中部電力の電気料金に関する評価資料
資料の目的・背景
この資料は、中部電力が電気料金に関する評価を行うもので、平成26年度から28年度までの収支実績や原価算定に基づく料金改定の状況を示している。主な要点は、規制部門と自由化部門の収支や利益率の乖離要因および料金原価の実績比較である。
主要な検討内容・論点
1. 平成26年料金改定の概要
- 原価算定期間: 平成26年から28年度までの3年間。
- 規制部門料金: 平成25年10月29日、中部電力は**平均4.95%**の値上げを申請。
- 認可料金: 平成26年4月18日に経済産業大臣より、**平均3.77%**の値上げが認可され、同年5月1日から実施された。
2. 原価算定の前提諸元
- 販売電力量: 1,262億kWh
- 原油価格: 105.5 $/bbl
- 為替レート: 99 円/$
- 原子力利用率: 12.4%
- 経費対象人員: 17,975人
3. 料金原価・実績比較
料金原価の内訳(単位:億円)は以下のとおりである。
| 科目 | 認可原価 | 実績 | 差異 |
|---|
| 人件費 | 1,680 | 1,756 | 77 |
| 燃料費 | 12,251 | 9,121 | -3,130 |
| 修繕費 | 2,146 | 2,151 | 5 |
| 減価償却費 | 2,607 | 2,431 | 175 |
| 購入電力料 | 1,687 | 1,693 | 6 |
| その他経費 | 2,102 | 2,562 | 461 |
| 総合計 | 24,654 | 21,138 | -3,516 |
4. 経営効率化
- 経営効率化額: 平成26年度から28年度にかけて、-1,915億円の達成状況が見られ、燃料費削減や役務調達コスト削減が行われた。
規制部門と自由化部門の利益率
以下の表は、各部門の利益率を示すものである。
| 売上・費用項目 | 規制部門(A) | 自由化部門(B) | 合計(A+B) |
|---|
| 電気事業収入 | 8,208 | 13,849 | 22,058 |
| 電気事業費用 | 7,922 | 12,916 | 20,838 |
| 電気事業損益 | 286 | 933 | 1,219 |
| 利益率 | 3.5% | 6.7% | 5.5% |
- 規制部門は286億円の利益を得ており、自由化部門は933億円の利益を上げた。
課題・リスク
以下の課題が今後の金銭的な安定性に影響を与える可能性がある。
- 原子力発電所の再稼働遅延や燃料費調整による収入の減少。
- 費用整理見直しや利益率の乖離が企業全体の収支に及ぼす影響。
結論
中部電力は、電気料金の見直しに伴い、規制部門と自由化部門の収支について分析を行い、収益の増加を図るための施策を講じている。料金原価の調整や経営効率化が一定の成果を上げているものの、外部要因による影響も見込まれ、今後の対策が求められる。
料金原価・実績比較(kWh当たり単価)
1. 原価および実績費用の概要
- 燃料費等: 燃料価格の下落に伴い、実績が原価を**▲2.22円/kWh**下回った。
- 設備費等: 経費の増加により実績が原価を320億円程度上回り、販売電力量の減少も影響し、実績が原価を0.50円/kWh上回った。
2. 料金原価・実績比較表(単位:円/kWh)
| 項目 | 規制部門 原価① | 規制部門 実績② | 規制部門 差異②① | 自由化部門 原価① | 自由化部門 実績② | 自由化部門 差異②① | 規制部門自由化部門 原価① | 規制部門自由化部門 実績② | 規制部門自由化部門 差異②① |
|---|
| 設備費等 | 12.35 | 13.62 | 1.27 | 5.90 | 6.26 | 0.36 | 7.81 | 8.31 | 0.50 |
| 人件費 | 2.35 | 2.66 | 0.30 | 0.90 | 0.96 | 0.06 | 1.33 | 1.43 | 0.10 |
| 修繕費 | 3.12 | 3.38 | 0.26 | 1.11 | 1.13 | 0.03 | 1.70 | 1.76 | 0.06 |
| 減価償却費 | 2.91 | 2.92 | 0.01 | 1.71 | 1.63 | 0.08 | 2.07 | 1.99 | 0.08 |
| 公租公課 | 1.33 | 1.35 | 0.02 | 0.92 | 0.91 | 0.01 | 1.04 | 1.03 | 0.01 |
| その他経費 | 2.63 | 3.31 | 0.68 | 1.26 | 1.62 | 0.36 | 1.67 | 2.09 | 0.43 |
| 燃料費等 | 11.69 | 9.76 | 1.94 | 10.97 | 8.65 | 2.31 | 11.18 | 8.96 | 2.22 |
| 合計 | 24.04 | 23.37 | 0.67 | 16.87 | 14.91 | 1.95 | 18.99 | 17.27 | 1.72 |
経営効率化
1. 効率化の成果
- 電気料金の認可原価に反映した効率化額は1,915億円/年であり、総額で2,354億円の費用削減を達成した。
2. 効率化取り組みの具体例
| 項目 | 主な取り組み内容 | 認可原価に反映した効率化額 ① | 実績 ② | 差異 ②① |
|---|
| 燃料費購入電力料 | 効率向上、安価な燃料調達等 | 765 | 1,186 | 421 |
| 設備投資関連費用 | 調達価格削減、新技術の採用等 | 99 | 138 | 39 |
| 修繕費 | 調達価格削減、新技術採用等 | 357 | 358 | 1 |
| 人件費 | 役員報酬削減等 | 462 | 415 | 47 |
| その他 | 調達価格削減等 | 231 | 256 | 25 |
| 小計 | | 1,915 | 2,354 | 439 |
認可原価には、平成20年の値下げ以降の効率化成果が反映されている。
経営効率化推進体制
1. 自律的な事業体制
- 平成28年4月からカンパニー制を導入し、経営層による事業計画の進捗確認を定期的に実施。
2. モニタリング体制
- モニタリング委員会: 四半期ごとに開催される。
- 経営効率化推進会議: 半期ごとに開催される。
3. 電力ネットワークカンパニーの取り組み
- 生産性向上検討会を開催し、外部有識者の視点を取り入れる。
主な効率化事例の紹介
- 発電所の稼働率向上。
- LNGコンバインドサイクル発電の効率向上。
- 燃料調達の効率化。
- ユニット交換工法の採用。
- 点検周期の見直し。
利益の使途、収支見通しおよび電気料金の評価
1. 現行料金の原価算定
- 浜岡原子力発電所の全号機停止の影響を受け、規制部門および自由化部門ともに黒字を確保。
2. 今後の見通し
- 29年度の当期純損益は550億円程度の利益を見込むが、規制部門では100億円程度の損失が予想される。
3. 効率化の継続
- 今後も効率化への取り組みを続け、現行の電気料金水準の維持を目指す。
部門別収支等の公表
部門別収支や電気料金の原価と実績の比較に関する情報は、会社のホームページにて公表されている。