地内系統混雑を考慮した供給信頼度評価モデルの整備に向け、PLEXOSを用いた検討の進捗を報告したものである。現時点で、与えられた供給力から停電量(EUE)を算定する「指標値計算」は模擬可能と確認された。一方、信頼度基準を満たす必要供給力を求める「収束計算」は実行できるものの、計算時間が実務適用上の課題として残る。評価ツールの完全な移行や地内混雑を反映した必要供給力の定量評価は、まだ確立していない。
従来の評価は、北海道から九州までのエリア単位で需要・供給力を模擬し、地域間連系線の制約を考慮していたが、エリア内系統は模擬していなかった。ノンファーム型接続電源の増加などで地内混雑による出力抑制が生じると、容量市場等で見込んだ供給力が減り、実需給時に供給信頼度基準を満たせないおそれがある。このため、混雑に伴う抑制とEUEへの影響を評価できる環境の整備が必要とされる。
現行の必要予備力算定ツールにPTDFを用いた簡易的な混雑計算を加えた試算では、各ノードの安定電源を常に最大出力として扱うため、実運用の出力配分と乖離し、混雑量を精緻に算定できない課題が確認されていた。
| 計算機能 | 確認状況 | 残る課題 |
|---|---|---|
| 指標値計算(供給力からEUEを算定) | エリア間融通ロジックを含め、PLEXOSの標準機能または時系列データ入力で模擬可能と確認 | 地内送電線を模擬する系統モデルの整備が必要 |
| 収束計算(目標EUEから必要供給力を算定) | PLEXOSと外部のPythonプログラムを組み合わせ、全エリアで目標EUEを満たす供給力を求められると確認 | 計算時間が長く、短縮が必要。算定値の定量的妥当性と混雑影響の評価も未実施 |
収束計算の改良後試算では、1か月・500回試行・地内混雑なしの条件で、目標EUE 0.010 kWh/kW・月に対し、反復73回で収束した。計算時間は改良前の9時間55分から2時間18分に短縮したが、同じ試算の必要予備力算定ツールは83回・2分32秒であり、なお大幅な差がある。これらは動作確認用の試算であり、通常の計算条件や地内混雑を考慮した評価結果ではない。
PLEXOSへの完全移行は現時点で不透明であり、用途に応じてPLEXOSと現行の必要予備力算定ツールを併用する案、現行ツールの抜本改修、新たな評価ツールの開発が検討候補として示された。指標値計算では地内混雑を考慮したPLEXOSモデルを活用し、収束計算が必要な業務では現行ツールを使う併用案も例示されたが、決定事項ではなく、今後幅広く検討する段階である。
今後は、指標値計算業務に向けた地内系統モデルの作成と、収束計算の時間短縮を進める。また、混雑が進展した場合の供給信頼度評価と供給力確保の仕組みについて、海外事例も参考に、国や関係者と連携して制度全体の中で検討する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「供給信頼度評価の課題整理について:地内系統混雑を考慮した供給信頼度評価(報告)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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