第1フェーズでは、北米の先行事例を参照しながら、日本の制度・系統・設備運用を反映した同時市場の約定処理が実現できるか、また市場関係者が業務に対応できるかを確認する。特に開発難度が高い約定処理を対象に、SCUC・SCEDを模擬するシミュレーション環境を構築し、処理時間、収束性、結果の妥当性を評価する方針である。これは技術研究の進め方の提示であり、システムの実現性が確認済みという結論ではない。
| 評価対象 | 主な進め方・判定 |
|---|---|
| 約定処理の技術的実現性 | 制度や制約条件をシミュレーションに反映し、複数の需給・系統シナリオで計算性能と結果を確認する。完了条件を満たさない場合は、モデル・制約・入札情報の簡略化や運用上の対応を検討する |
| 市場関係者の対応可能性 | 海外の業務フローを参考に業務概要フロー案を作成し、電力市場実務者や関連システム運用者へのヒアリングを通じて課題を把握・修正する |
日本では、北米先行地域より系統規模や再エネ導入量が大きい傾向にあり、くし形系統と電源立地の偏りから送電制約も課題となる。また、日本独自の制度・設備制約を約定処理に反映する必要がある。技術研究は6月の準備、7月〜翌年1月の研究、翌年2〜3月の成果取りまとめを想定し、次フェーズの要求定義につなげる計画である。
モデルケースはERCOTとする方針である。PJM・CAISO・ERCOTには日本と系統面で類似する項目があると整理したうえで、ERCOTはシステム導入が相対的に新しく、担当ベンダーを確認しやすいため、情報収集の明瞭性も選定理由としている。海外調査や技術研究を通じた見直しは予定されている。
ERCOTの業務マニュアル等と日本の検討方針を比較し、ERCOTで実施・実装されていない項目を難度の高い課題とみなしてテーマを選ぶ。現時点の優先案は次の3項目である。
入札情報など、現時点でERCOTとの差が確認されていない項目は、優先テーマに含めない整理である。入札変更や直流連系設備、価格弾力性を持つ買い入札、需要予測の扱いなどは調査中または優先度未定であり、情報精査後に追加を検討する。送電ロスの技術検証は重要とされる一方、今回の実現性検証では優先度を下げる案である。
検証では、標準的な需給、再エネ余剰、需給ひっ迫、系統混雑、これらが重なる複合ケースを想定する。24時間分の計算時間、最適解・実行可能解の取得状況、MIPギャップ、需給・系統制約違反、起動停止や潮流の妥当性を確認する。結果が完了条件を満たさない場合は、ネットワークモデル、約定ロジック、入札情報の簡略化等を調べ、再実施する。
海外調査は、技術研究着手前の基礎情報収集、研究で生じた課題の解決、詳細業務設計に関する調査の3種類で進める。8月の技術研究会社選定までは着手前の論点整理を行い、9月以降は研究・業務設計と連動した文献調査や、必要に応じたISO・ベンダーへのヒアリングを予定する。
成果は研究レポートと業務フローにまとめる案である。レポートには、実現性の評価手法、処理フロー・目標時間、計算環境、シミュレーション条件、個別・横断的な検証結果、実現困難な機能への運用対応、次期中給・広域機関システムとの業務・データ連携上の影響を盛り込む。次フェーズの要求定義方針や導入判断項目、ロードマップも提案する構成である。技術研究会で月次の進捗を報告・協議し、研究レポート案を2027年1月頃に共有、2月頃に取りまとめる予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第24回同時市場の在り方等に関する検討会:第1フェーズにおける技術研究の進め方」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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