概要・対象者・対象年度
本資料は、電力広域的運営推進機関の「長期脱炭素電源オークション」業務マニュアルの抜粋で、主に2025年度実施分の参加登録、電源等情報・期待容量の登録、応札、落札後の容量確保契約締結を扱う。対象者は参加・応札を希望する事業者および落札事業者。参加登録をしても応札は必須ではないが、応札には当該年度の参加資格通知書の受領が必要で、期待容量登録完了後、応札受付開始前に発行される。参加希望者は登録前に2025年度募集要綱を確認する。提示本文はマニュアルの一部であり、記載のない後続手順や資料全体の結論は特定できない。
2025年度の主な日程
- 事業者情報登録受付:2025年10月14日~17日、審査:10月14日~22日。
- 電源等情報登録受付:10月20日~24日、審査:10月27日~12月9日。
- 期待容量登録受付:12月10日~16日、審査:12月17日~26日。
- 応札受付:2026年1月19日~26日。
- 応札容量算定に用いた期待容量等算定諸元一覧と、物価・金利変動等に伴う契約単価補正方法の登録受付:2026年1月27日~2月3日。
日程は不測の事態で変更される場合があり、本機関ホームページまたは容量市場システムで案内される。各登録情報は審査され、結果は審査期間内にシステムを通じて通知される。約定結果は応札受付終了から約3か月後を目途に応札年度の翌年度に公表予定だが、監視状況等により前後する。応札価格は受付終了後に電力・ガス取引監視等委員会(監視等委)の監視を受ける。
参加対象となる電源等(1.2)
対象は、設備投資が必要で、応札時点で運転開始前の安定電源・変動電源。既設原子力の安全対策投資は2013年7月の新規制基準導入後初の再稼働前、既設火力の改修は改修後の運転開始前が対象時点として示される。参加可能容量は送電端容量を基準に、所内消費、自家消費、自己託送・特定供給、特定送配電事業者利用、熱供給による減少分、FIT/FIP供給分、要件を満たさない発電容量等を控除する。
主な区分・容量要件は次のとおり。
- 脱炭素電源の安定電源:水素混焼(LNGに高位発熱量ベース10%以上)・水素専焼・アンモニア専焼火力、原子力、地熱、バイオマスの新設・リプレース等は原則10万kW以上。既設火力のバイオマス専焼化は新たに生じる部分が10万kW以上、アンモニア・水素混焼/専焼化またはCCS付き改修は新たに生じる部分が5万kW以上で、混焼率・CO2回収率等の条件がある。調整式・貯水式・揚水式水力、蓄電池、長期エネルギー貯蔵システム等は原則3万kW以上。揚水・蓄電池・長期貯蔵には1日1回以上、連続6時間以上運転できる能力等が必要。
- 脱炭素電源の変動電源:太陽光、陸上・洋上風力の新設・リプレースは原則10万kW以上。安定供給力を提供できるものを除く水力は3万kW以上。
- LNG専焼火力:LNGのみを燃料とする新設・リプレースで、原則10万kW以上の安定供給力を提供するもの。
同一場所の一定の電源は、同時落札条件付きの複数応札合計で容量要件を満たせる場合があるが、個別要件・最低容量条件は適用される。火力(既設火力改修を除く)、揚水、蓄電池、長期貯蔵には調整機能と制度適用期間中の維持が必要で、GF・LFC・EDC等の条件もある。相対契約の予定有無は参加可否を左右しない。プロジェクトファイナンス等の電源は担保設定等について本機関と協議する場合がある。
既落札電源、FIT/FIP適用電源、本機関の電源入札落札電源、専ら自家消費等に使う電源、制度適用期間中に発電量調整供給契約がない電源などは参加できない場合がある。ただし、FIT/FIP対象外の供給力部分、自家消費等に必要な容量を超えて逆潮流等で供給力を出せる部分など、本文に個別例外が記載されている。既設火力の脱炭素改修や2022年11月実施メインオークションで初めて落札した電源にも例外があるが、個別の適用判断は本文の条件による。
事前準備・事業者情報(1.3、第2章)
事業者情報・電源等情報の登録前に、事業者コード、事業者コードごとのクライアント証明書、系統コードを準備する。申込集中時は取得に最大3週間程度かかる可能性がある。証明書は有効期限前にシステムの事業者情報を更新し、有効期限が異なる複数証明書も登録できる。系統コード未採番時は第3章所定の仮値を入力する。落札後に国内法人を設立する想定のコンソーシアムは、事前手続を行った代表事業者名義で申し込む。
事業者情報の新規登録(2.1)は、システムに必要事項を入力し、「容量オークションの参加登録申請に伴う誓約書」をアップロードする。誓約書は記入・押印して提出するが原本郵送は不要。過去の容量オークションで登録済みなら新規登録は不要で、内容確認・必要な修正を行う。誓約書提出済みの場合も再提出不要。登録項目には事業者コード、申請者名・所在地、支払口座、連絡先、適格請求書発行事業者登録番号、収入金課税事業者該当有無、証明書情報等がある。法人未設立コンソーシアムはコンソーシアム名と代表企業名を登録する扱いがあり、出資構成の異なる複数SPCを予定し代表企業が同一の場合は事業者情報にコンソーシアム名を入れず、電源等情報で電源ごとに登録する。法人設立後は速やかに契約承継手続を行う。
審査合格時は登録完了と管理者ユーザ2件分のログイン情報がメール通知され、初回ログイン時にパスワード変更が必要。仮パスワードは通知日を含む3日間有効。不合格時は理由通知後、最初から再申込する。
事業者情報の変更(2.2)は登録期間中のみ可能で、期間終了後は原則不可。やむを得ない場合は速やかに本機関へ連絡し、可否の個別判断を受ける。変更内容・理由を入力して仮申込後、審査画面で申込完了操作をする。審査開始前は取下げ可能。内容により誓約書提出を求められる場合があり、不合格時の再申込は最初から行う。
取消(2.3)は理由を入力して仮申込し、審査画面で申込完了操作を行う。審査開始前は取下げ可能。不備がなければ取消完了が通知され、取消後はシステムにログインできない。2025年10月14日~12月26日の参加登録期間中、本機関は取消処理を行わず、その期間の申請は期間終了後に処理される。
電源等情報の登録・変更・取消(第3章)
電源等情報は事業者情報登録済みの事業者が、電源(ユニット・号機)単位で登録する。2025年度は本オークション専用画面がないため、メインオークション用画面を便宜利用し、指定情報を入力する。正式情報は所定様式に記入して添付する。単独会社で参加・応札し、供給力提供開始までにコンソーシアムを組成する想定の場合、将来の体制を事業実施体制図に記載する。
登録申込(3.1)は指定の参加登録申請者記入シートに記入し、転記先の「事業計画書」「電源等情報」シートには直接記入しない。安定電源はD1様式、必要に応じ蓄電池事業計画・脱炭素化ロードマップを使う。ロードマップは本文列挙のLNG専焼、水素・アンモニア火力、バイオマス専焼改修、CCS付き改修等が対象で、その他は不要。事業計画書等は受付期間中、その時点で確度の高い情報に基づき提出する。「未定」が多数など事業実施能力・継続の確実性が認められない場合、応札不可となることがある。一部項目は供給力提供開始時期までの取得・速やかな報告を前提に空欄提出できる。参加可能設備容量は制度適用期間を通じ維持し、自己託送等に供する容量は電源単位の最大値を記載する。D1記載容量は監視等委に連携され、受付終了から約定結果公表まで原則変更不可。
システム入力では、安定電源の電源区分は「安定電源」、変動電源は「変動電源(単独)」、実需給年度は本文指定値を用いる。変動電源について本文は「3025年度」と記載。未採番の受電地点特定番号は22桁の9、系統コードは5桁「YYYYY」。エリアは系統コード先頭桁を基にし、複数エリア接続なら主なエリアを選ぶ。設備容量等は資料で確認できる値を入力し、確認できない場合は一律100,000kWとする。電源等識別番号は審査合格後に本機関が採番する。詳細情報では設備容量をD1の参加可能設備容量と一致させ、運開年月は供給力提供開始時期と同じ情報にする。電源種別「99:その他」、発電方式「999:その他」を選択する。FIT/FIP認定済みなら認定通知を提出し、認定IDを入力した場合は特定契約終了年月を西暦で記載する。
入力・添付後の「実行」は仮申込であり、審査画面で対象を確認し「申込完了」を行って初めて申込完了となる。審査開始前は取下げ可能。審査結果は合格・条件付き合格・不合格で、前二者は後続手続へ進める。条件付き合格は仮合格項目・コメントを確認し不足資料等を提出する。合理的理由があれば期限延長の場合がある。不合格はコメントに従ってD1と証憑一式を整え速やかに再申込する。同時落札条件付き応札では相手電源の識別番号をD1に追記し、相手側も追記・再アップロードする。
提出書類は原則登録時に提出する。新設電源等で合理的理由があれば期限延長の場合がある。接続検討回答書は登録時に必要で、提出できなければ参加資格通知書が発行されず応札できない。証憑として、2023年6月21日以降発行の回答書(有効期限不問)、接続契約申込み以降に進んだことを示す資料と回答書、回答書がない場合の本機関への連絡・個別判断、または接続検討不要との一般送配電事業者の回答資料を受け付ける。本文では申込から受付まで約2か月、受付から回答書発行まで約3か月としている。
環境影響評価方法書の手続開始証拠は、事業計画書提出時に添付できない場合、約定結果公表後5か月以内に提出する。方法書そのものは手続開始の証拠にならない。一部の注記対象資料は間に合わない場合、制度適用期間前年度の1月末までに提出する。蓄電池事業計画は登録時点で確度の高い情報を記入し、原則空欄不可。内容不十分等の場合は応札が認められないことがある。ロードマップは資源エネルギー庁が確認し、2050年までの道筋がないなど不適切例では応札不可となる場合があるが、一律結果ではない。
変更(3.2)は誤植修正・証憑追加等をシステム申請し、理由を入力して仮申込後に申込完了操作を行う。受付終了後から約定結果公表までは、条件付き合格電源の証憑追加や同時落札条件に伴う番号追記等を除き原則変更不可。やむを得ない変更は本機関が個別判断する。取消(3.3)も仮申込・申込完了の二段階で、期間中の処理は2025年12月26日後となる。既に容量確保契約を締結している場合等は取消できず、契約後は解約手続等が必要。
期待容量の登録・変更(第4章)
期待容量は応札できる最大容量で、応札希望事業者は応札前に登録する。制度適用期間に想定される情報を使い、本機関の考え方・調整係数に基づいて算定諸元一覧を作成する。電源単位で作成し、ファイル名は「エリア_長期期待容量_電源等識別番号.xlsx」、整数値で入力する。調整係数は応札年度に公表された値を制度適用期間中適用し、実需給年度ごとには変更しない。
安定電源(蓄電池・揚水・LDES以外)は、D1等の情報と各月供給力最大値を記入し、計画補修停止分は差し引かない。FIT/FIPと非FIT/FIP混在時は非FIT/FIP分を記載する。蓄電池・揚水・LDESは能力減分を参加可能設備容量から差し引き、計画補修停止分は差し引かない。各月の連続発電可能時間は1回あたりの時間で、3時間以上の整数、年平均6時間以上とする。上池容量は上池・下池の小さい方。変動電源はD1情報を入力し、調整係数・月別供給力・期待容量等は一覧で自動計算・設定される。
システムでは「期待容量等算定諸元一覧ファイル(追加)」欄にファイルを添付し、「添付ファイル(追加)」欄ではない。正当な理由があれば赤いエラー表示があってもアップロードできる例がある。区分別実需給年度は本文表記上302520、302524、302527年度だが、脚注ではシステム仕様上、全電源一律「3025年度」と説明されている。入力後の「実行」は仮申込で、審査画面の「申込完了」が必要。合格・不合格はメール通知され、不合格はコメントを確認し、修正・必要書類追加の上で再申込する。再提出ファイルには改訂回数を付す。登録期間中は変更可能で、終了後は原則不可。ただしやむを得ない事情は本機関が個別判断する。
応札準備・登録・監視(第5章)
期待容量登録完了後、参加資格を有する事業者に参加資格通知書が発行される。受付開始前営業日までに通知がなければシステムで発行状況を確認し、本機関へ問い合わせる。システム上の「メインオークション」表示は本オークションとして読み替え、検索年度は3025年度とする。
応札容量は期待容量登録時の算定諸元一覧をダウンロードし、区分別に必要項目を追記する。安定電源(蓄電池等以外)は月別供給力最大値以下で運用リスク等を控除した値、蓄電池・揚水・LDESは月別応札出力以下の管理容量と運用リスクを踏まえた連続発電時間(3時間以上、年平均6時間以上)、変動電源は参加可能設備容量以下の月別供給力を入力する。いずれも制度適用期間は20年度以上で原則変更不可。応札容量は一覧で自動計算される。
応札は電源単位で個別に行う。システムで応札容量(期待容量以下、1kW単位)と応札価格を登録する。画面表示は「円/kW」だが、本オークションでは税抜き「円/kW/年」として扱う。本文表記上の実需給年度は302528年度、容量オークション区分は「メインオークション」。登録完了で容量確保契約の申込みとみなされ、約定結果公表日に公表内容に従う契約が成立すると記載される。登録後は一覧で状態が「応札済」か確認する。受付期間中は容量・価格の変更や取消が可能で、通常の変更・取消は監視結果による価格修正・取下げと別扱い。一時保存は確認画面で「実行」して保存し、一覧から一時保存IDを選んで内容確認後、再度「実行」して登録する。一時保存の期限は本文にない。
応札受付終了後6営業日以内に、応札容量算定に用いた諸元一覧と契約単価補正方法をシステム提出する。受付期間中は提出できず、適切な一覧を期限までに提出しない場合、市場退出とみなされることがある。指定ファイル名で提出し、期待容量情報の変更申込として仮申込後、審査画面で申込完了を行う。期待容量登録時の一覧は削除しない。審査では応札容量との一致・補正方法の不備を確認し、不備は通知に従い速やかに修正・再提出する。再提出期限は本文に別途記載がない。
落札候補電源は監視等委からメールで応札フォーマット提出依頼を受け、指定期日までに提出する。価格修正が必要と判断された場合、理由通知を受け、価格を再算定して監視等委の指示に従ってやり取りする。資本コストと事業税も再計算して反映する。修正中または取下げ時は、本機関から依頼を受けた後、監視等委通知日から14日以内に本機関の長期窓口へメールで修正・取下げを申し出る。価格修正後も約定処理には修正前価格を使い、落札時の契約金額は修正後価格を基に算定する。
約定結果は受付終了から落札電源決定まで約3か月を要し、落札・非落札を問わず登録メールアドレスに通知される。落札方法等は2025年度募集要綱を参照する。結果公表後、参加登録内容・ロードマップの変更が必要なら速やかに本機関へ変更依頼を送る。落札事業者は監視終了連絡を受けた応札フォーマットを速やかにシステムで本機関へ提出し、仮申込後に申込完了操作を行う。不備通知があれば修正・再提出する。
容量確保契約(第6章)
契約書は本紙、電源ごとの契約情報を記す別紙、約款で構成される。落札事業者はメール依頼を受け、システムに格納された契約書を確認し、修正不要なら「修正無し」と返信、必要なら内容を返信して再送後に再確認する。複数別紙は最小の電源等識別番号の期待容量情報詳細画面にまとめて格納される。
本機関承認後、本紙2部が郵送される。事業者は記名日を記載し、甲側に記名・押印して1部を返送、1部を保管する。甲欄の事前入力はできず、収入印紙は不要。契約締結日・効力発生日は記名日ではなく約定結果公表日。複数別紙の場合、本紙の契約期間終了年度は最も遅い制度適用期間終了年度とし、適用期間終了済み電源の別紙は無効となる。コンソーシアム応札では代表企業が契約を申し込んだものとされ、公表日に代表企業と本機関の契約が成立する。
Appendix・変更履歴・本文の限界
変更履歴は2025年10月1日付初版のみ。Appendixには登録可能電源の一覧、書類命名規則、各種様式、業務手順図が含まれる。蓄電池事業計画は2025年10月20日~24日時点の内容を記載し、所定項目の変更は落札後の再提出・審査合格が必要とされる。セル製造国・地域の変更は認められない旨や、添付資料不足等の場合に応札不可となる条件が記載される。手順図抜粋には個別期限・例外の詳細がない箇所があり、その条件は本抜粋からは確定できない。