第74回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会資料概要
資料の目的・背景
この資料は、第74回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会で議論された内容をまとめており、電力需給のひっ迫や供給信頼度評価に関する課題を整理することを目的としている。特に、確率論的必要供給予備力算定手法(EUE算定)に関連する問題点の検討が求められている。
本日の議論
- 電力需給のひっ迫に対する今後の対応策の必要性が原因となる課題を整理。
- 供給信頼度評価の課題に関する以下の要因が検討される。
電力需給ひっ迫の要因
- 高需要期への対応: 補修点検の時期を調整し、高需要期に供給力を確保する試みが行われたが、高需要期以外に需給ひっ迫が発生する結果となった。
- 自然災害: 地震による火力発電所の計画外停止。
- 気温の影響: 厳しい寒さにより、3月の最大需要が上回る需要が発生。
- 地域間連系線の運用容量低下: 現在、これについては供給信頼度評価に反映されていない。
供給信頼度評価の考え方
- 現在の基準では、高需要期のみが厳冬対応と稀頻度リスクに基づいており、端境期の対応が含まれていない。
- 来年度以降の供給計画や容量市場において、これを改善する必要がある。
EUE評価の導入経緯
- EUE評価は、年間最大需要時の供給力を評価するために、8760時間を対象とする手法に変更された。
供給信頼度評価手法(EUE)の概要
以下の指標が定義されている。
| 指標名 | 定義 |
|---|
| LOLP (Loss-of-Load Probability) | 1年間における供給力不足発生回数の期待値 |
| LOLE (Loss-of-Load Expectation) | 1年間における供給力不足発生時間の期待値 |
| EUE (Expected Unserved Energy) | 1年間の供給力不足量の期待値 |
供給信頼度評価における検討事項
EUE算定に関する改訂が以下の項目において提案されている。
| 検討事項 | 現状整理 |
|---|
| 1. 高需要期以外での需給ひっ迫対応 | 夏季・冬季のみの対応 |
| 2. 補修停止計画の調整必要性 | 年間計画停止可能量の再整理 |
| 3. 計画外停止率の確認 | 近年の実績に基づく算定 |
| 4. 連系線の運用容量の考慮 | 連系線の計画外停止等を考慮していない |
年間計画停止可能量及び追加設備量
- 現在の年間計画停止可能量は1.9ヶ月とされているが、実運用での供給力確保が不十分である可能性がある。
- 年間計画停止可能量や追加設備量の再整理が必要である。
計画外停止率の算定方法の見直し
- 計画外停止率は発電可能量と計画外停止の割合から算出されており、集計方法の再検討が求められている。
- 大規模自然災害による影響も考慮すべきである。
供給信頼度評価における連系線の考慮
1. 連系線の役割と影響
- 供給信頼度にはアデカシー(需要に対する電源予備力と送電余力)とセキュリティ(突発的障害への耐性)が存在する。
- 現状では、送電線の故障停止はセキュリティとして扱われ、アデカシー評価には反映されない。
2. 連系線運用容量の変化の影響
| エリア | 2024年度調達量 (万kW) | H3比率 | 2025年度調達量 (万kW) | H3比率 |
|---|
| 北海道 | 650 | 131% | 635 | 128% |
| 東北 | 2,011 | 149% | 1,973 | 148% |
| 東京 | 5,534 | 105% | 5,914 | 111% |
| 中部 | 2,703 | 111% | 2,736 | 112% |
| 北陸 | 582 | 119% | 660 | 133% |
| 関西 | 2,935 | 111% | 2,785 | 103% |
| 中国 | 889 | 85% | 1,219 | 118% |
| 四国 | 775 | 158% | 859 | 176% |
| 九州 | 1,868 | 123% | 1,958 | 130% |
- 連系線の運用容量が減少すると、供給信頼度の低下が考えられる。
3. 電力需給ひっ迫の影響
- 例として、3月の電力需給ひっ迫では、地震による停止した発電機の影響で、東北東京間連系線の運用容量が低下し、特に東京エリアが需給ひっ迫に陥った。
今後の予定
- 計画停止可能量や追加設備量に関する検討結果は、今後の会議で発表される予定である。
- 供給信頼度評価における議論を深め、持続可能な供給信頼度の維持に向けた改善策を模索する方針である。