資料の位置づけと対象
本資料は、電力広域的運営推進機関が2025年2月5日に発行した「容量市場業務マニュアル 追加オークションの参加登録・応札・容量確保契約書の締結 編」第1版の抜粋である。対象実需給年度が明記された主な日程は2026年度向けで、実需給期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで。改定履歴は同日の初版作成のみである。本文は参加登録から応札、契約締結・変更・解約までを扱うが、一部の手続や年度別日程は表1-1、募集要綱、後続節などの参照先に委ねられており、この抜粋だけでは確認できない。
参加登録と参加条件(第1章)
参加登録は事前手続き、事業者情報、電源等情報、期待容量の登録で構成される。参加登録をしても応札は必須ではない。追加オークションへの応札には、対象実需給年度の調達またはリリースオークション参加資格通知書を受領していることが必要で、通知書は期待容量登録完了後、応札受付開始前に発行される。
追加オークション前に登録済みで期待容量に変更がない電源は再登録不要。登録済みの事業者情報・電源等情報は確認し、必要なら受付期間中に修正する。調達オークション向け期待容量等算定諸元一覧の公表後に期待容量を変更または参加登録した電源は、同一覧の提出が必要となる。発動指令電源は、調達オークションの参加登録期間前に、実需給2年度前の実効性テストに向けた電源等リスト登録とテストを通じた期待容量登録を済ませる。実効性テスト済みで期待容量が確定している場合、期待容量登録は不要。
登録可能な電源等は原則として期待容量1,000kW以上。安定電源、変動電源(単独・アグリゲート)、発動指令電源の区分があり、揚水・蓄電池には1日1回以上、連続3時間以上運転可能という条件が示される。安定電源は、応札容量を超えて需給ひっ迫時に供給できる場合、同一計量単位で発動指令電源のリソースにも登録できる。追加オークションの対象エリアは沖縄地方とその他地域の離島を除く全国のうち開催が決定されたエリアで、開催エリアは本機関ホームページで確認する。
FIT買取期間またはFIP適用期間が実需給年度に重なる電源、本機関の電源入札で落札した電源、供給力を提供できない電源、専ら自家消費等に供する電源、必要な託送契約がない電源、長期脱炭素電源オークションの制度適用期間と重複する容量部分などは登録不可または制限対象となる。ただし、差分計量された非FIT相当分や必要容量を超えて供給可能な分など、所定条件を満たす部分は登録できる場合がある。長期脱炭素電源オークションとの重複では、重複する容量部分が本オークションに参加できない。
調達オークション(第1.3.1節)は参加資格通知書を受領した電源が対象で、応札可能容量はメインオークションの登録・落札状況等により異なる。未応札電源がメインオークション時点の供給力等を応札するには、売り惜しみがなく、やむを得ない合理的理由が確認できる場合に限られる。メインオークション落札後に市場退出した電源は、部分退出を含め参加できない。リリースオークション(第1.3.2節)は、メインオークションで落札し容量確保契約を締結した電源等が対象で、事前の参加登録は不要。
2026年度向け日程とシステム準備
表1-1の日程は参考で、不測の事態等により変更される可能性があり、変更は本機関ホームページまたは容量市場システムで告知される。記載日程は次のとおり。
- 事業者情報登録:2025年3月3日~7日、審査は3月11日まで。
- 電源等情報登録:2025年3月3日~21日、審査は4月4日まで。
- 調整係数公表:2025年3月上旬頃(予定)。期待容量登録:4月8日~25日、審査は5月16日まで。
- 開催判断・需要曲線(リリースは供給曲線)公表:4月23日頃。参加資格通知書:6月3日。応札受付:6月4日~16日。
- 応札容量算定に用いた期待容量等算定諸元一覧の受付:6月17日~23日。約定結果公表:7月末頃(予定)。契約手続期間は公表日から9月30日まで、契約結果公表は10月頃。
期待容量等算定諸元一覧を使う純揚水・蓄電池および変動電源が調達オークションに参加する場合、調整係数公表後に係数を更新して期待容量を再登録する。参加しない場合は再登録不要。リリースで契約容量を全量リリースする場合と発動指令電源は、応札容量算定用一覧の提出不要。
事業者情報・電源等情報の登録には事業者コードとクライアント証明書が必要。変動電源(アグリゲート)・発動指令電源は電源等リストごとの系統コードも必要となる。取得には申込集中時に最大3週間程度かかる可能性がある。自己託送用とそれ以外の事業者コードを持つ場合は自己託送用でないコードを登録し、証明書は事業者コードごとに用意する。
事業者情報、電源等情報の手続(第2・3章)
未登録事業者はシステムで事業者情報を申し込み、様式3「容量オークションの参加登録申請に伴う誓約書」をアップロードする。既提出なら再提出不要で、原本郵送も不要。合格時は管理者ユーザIDと仮パスワードがメールで通知され、初回ログイン時に変更する。仮パスワードは通知日を含め3日間有効。不合格時は理由が通知され、再申込は最初から行う。変更申込は変更理由を記載し、仮申込後に審査画面で申込完了操作を行う。審査開始前なら取下げ可能。
事業者情報の取消(第2.3節)は、詳細画面で取消理由を入力して仮申込し、審査タブの「事業者情報審査管理」から申込完了する。合格すると取消通知が届き、その後システムにログインできなくなる。不合格時は変更申込の不合格手続を参照する。
電源等情報を登録するのは事業者情報登録済みの事業者で、実需給年度時点の想定情報を記載する。メインオークション時に登録・審査済みの電源は調達オークション向けの新規登録不要だが、登録内容を確認し必要に応じ修正する。実効性テストで期待容量が確定した発動指令電源は、調達オークション参加に際して事業者情報・電源等情報・期待容量の登録が不要とされる。
安定電源・変動電源(単独)の登録は、事前準備、基本情報、詳細情報、仮申込、申込完了の順。基本情報は1計量単位、詳細情報は号機単位で登録し、参加する号機のみ登録する。主な確認書類は、電源名称、22桁の受電地点特定番号、接続エリア、同時最大受電電力、所有者と申請者が異なる場合の取次合意、電源種別・発電方式・設備容量、運開年月、該当する場合のFIT認定IDなど。書類は原則写しでシステム提出する。新設で既設電源向け書類を準備できない場合、機関が合理的理由を認めれば期限延長の可能性があるが、接続検討回答書または工事計画届出書は登録時に提出する。実需給年度前年1月末までに必要書類と追加登録が行われないと全量退出となる場合がある。
安定電源で調整機能がある場合、余力活用に関する契約を実需給年度に先立って締結し、書類を実需給年度前年1月末までに提出する。詳細情報の一部項目も同期限までの入力が指定される。登録の「実行」は仮申込にすぎず、審査画面から申込完了が必要。審査開始前に限り取下げられる。
変動電源(単独)では、所定の電源種別・発電方式から選択する。火力・原子力・その他は選択不可で、水力の貯水式・混合揚水・純揚水、再エネの地熱・バイオマス・廃棄物など指定方式も選択できない。新設電源で系統コード未発番の場合は「YYYYY」を入力する。FIT認定IDを入力した場合は特定契約終了年月も入力し、発電BGコードは対象実需給年度前年1月末までに入力する。
変動電源(アグリゲート)は最新版の小規模変動電源リストを用い、実需給年度に想定される情報を1計量単位ごとに記載する。4MB超または内訳10,000件超は分割する。リストには電源名、受電地点特定番号、系統コード、エリア、受電電力、所在地、個別電源情報等を記載する。未発番の受電地点特定番号は22桁の9、個別系統コードは「YYYYY」、低圧連系で受電電力が存在しない場合は「99999999」とするなどの指定がある。設備容量は0.1kW単位、詳細情報ではリスト合計を1kW単位で入力する。提出書類は実需給年度前年11月末までに提出し、合理的理由があれば機関が期限延長することがある。所有事業者と登録事業者が異なる場合、事前に所有者合意を得る。リストExcelは所定欄からアップロードし、提出書類はシステム登録ではなくCD-R等の媒体で郵送する。更新時に既存リストを削除しない。設備容量変更は先にリスト変更を申し込み、その合格後にシステムの容量を変更する。
登録・変更・取消はいずれも仮申込後に審査画面で申込完了操作が必要。不合格時はコメントで理由を確認し、修正・書類追加のうえ再申込する。容量市場に参加し契約締結済みなどの場合、電源等情報を取消できず、契約解約等が必要となることがある。対象年度が異なる同一電源の情報は別管理で、変更は年度ごとに申し込む。
期待容量の登録・変更(第4章)
調達オークションに応札する事業者は、応札前に期待容量を登録する。未登録、またはメインオークション登録値から変更がある場合に登録・変更する。登録年度は供給力を提供する実需給年度(例:2026年度は「2026」)。発動指令電源は実効性テストのリスト登録・期待容量登録を参加登録期間前に済ませる。発動指令電源以外は、供給計画への計上見込みがある電源が対象だが、所有者が発電事業者に該当しない場合等は除かれる。
期待容量は算定諸元一覧の記載要領に基づき算定し、申込時に確認欄へチェックする。安定電源は様式14-1、純揚水・蓄電池は14-2、変動電源(単独・アグリゲート)は14-3を使う。安定電源・単独電源は1計量単位ごと、アグリゲートはリスト単位で作成し、原則1,000kW以上が必要。メインオークション落札済みの場合は契約容量控除後でも1,000kW以上が必要。入力値は整数で、小数を入力しても整数として処理される。ブラックスタート機能付きの該当安定電源では必要電力量相当分を除く入力指定がある。
追加オークション実施後の期待容量変更は、やむを得ない理由がある場合に限られ、新設電源、余剰電源、設備更新による増出力などが例示される。市場退出後の増加は認められない。変更は原則として期待容量登録期間中に行い、メインオークション後の変更では理由と証明書類を提出する。登録済み設備容量を超える期待容量にはできず、増出力等は先に電源等情報の設備容量を変更する。発動指令電源は実効性テスト後に発動実績を登録する場合に限って変更できる。具体的な登録受付日は本文範囲にない箇所もあり、表1-1等を参照する。
調達オークション応札(第5章)
参加資格通知書は対象電源を持つ事業者に発行され、メール通知後、システムからPDFを確認する。応札可能容量はメインオークションの登録・落札状況等で異なる。落札電源は期待容量の増加分が対象で、全量・部分退出した電源は応札不可。非落札電源等は所定条件のもとメインオークション時の期待容量相当分やその後の増加分を応札できる。発動指令電源は実効性テストで供給力を確認するため、本章の一覧による応札容量算定は不要。
安定電源・変動電源は算定諸元一覧を更新して応札容量を算定する。応札は電源等ごとに受付期間中に行い、容量は1,000kW以上かつ算定上限以下、1kW単位、価格は税抜き0円以上、1円単位。登録後、一覧で「応札済」を確認する。受付期間中は容量・価格を変更・取消できる。応札登録は容量確保契約の申込みまたは変更申込みとみなされ、約定結果公表日にその内容に従って契約等が成立する。
応札事業者は受付終了後5営業日以内に、算定に使った一覧を提出する。発動指令電源は不要。本文の日付例は2025年6月17日~23日。受付期間中は一覧を変更できず、期限までに適切な一覧を提出しない場合、市場退出とみなされることがある。提出時は期待容量を変えずに所定の変更画面を使い、理由欄に「調達オークションにより応札容量を追記したため」と記載する。既提出ファイルは削除せず再提出し、実行後に審査画面で申込完了する。受付終了後、約定処理には約1か月かかる場合がある。
リリースオークション応札(第6章)
リリースできるのは、メインオークションで落札し契約締結済みの容量の全部または一部。全量リリースは契約容量全量を応札し、容量算定と算定一覧提出は不要。部分リリースは電源区分に応じてメインオークション時の一覧を用いて算定し、発動指令電源は一覧算定を行わない。応札後の契約容量は1,000kW以上でなければならず、1~999kWとなる値は入力不可。
応札価格は対象年度のメインオークションのエリアプライスの60%以上(1円未満切捨て)、税抜き、1円単位。部分リリースでは発動指令電源を除き、受付終了後5営業日以内に算定一覧を提出する。期限までに適切な提出がない場合、約定結果を放棄したものとみなされる場合がある。約定決定まで約1か月かかる場合があり、結果は通知・公表される。具体的な受付期間は表1-1等による。
容量確保契約の締結・変更・解約(第7章)
落札事業者はメールによる確認依頼を受け、システムで契約書本紙・別紙を確認する。修正不要なら「無」、必要なら「有」とし、依頼事項を100文字以内で記入する。承認後に契約書2部が郵送され、事業者は甲欄に記名・押印、押印日を記入し、1部返送、1部保管する。契約の効力発生日は約定結果公表日で、収入印紙は不要。返送期限はこの抜粋に記載されていない。
契約変更(第7.2節)は、権利義務・地位の譲渡、調達オークションでの追加落札、一部リリース、電源等差替、市場退出などが主な対象。必要に応じて本機関から一覧提出依頼があり、事業者は提出済み一覧を更新して提出する。変更理由は「契約変更をするため」とし、既提出一覧は削除しない。発動指令電源は応札容量がアセスメント対象容量となるため一覧による算定手順は不要。変更契約書の確認・承認後、契約書2部を受領し、押印して1部返送、1部保管する。返送期限は記載されていない。
解約(第7.3節)は事由に応じ解約合意書または解約通知書で行う。全電源等の市場退出、全量リリースは合意書の例。監督官庁による業務停止、支払停止・不能、不渡り、信用状況の極端な悪化、債務超過のおそれ、倒産手続、解散決議、市場支配力行使等の違反、リリース後に契約容量が1,000kW未満となる強制退出などは通知書の例である。合意書の場合はシステムで確認し、承認後に2部を受領して1部を返送する。通知書の場合は本機関指定日付で契約が解約される。通知書について合意書と同じ確認・返送手順は示されていない。
その他の扱い・資料範囲
経過措置の説明対象は安定電源・変動電源(単独)で、2026年度募集要綱を参照する。運開年月が2010年度以前なら経過年数に応じた控除の対象、2011年度以後は対象外。控除の表示箇所や約定価格が同指標価格の50%以下の場合に控除しない扱いは本文記載のとおりだが、入札結果による判定で通知書等から確認できないものがある。
Appendix.1には蓄電池の登録条件に関する年度別注記、Appendix.2には他社電源を用いる取次の扱い、Appendix.3には応札受付期間中の応札情報変更・取消と一時保存後の登録手順がある。Appendix.4の様式一覧は様式名を示すにとどまり、詳細内容は確認できない。業務手順全体図は申込・審査・通知の流れを示すが、図から具体的期限や追加条件を推定することはできない。