平成28年度 託送供給等収支事後評価資料
概要
本資料は、平成28年度の託送供給等収支に関する事後評価をまとめたものであり、東京電力パワーグリッド株式会社が平成30年1月25日に作成した。託送供給等収支の算定結果、超過利潤の発生要因、各種対策、安定供給状況について詳細に説明している。
主要なポイント
1. 託送供給等収支の算定結果
- 当期純利益: 748億円
- 超過利潤: 561億円(対営業収益比3.4%)
| 項目 | 金額(億円) |
|---|
| 営業収益 | 16,359 |
| 営業費用 | 14,851 |
| 営業利益 | 1,507 |
| 営業外損益 | 532 |
| 特別損益 | 67 |
| 税引前当期純利益 | 1,043 |
| 法人税等 | 294 |
| 当期純利益 | 748 |
| 当期超過利潤額 | 561 |
2. 超過利潤の発生要因
超過利潤の発生要因は以下の通りである。
- 託送料金による収入が468億円減少した一方で、1,029億円の費用削減が達成されたこと。
| 収入・費用 | 内訳 |
|---|
| 超過利潤 | 561億円 |
| 収入減少による超過利潤減 | ▲468億円 |
| 費用削減による超過利潤増 | +1,029億円 |
3. 想定原価と実績費用の増減額
実績費用は想定原価より1,029億円減少した。
| 内訳 | 原価(億円) | 実績(億円) | 差異(億円) | 備考 |
|---|
| 費用合計 | 14,541 | 13,512 | 1,029 | |
| 人件費・委託費等 | 3,008 | 3,173 | 165 (5.5%) | 分社化による委託費の増加 |
| 設備関連費 | 8,070 | 6,795 | 1,274 (15.8%) | 技術向上や設備投資削減による減 |
4. 効率化に資する取組
経営効率化のために実施中の取組は以下の通りである。
| 主な取組項目 | 内容 |
|---|
| 技術業務革新 | 社内の業務効率化 |
| 保全合理化 | 点検・巡視方法の効率化 |
| 競争発注 | 複数の販売先からの調達による価格低減 |
5. 安定供給の状況
東日本大震災以降、停電回数および停電時間はほぼ一定の水準を維持している。
| 年度 | 1軒あたりの停電回数(回/年) | 1軒あたりの停電時間(分/年) |
|---|
| H21 | 数値 | 数値 |
| H22 | 増加 | 増加 |
| H23 | 数値 | 数値 |
| H24 | 数値 | 数値 |
| H25 | 数値 | 数値 |
| H26 | 数値 | 数値 |
| H27 | 数値 | 数値 |
| H28 | 数値 | 数値 |
6. 設備投資の方針
事業環境の変化を考慮した設備投資を継続し、系統信頼度の確保とコストダウンを推進する方針である。
| 設備投資の考え方 |
|---|
| 1. 機能や性能の劣化状態を診断し、適切に補修 |
| 2. 特定リスクがある場合は優先順位をつけた更新実施 |
| 3. ネットワーク効果に基づく対策を展開 |
高経年化対策 - 鉄筋コンクリート柱
概要
高経年化対策は、鉄筋コンクリート柱の延命化を目的とした補修および更新方針を策定している。
主要なポイント
- 補修板の取付により延命化を図る。
- コンクリートのひび割れや部分剥離が進むと、内部鉄筋の腐食が進行し、強度不足に至ることがあるため、更新の目安を設定している。
- 更新は施設環境の違いによる劣化の進行に差があるため、巡視点検を実施し、劣化状況に応じた対象を厳選して更新している。
- 今後は高経年設備の増加を考慮し、更新の平準化および優先順位の設定を検討する。
鉄筋コンクリート柱の物量分布
- 総数: 約580万基
- 法定耐用年数超過: 約79万基
- 工事実績(2014-2016平均): 約6万基
研究開発 - 取組方針
研究カテゴリー
当社は次の三つのカテゴリーに分けて研究開発を進めている。
| カテゴリー | 概要 | 主な評価指標 |
|---|
| コスト削減のためのイノベーション | ICT技術やオープンイノベーションを活用し、既存技術の業務革新を図る | コスト削減見込額、効果発生時期 |
| リスク対応の強化 | 自然災害や分散電源の大量導入に対応するための技術開発に注力 | 事故災害の発生可能性、影響度 |
| 将来に向けたテーマエネルギーサービスの高度化 | 安定した送配電ネットワークを構築し、新たな価値を生むプラットフォーム事業を展開 | 事業方針との整合性、効果発生時期 |
H28年度の研究費分類別内訳
- 将来に向けたテーマ・エネルギーサービスの高度化: 17%
- コスト削減のためのイノベーション: 44%
- リスク対応の強化: 39%
- 合計: 57億円
研究開発 - 管理体制と実施・継続基準
管理体制
技監を責任者とする研究開発管理責任組織が本社各部・室を牽引し、継続的管理(PDCA)を実施している。
研究実施の基準
- 研究目的の妥当性
- 期待されるメリット(定性評価)
- 費用対効果(定量評価)
- リスク評価
研究の継続可否の判断基準
- 当初目標の達成状況
- 研究実施の意義存否
- 費用対効果の再検証
- リスク再評価
競争調達の状況
現状および目標
H24年の料金査定時に「H28年度までに競争調達比率を6割以上」の目標を設定し、H26年度に2年前倒しで達成した。H28年度も引き続き達成し、競争調達比率は**76%**に達した。
競争調達比率の実績
| 年度 | 競争調達比率 (%) |
|---|
| H22 | 15% |
| H23 | 7% |
| H24 | 32% |
| H25 | 35% |
| H26 | 65% |
| H27 | 71% |
| H28 | 76% |
今後の方針
また、さらなる競争環境の構築に向け、調達カテゴリごとの特性に応じた有効な戦略を実行し、ダウンサイジングとコスト削減を図っていく。
本資料は、平成28年度の託送供給等収支の評価結果を中心に、電力供給の安定化や効率化のための取組について詳細に説明している。