2023年度 労務費単価および物価上昇影響の再算定報告
資料の目的・背景
一般社団法人送配電網協議会は、2023年度における労務費単価および物価上昇の影響について再算定を行った。この取り組みは、第62回料金制度専門会合で確認された課題に基づき、算定方法の統一および結果の業界全体での共有を目的としている。
主要な検討内容・論点
2023年度期中評価で確認された課題および今後の対応案は以下の通りである。
| No | 課題 | 今後の対応案 |
|---|
| ① | 労務費単価や物価上昇等についての取り扱い | 算定方法の統一化およびデータ収集の精緻化を行い、検討を進める。 |
| ② | 評価項目の集計算定方法の統一 | 事務局での洗い出しを行い、集計算定方法を統一化に向けて検討を進める。 |
| ③ | 定量的なインセンティブ評価に関する評価基準の設定 | より公平に評価できる基準の設定方法を検討。 |
| ④ | 評価方法の簡素化 | 評価内容と事務負担のバランスを整理し、重点的な評価項目を定める。 |
労務費単価・物価上昇の影響(再算定結果)
2023年度における労務費単価と物価上昇の影響額は以下の通りである。
- 影響額合計: 1,507億円
- 労務費影響: 947億円
- 材料費影響: 560億円
- 影響度: 2023年度の費用・投資実績額に対し**5.5%**を占める。
算定結果の詳細
| 査定区分 | 影響額 |
|---|
| 費用 (OPEX) | 495億円 |
| 投資 (CAPEX) | 1,012億円 |
| 合計 | 1,507億円 |
各査定区分の詳細は以下の通りである。
| 査定区分 | 労務費影響 | 材料費影響 | 合計影響額 | 影響度 |
|---|
| OPEX | 366億円 | 129億円 | 495億円 | 3.2% |
| CAPEX | 581億円 | 431億円 | 1,012億円 | 8.5% |
| 合計 | 947億円 | 560億円 | 1,507億円 | 5.5% |
労務費・材料費の上昇実績の算定方法
OPEX・その他費用の算定
- 労務費・材料費の割合を特定し、基準年度と契約時点の単価差を考慮して算定する。
CAPEXの算定
- 実績単価に効率化実績やその他要因を補正し、労務費・材料費上昇実績を算出する。
今後の対応
2024年度の期中評価においては、今回の算定結果を基にさらなる検討を行い、コストの透明性や公平性を確保するための改善を目指す。また、レベニューキャップ制度における物価上昇影響の取り扱いについても議論を進める必要がある。
概要
本資料では、投資および次世代投資に関連する労務費や材料費の影響についての算定結果が示されている。また、地域ごとの費用割合について詳細な分析が行われている。
投資に関する影響
| 査定区分 | 労務費影響 a | 材料費影響 b | 労務費材料費影響 c = a + b | 算定手法 |
|---|
| 投資 | 0.1億円 | 0.1億円 | 0.1億円 | 変電採録結果に準ずる |
| 次世代 投資 | ダイナミッククレーディング | 0.0億円 | 0.0億円 | 変電採録結果に準ずる |
| サイバーセキュリティ | 0.1億円 | 0.1億円 | システム開発および改良の特定結果に準ずる |
| DX機器 | 0.2億円 | 0.5億円 | 変電/備品の特定結果に準ずる個別特定 |
| データ活用 | 0.2億円 | | システム開発および改良の特定結果に準ずる |
| アセットマネジメント | 1.2億円 | | システム開発および改良の特定結果に準ずる |
| 発電予測制度向上 | 0.0億円 | 0.0億円 | 配電採録結果に準ずる |
| スマートメーター計器 | 0.6億円 | | システム開発および改良の特定結果に準ずる |
| 配電網高度化センサ付 開閉器 | 0.6億円 | | 配電採録結果に準ずる |
| 配電網高度化電圧 調整器 | 0.6億円 | 4.1億円 | 配電採録結果に準ずる |
| 合計 | 2.9億円 | 4.8億円 | 7.7億円 | |
各社の労務費および材料費割合
労務費割合
| 区分 | 査定区分 | 科目 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 10社平均 |
|---|
| 費用 | OPEX | 修繕費 | 72% | 76% | 78% | 79% | 71% | 84% | 86% | 76% | 90% | 80% | 79% |
| | 委託費 | 93% | 82% | 83% | 72% | 70% | 66% | 82% | 66% | 94% | 91% | 81% |
| CAPEX | 委託費 | 100% | - | 100% | 88% | 100% | 100% | 99% | 100% | 100% | 81% | 98% |
材料費割合
| 区分 | 査定区分 | 科目 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 10社平均 |
|---|
| 費用 | OPEX | 修繕費 | 26% | 21% | 21% | 19% | 25% | 16% | 10% | 12% | 8% | 20% | 18% |
| OPEX | 委託費 | 7% | 1% | 17% | - | - | 0% | 0% | - | - | 2% | 6% |
| CAPEX | 委託費 | - | - | - | 1% | - | - | - | - | - | 19% | 0% |
投資に関連する労務費と材料費
労務費割合(投資)
| 区分 | 査定区分 | 科目 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 10社平均 |
|---|
| CAPEX | | 53% | 93% | 96% | 88% | 72% | 100% | 25% | - | 78% | 79% | 91% |
材料費割合(投資)
| 区分 | 査定区分 | 科目 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | 10社平均 |
|---|
| CAPEX | | システム開発及び改良 | 5% | 3% | 3% | 1% | 28% | - | 26% | - | 10% | - | 3% |
まとめ
本資料では、投資や次世代投資に関連する労務費および材料費の影響を地域ごとに詳細に分析した結果が示されており、特に各社の費用割合の違いが労務費や材料費の変動に影響を及ぼしている点が重要である。