 放射線管理区域内塗装修繕作業の改善
- 泊発電所で、補修範囲や工法の見直しを行い、修繕費を大幅に低減した。
| カイゼン策 | カイゼン前 | カイゼン後 |
|---|
| 補修範囲見直し | 劣化全体修繕 | 劣化箇所の限定修繕 |
| 工法見直し | 多人数作業 | 移動式塗装キットによる作業 |
| 仕様見直し | 法令を満たした塗装 | 他発電所の実態確認で法令満足 |
4. 資機材調達の効率化
- 価格交渉力強化: 見積内訳の透明化や仕様緩和を通じて新規取引先の開拓を図る。
- 効果的な発注方式の適用: グループ会社との共同調達や複数年契約の活用を推進する。
| 発注方式 | 内容 | 主な適用事例 |
|---|
| グループ会社共同調達 | 一括発注 | 発電用変圧器 |
| ターゲットプライス方式 | 目標額提示で見積依頼 | 空気予熱器 |
5. その他の取り組み
- 土地・建物の売却: 不要資産を売却し、26億円の収益を得た。
- 有価証券の売却: 約10銘柄で4億円の売却を実施。
IV. 資機材調達コスト低減の取り組み
取り組みの背景
- 資機材調達コストの低減に向け、以下の取り組みが進められている:
- 価格交渉力の強化: 仕様の緩和などによる改善。
- 発注方式の多様化: 新規取引先の開拓を含む戦略的な発注。
競争発注比率の推移
| 年度 | 法的分離前(%) | 法的分離後(%) |
|---|
| 2011年 | 14 | 18 |
| 2012年 | 38 | 29 |
| 2013年 | 28 | 23 |
| 2014年 | 23 | 29 |
| 2015年 | 32 | 33 |
| 2016年 | 35 | 15 |
| 2017年 | - | 21 |
2021年度の契約減率
| 発注区分 | 契約減率(%) |
|---|
| 競争発注 | 6.1 |
| 特命発注 | 7.1 |
| 合計 | 7.0 |
V. まとめ
- 北海道電力株式会社は、経営効率化のためにカイゼンやデジタルトランスフォーメーションを推進し、継続的な取り組みを通じて原価コスト削減を計画している。
- 過去数年間で750億円の効率化を達成し、2020年度の分社化以降も430億円の効率化を実現した。
- 引き続き業務全般の生産性向上と安定的な電力供給を目指していく方針である。