対象・前提
本文は、2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日)を実需給年度とする容量市場の追加オークションに関する記載で、主な対象者は容量提供事業者、発動指令電源提供者および電源等リストの登録事業者です。追加オークションは、本機関が需要・供給力の変化を踏まえて必要と判断した場合に実施し、開催の有無と対象エリアは本機関ホームページで公表されます。開催されない場合、参加資格通知以降の手続は行いません。沖縄地域とその他地域の離島は対象外です。本文にはリリースオークションの詳細な条件が含まれない旨の記載もありますが、後段には2025年度リリースオークションの条件・手続が記載されています。
日程・登録の共通事項
記載された主な日程は、事業者情報登録が2024年2月9日~16日(審査は2月20日まで)、電源等情報登録が2月9日~3月8日(審査は3月15日まで)、期待容量登録が3月21日~4月5日(審査は4月16日まで)です。調整係数は2月末頃に公表予定とされています。開催判断と需要曲線(リリースは供給曲線)の公表は4月24日頃、参加資格通知は5月8日、応札受付は5月10日~22日、応札後の期待容量等算定諸元一覧の登録受付は5月23日~29日、約定結果は6月末頃の公表予定です。落札後の契約書・変更契約書・解約合意書の締結手続は約定結果公表日から8月30日まで、契約結果は9月頃に公表予定です。日程は不測の事態で変更される可能性があります。
メインオークションで登録済みの情報に変更がなければ再登録は不要ですが、内容確認が必要で、修正は各登録受付期間内に行います。リリースオークションでは事業者情報・電源等情報・期待容量の登録は不要です。初参加事業者は事業者コード、系統コード、クライアント証明書を取得し、容量市場システムで事業者情報、電源等情報、期待容量の順に登録します。前段の登録完了が次段の条件です。応札受付終了後から約定結果公表までは登録情報を変更できません。
調達オークションの参加者・対象電源
参加登録事業者は、実需給年度に電気事業法第22条の3に定める電気供給事業者で、自らまたは他者所有の電源等を用いて応札する意思があり、日本法に基づき設立され、国内に本店または主たる事務所を置く法人です。対象電源等は供給計画への計上済みまたは計上見込みの電源を含み、本機関の審査を受けます。
主な電源区分は、期待容量1,000kW以上の安定電源、期待容量1,000kW以上の単独変動電源、同一供給区域内の1,000kW未満の所定の水力・再エネを組み合わせて合計1,000kW以上とする変動電源(アグリゲート)、および所定の電源等で1,000kW以上を提供する発動指令電源です。揚水式の安定電源には1日1回以上・3時間以上運転可能との条件があります。発動指令電源は変動電源のみの組合せは不可で、オンライン機能と実効性テスト完了が必要です。同一供給区域内で複数電源等を組み合わせられます。
相対契約の有無は参加を妨げません。1計量単位に複数ユニットがあり区分が異なる場合は区分を一つ選びます。ただし、安定電源として応札容量を提供した後も需給ひっ迫時に追加供給できる場合、同じ計量単位を発動指令電源のリソースとしても登録できます。この併登録では異なる事業者による登録も可能です。原則、1計量単位を複数事業者が登録することはできません。
参加不可の例として、実需給年度にFIT買取期間またはFIP適用期間が重なる電源(FITに準拠して扱うFIP電源)、本機関の電源入札で落札した電源、実需給年度中に供給力を提供できない電源、自家消費等専用の電源、所定の発電量調整供給契約または接続供給契約がない電源等があります。例外として、FIT・混焼バイオマスの非FIT相当分等は登録できる場合があり、自家消費等に必要な容量を超える供給可能容量も登録可能です。実需給期間前に最終保障供給であっても、実需給期間中に所定契約があれば登録可能です。
調達オークションで応札できるのは、メインオークションで入札して落札しなかった容量、または当時供給力として確定せず未応札だった容量です。メインオークションで落札した発動指令電源は、実効性テスト後の期待容量から契約容量を差し引いて1,000kW以上となる部分が応札可能です。差替元電源も差替容量分を応札できる場合があります。応札単位は電源区分により計量単位、小規模変動電源リストまたは電源等リストで、応札容量は1,000kW以上、参加資格通知書の上限以下、1kW単位です。
調達オークションの登録・応札
事業者情報では事業者コード、名称、所在地、銀行口座、担当者、証明書情報等を登録し、様式1「容量オークションの参加登録申請に伴う誓約書」を提出します。既に提出済みなら再提出不要です。電源等情報では実需給年度時点の想定情報と区分別の証憑を提出します。メインオークションで審査済みの情報に変更がなければ再登録不要です。発動指令電源は調達オークション参加にあたり、事業者情報・電源等情報・期待容量の再登録が不要です。新設電源等の一部書類は合理的理由があれば提出期限が延長される場合がありますが、2024年11月末までに提出・追加登録されないと全量退出となる場合があります。アグリゲートの提出書類も原則2024年11月末までです。
期待容量は電源区分に応じて供給計画ガイドラインと公表調整係数に基づきkW単位で算定します。アグリゲートは内訳の合算値、発動指令電源は実効性テストで確定するため別途算定しません。調整係数更新後に所定の区分で算定諸元一覧を使う場合は期待容量の再登録が必要です。FIT・非FIT混在計量単位は非FIT分で算定し、所定のバイオマス混焼FIT電源では認定バイオマス比率相当を控除します。所定の揚水・蓄電池はブラックスタートに必要な電力量相当分を除きます。新設、自家用電気工作物の余剰、設備更新による増出力で期待容量に変更が生じた場合は、判明後速やかに書類を再提出して再審査を受けます。
参加資格通知を受けた事業者は、受付期間内に電源等ごとの応札容量(kW)と税抜価格(円/kW)を登録します。容量は1kW、価格は1円単位で、受付期間内は変更・取消が可能ですが、終了後はできません。登録は契約の申込みまたは変更申込みとみなされ、約定結果公表日に公表内容に従う契約が成立します。受付後、発動指令電源を除き、必要事項を記載した様式2を指定期限までに提出します。不備が期限内に解消されない場合、応札が認められないことがあります。入札方式は容量市場システムによる封印入札です。
調達オークションの約定・契約金額
落札電源は全国の需要曲線と、応札価格の低い順に並べた供給曲線の交点を基に決定し、応札単位の部分約定はありません。同価格で境界となる場合等は容量や供給信頼度シミュレーションを用い、最適な組合せが複数ならランダムに決める場合があります。供給信頼度不足で市場分断となる場合は、供給不足エリアで追加し、充足エリアで減じる等の処理をします。発動指令電源の調達上限は北海道を除きH3需要の1%で、開催判断前の退出分を上限に加えます。FIT電源等や所定の市場外供給力控除量も約定処理に織り込まれます。
約定価格は落札電源中の最高応札価格を単一価格とする第1価格決定方式です。市場分断時はエリアごとに価格を定め、追加エリアは最後に追加した電源の価格、減じたエリアは残存電源中の最高価格を使います。需要曲線と供給曲線が交差しない場合も落札電源の最高応札価格を適用します。約定後、エリアごとの総容量・価格・総額、落札電源ごとの事業者名・電源ID・落札容量を公表します。落札電源は原則供給計画に計上しますが、所有者が発電事業者に該当しない場合等は不要です。契約書面を締結しないなど市場運営に支障をきたす行為には、参加制限等の参入ペナルティが科される場合があります。
容量確保契約金額は、落札電源ごとに契約単価(メイン・調達オークションの個別約定価格を落札容量で加重平均し、円未満切捨て)と契約容量に基づき、経過措置控除額および調整不調電源の経済的ペナルティを差し引いて算定します。月額は年額の12分の1を円未満切捨てし、3月分で端数等を調整します。HHV・発電端の設計効率42%以上と確認できない安定電源の石炭火力には、契約金額から20%相当を減額する記載があります。本文冒頭の2025年3月28日追記では、発電余力の卸電力取引所等への入札および供給指示対応に係る経済的ペナルティ算定式のZを90時間としています(要綱P.50参照)。
経過措置・市場退出
ページ37~38の経過措置では、安定電源・単独変動電源のうち、2010年度末までに建設された電源(2011年度以降の増出力分も控除対象)で、応札価格がエリア約定価格に入札内容に応じた控除額係数を乗じた価格以下の場合が対象です。2011年度以降、電源等情報登録前までに同一構内で同時期に発電機の主要電気設備を全て更新し、本機関が認めた場合は対象外となることがあります。その際は更新内容・時期を示す国等への届出資料が必要です。個々の約定価格が指標価格の50%以下なら控除せず、50%超でも控除後価格が50%以下となる場合は、控除後価格が指標価格の50%となるよう控除額を調整します。50%の額は円未満切捨てです。対象・対象外ユニットが混在する計量単位は、対象ユニットの設備容量で加重平均します。係数等の算定は容量確保契約約款附則第2条によるとされています。
市場退出時、退出後の契約容量が1,000kW未満なら全量退出扱いです。経済的ペナルティは「容量確保契約金額×10%×退出容量÷契約容量」(円未満切捨て)です。本機関は額を通知し、事業者は異議を申し出ることができ、本機関は確認後に変更有無と変更額を通知します。重大な違反には参加制限や期待容量の評価引下げ等があり得ます。リリースオークションで約定した容量も市場退出扱いですが、市場退出ペナルティの算定対象外です。
リクワイアメント・評価・ペナルティ
実需給期間前、安定電源は契約締結が必要で、調整機能を有する電源は属地一般送配電事業者と余力活用契約を締結します。条件を満たせば、契約締結者が容量提供事業者と異なる場合もあります。契約を証する書類を提出します。変動電源と発動指令電源には期間前のリクワイアメント・アセスメントはありません。発動指令電源の電源等リストは指定期間内に提出しますが、2023年度の実効性テストを受け提出済みのリストは再提出不要です。登録事業者とリソース所有者が異なる場合は所有者の事前合意が必要です。
調整機能を有する安定電源が余力活用契約を締結しない、または実需給期間中に解約した場合、契約容量全量を市場退出として契約金額の10%をペナルティとします。この場合、通常の市場退出ペナルティは重ねて科されません。本機関がやむを得ない事由を認めれば、調整機能を「無」に変更してペナルティを科さない場合があります。発動指令電源の期間前ペナルティはありません。
実需給期間中、安定電源・変動電源はアセスメント対象容量以上の供給力を提供できる状態を維持し、容量停止計画による停止等は年間8,640コマ(180日相当)までです。変動電源は日没・無風・渇水等の自然影響による出力低下・停止について停止計画提出不要です。アグリゲートは日単位48コマの発電実績最大値で確認します。発動指令電源は指令に対応し、創出供給力を相対契約または卸電力取引所等で提供します。本文記載の指令概要は年間12回(1日1回まで)、応動の3時間以上前に指令、継続3時間、土日祝日を除く9時~20時です。一般送配電事業者から別途供給力提供を依頼される場合は経済的ペナルティ対象外とされています。
主なペナルティは、安定電源・単独変動電源について年間停止コマ相当数から8,640を差し引き、契約金額に0.0125%を乗じる算式(負値は0)、アグリゲートについて年間未達成コマ相当数を用いる同様の算式です。安定電源の低予備率対象コマでの未入札余力・供給指示未対応には、未達成量×ペナルティレート(契約金額÷契約容量×Z)を適用します。Zは調達オークションで30時間、本オークションで90時間と記載され、2025年3月28日変更注記があります。非効率石炭火力の設備利用率が年間50%を超えた場合は、稼働抑制未達に契約金額×20%を基本とするペナルティを科し、原則3月分に請求します。発動指令電源は、契約金額×110%×未達成量÷(対象容量×3時間×12回)で算定します。年間上限は契約金額の110%、月間上限は18.3%ですが、発動指令電源と非効率石炭火力の稼働抑制未達は月間上限の対象外です。毎月算定し円未満切捨てで、通知後に異議申出と再確認が可能です。
支払・契約条件
各月の容量確保契約金額から実需給期間中の経済的ペナルティを差し引き、正なら事業者に支払い、負なら事業者に請求します。支払は登録口座への振込、請求額は本機関指定口座へ振込で、手数料は事業者負担です。契約金額の消費税等相当額は外税です。経済的ペナルティは原則課税対象ですが、年間累計が契約金額を超える部分(所定の除外対象を除く)は不課税です。
容量提供事業者は契約に基づく電源等の差替えができます。戦争、大規模自然災害、契約効力発生後の法令改正・規制適用による停止、送電線故障による出力抑制等の不可抗力では、供給力提供困難に係るリクワイアメント不履行の責めを負わないとされていますが、燃料その他発電コスト上昇等の経済的理由は除外です。誓約書違反、虚偽情報、容量市場運営に重大な問題を起こす行為がある場合、本機関は契約解約や参入ペナルティ等を科す場合があります。
2025年度リリースオークション
応札対象は、開催エリアで2025年度メインオークションに落札した容量提供事業者と電源等です。応札単位は調達オークションと同様の電源区分別で、最小容量は1kW、1kW単位です。新規参加登録等は不要で、参加資格通知書を受けた事業者がシステムに応札情報を登録します。日程の詳細は「第2章 共通事項」の追加オークション募集スケジュール等によるとされています。
リリース容量と税抜価格を登録し、登録完了により契約変更または解約の申込みとみなされ、約定結果公表日に公表内容に沿う変更・解約が成立します。価格は1円単位で、最低価格は対象年度のメインオークションのエリアプライスの60%(円未満切捨て)です。部分リリース後の契約容量は1,000kW以上でなければならず、1~999kWとなる登録は不可です。全量リリース(差引後0kW)は可能で、その場合は契約全容量を登録します。受付終了後は変更・取消できません。指定期限までに期待容量等算定諸元一覧を提出しますが、全量リリースと発動指令電源は提出不要です。不備が期限までに解消されない場合、契約が解約となることがあります。
封印入札・第1価格決定方式で、落札電源は調達オークションの需要曲線を反転した供給曲線と価格順の需要曲線、供給信頼度シミュレーション等に基づき決定します。部分約定はなく、約定価格は落札電源中の最低応札価格です。市場分断時はエリアごとに落札処理・価格を定めます。約定結果としてエリアごとの総容量・価格・総額と、落札電源ごとの事業者名・電源ID・落札容量を公表します。落札後は予定期間内に変更契約書または解約合意書を締結し、必要情報未提出や契約書未締結等は参入ペナルティ対象となる場合があります。
部分リリース後の年間契約金額は変更後契約容量を用いて算定しますが、部分リリース後も契約単価はメインオークションで決定した単価です。リリースの交付額または請求額は、メイン契約単価、リリース約定価格、経過措置控除係数、リリース容量に基づき算定され、正値は交付、負値は請求です。交付額は12分割して月額契約金額と合わせて支払い、請求額は実需給期間前に請求します。実需給期間中は各月契約金額から当月ペナルティを控除して精算します。
様式・諸元一覧(ページ68~74)
様式1は法令・要綱遵守、正確な情報提出、公正を害する行為の禁止、応札登録による契約申込みと約定結果公表日における成立への同意、落札時の契約締結、情報提供・調査協力、個人情報の適切な取扱い、反社会的勢力排除等を誓約する書類です。様式2は2025年度対象の応札用期待容量等算定諸元一覧で、記載された登録期間は2024年5月23日~29日です。ページ71の風力・オープンデータ登録には2024年3月21日~4月5日および5月23日~6月5日の期間が記載されています。
ページ72~74の記載要領は、2025年度の電源区分別の諸元入力を扱います。ページ72は火力、水力(純揚水以外)、原子力、地熱・バイオマス・廃棄物、ページ73は水力(自流式)・太陽光・風力、ページ74は水力(揚水水力)です。各票は実需給年度時点の想定情報を確認し、電源等識別番号は基本情報登録後にシステムが付番した番号を用います。ページ72・73では期待容量等は自動計算され、リリース応札容量の上限となります。各月のリリース供給力はメインオークションの各月供給力を上限に任意記載し、応札容量やリリース後の契約容量等は自動計算されます。メインオークション応札済みの場合は同オークションの一覧値を転記する旨があります。
ページ74は見出しを「リースオークション」とし、安定電源・揚水(純揚水)に固定しています。設備容量は基本情報の発電設備容量の合計、メインオークション算定諸元は同オークション時点の値を選択します。期待容量は自動計算され、応札容量上限となります。各月の需給容量は送電可能電力を上限に任意記載し、アセスメント対象容量となります。運転継続時間は当月のリース可能期間に記載し、応札容量算出用の上池容量は期待容量算出用の同月上池容量以下である必要があります。期待容量算出用の運転継続時間は、上池容量の範囲で最大出力を連続できる時間を整数で記載し、上池容量と調整係数は自動計算されます。提示本文では、ページ72~74の記載範囲に限られ、改定点の記載はありません。