需給調整市場における機器個別計測・低圧リソース導入に向けた詳細検討報告
1. 資料の目的・背景
この資料は、2023年6月29日に開催された第40回需給調整市場検討小委員会における報告であり、機器個別計測と低圧リソースの導入計画に関する検討の進捗を示している。2024年度からのシステム改修を目指し、主要な論点を整理している。
2. 主要な検討内容・論点
2.1 機器個別計測導入に向けた検討項目
第37回本小委員会で整理された方向性に基づき、以下の内容が議論された。
| 項目 | 論点 | 方向性 |
|---|
| 制度変更 | インバランス補正と需要家内BG構成 計画値作成の考え方 | 機器点リソース単位で調整力契約を締結 |
| アセスメント I | 機器点リソース単位での発電基準値計画とシステム登録の可否 | 機器点リソース単位で計画値を登録 |
| アセスメント II | 特別計量器による電力供出の送信可否 応答実績の不正防止 | オンライン監視と抜き打ち監査の実施が必須とする |
| 入札約定精算 | 配線経路内損失の取り扱い | 受電点の換算値を用いた入札約定精算を実施する |
| リストパターン | リストパターン数と登録リソース数の上限緩和 | 数万件のリソースを一つの群として管理することを目指す |
3. 検討スケジュール
2026年度からの機器個別計測導入に向けて、以下のスケジュールが設定されている。
| 2023.1Q | 2023.2Q | 2024 | 2026 |
|---|
| 広域機関 | システム改修設計の業務フロー整理 | システム改修項目の詳細設計 | システム改修開始 | 機器個別計測低圧リソースの参入開始(最短で2026年度) |
| 一般送配電事業者 | | | | |
| 資源エネルギー庁 | 他ユースケースの制度整理整備 | | | |
4. 今後の課題・リスク
- 不正防止策や収益性確保が重要な課題となっている。
- 低圧リソースのアセスメント可否や、事業者側の収益性についても継続的に検討が必要である。
- 膨大なリソースのアセスメントにおいては、リストパターン要件の見直しが重要な論点である。
5. まとめ
次世代の分散型電力システムに向けて、2026年度から機器個別計測の導入を目指す方針が確認された。各論点について詳細な議論が続けられ、国や一般送配電事業者と連携の上、具体的な検討を進めていく。
6. リスト・パターン要件の緩和
6.1 概要
リスト・パターン要件の緩和に関する検討が行われている。
6.2 事前審査の緩和
- 事前審査の実施方法やリソースの入替・追加について、緩和の余地がある。
- 性能や供出可能量に変化がない場合、再度の事前審査は不要とする方針が提案されている。
6.3 各リスト・パターンの変更スケジュール
- 性能確認後にリスト・パターンの変更を希望する場合、前々四半期末までに申出て審査を行う必要がある。
6.4 リソース入替・追加の許容範囲
- 供出可能量の**10%**以内のリソース入替・追加を許容することが提案されている。
7. 不正防止策の詳細
7.1 不正防止策の提案
不正防止策として以下が提案されている。
- 抜き打ち監査やペナルティ強度の設定
- 単線結線図の事前提出
7.2 ペナルティの詳細
- 不正発覚時には、アセスメントⅡ違反時と同様の金銭的ペナルティを検討している。
7.3 海外の不正防止策との比較
以下のような海外実施内容との比較が行われている。
| 実施内容 | 実施国 | 日本での実施予定項目 |
|---|
| オンライン監視を用いたデータ送信 | アメリカ等 | 現行にて実施 |
| 条件に応じた計測器設置要求 | ドイツ | 検討中 |
| 不正発覚時の市場ライセンス剥奪及びペナルティ強度強化 | フランス | 検討中 |
| 抜き打ち監査及びデータ確認 | イギリス | 検討中 |
| 単線結線図の事前提出 | - | 実施しつつあり |
7.4 低圧機器個別計測に関する不正防止策
低圧機器個別計測導入に伴う不正防止策として、高圧と同様のペナルティを適用することが提案されている。
8. 今後の検討課題とスケジュール
8.1 スケジュール
システム改修および取引規程の改定に向けた検討課題のスケジュールは以下の通りである。
| 検討課題 | 対象リソース | 検討期限 | 概要 | 検討主管 |
|---|
| 調整力契約 | 機器点 | 2023年8月 | 複数のリソースの機器点調整力契約の適用可否の判断 | 資源エネルギー庁 一般送配電事業者 |
| 導入時期 | 低圧機器 | 2023年8月 | 低圧リソースにおける機器個別計測導入時期の決定 | 資源エネルギー庁 一般送配電事業者 |
| 不正防止 | 低圧機器 | 2025年まで | 抜き打ち監査や単線結線図の運用詳細、追加不正防止策の検討 | 一般送配電事業者 広域機関 |
この内容に基づき、引き続き国や一般送配電事業者との連携を持って検討が進められる予定である。