この回のダイジェスト
効率化係数と費用査定の案を具体化し、7社の査定方針案を取りまとめた。
この回で示されたこと
- 大手7社の固定費について、過去6年の事業者間比較に基づく効率化係数を設定し、3年間で4.2%の追加効率化を求める案が示された。発電部門の係数は北海道23.0%、東北7.0%、北陸12.6%、中国16.1%、四国12.5%、沖縄10.9%であり、東京電力EPは他6社の平均13.7%を用いる案である。資料3資料4資料6
- 燃料・電力調達費は直近の燃料価格等で再算定し、石炭・LNGの調達単価にはトップランナー査定を適用する方針である。卸電力市場の想定価格には2023年度先物価格として東日本約21円/kWh、西日本約18円/kWhを用いる案が示された。資料3資料6
- 泊発電所3号機について、維持・管理費、安全性向上費、再稼働に必要な費用は原価算入を認める一方、再稼働時期に応じて追加となる費用は認めない案が示された。一般的な火力・水力修繕費の基準超過分は認めず、原子力修繕費は効率化を前提に例外的に扱う方針である。資料3資料4資料6
- 標準家庭(30A・月400kWh)の補正後申請料金は現行比16~46%上昇する試算であり、これは査定反映前の申請値である。査定方針案では基本料金を据え置き、電力量料金は3段階一律で単価を上乗せする。資料6
- 非化石証書販売収入は、事業者の充当方針や従来の原価処理を確認し、設備投資または修繕費・固定資産除却費から減額する案である。公社債利回り等の参照期間を2015~2021年度の直近7年間とする提案も示された。資料4
- 各社の調達実績では、競争入札の応札数は多くの案件で2~4者程度だが、北海道電力の2021年度案件には8~12者の例もあった。定期工事の特命理由として、メーカー固有の技術・設計情報、安全・品質管理、緊急対応力などが挙げられ、価格査定や発注範囲の見直しといったコスト抑制策も記載された。資料1資料2
前回からの変化
- 効率化係数の審査案が具体化し、発電部門では北海道23.0%、東北7.0%、北陸12.6%、中国16.1%、四国12.5%、沖縄10.9%、東京電力EP13.7%と示された。北陸は第41回資料の7.7%から12.6%に訂正された。資料4
- 前回資料では係数の算定方法や各社の異議・要望が主に示されたが、今回は7社の査定結果を「査定方針案」として整理した。査定を反映した各社の申請補正と、経済産業大臣による認可判断は今後である。資料4資料6
- 前回の「各事業者における調達状況」と同じ調達実績の議題について、今回は競争入札の応札数と火力・原子力発電所の定期工事、特命調達でのコスト抑制策が追加で示された。資料1資料2
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この回の資料と要約
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各事業者における調達状況について①
- 料金改定申請7事業者の調達状況を、費目・分野別に金額上位案件の発注先(匿名)と特命/競争の別で整理した実績資料である。 - 先頭100ページでは北海道・東北・東京電力EP・北陸・中国電力を掲載し、2017~2021年度の記録を示す。 - 特命・競争の構成は事業者、費目、分野、年度で異なり、金額は実額でなく「50億円以上」「10億円以上」「10億円未満」の区分表示である。 - 北陸電力はシステム制約により2018年度以降のみ掲載され、全149ページのうち後半49ページはこの抜粋に含まれない。
- 2
各事業者における調達状況について②
- 料金改定申請を行った7事業者の2017~2021年度の競争入札と、火力・原子力発電所の定期工事を整理した結果資料である。 - 競争入札の金額上位案件の応札数は案件ごとに異なり、多くは2~4者程度だが、5者以上や北海道電力の8~12者の例もある。 - 定期工事では、設備固有の技術・設計情報や安全・品質管理を理由とする特命が多い一方、附帯設備・建屋関係などで競争入札への移行・実施例も示される。 - 特命時の価格査定、交渉、発注範囲の分割、発注予告などの工夫が記載されるが、事例は抽出調査であり全体比率や削減額は示されていない。
- 3
消費者庁及び消費者委員会からの御意見等に関する御回答(案)
- 大手電力7社の規制料金改定申請に対する事務局回答案であり、過去実績の事業者間比較と追加効率化を組み合わせ、最大23.0%の効率化係数を費目査定に適用する案である。 - 直近燃料価格による再算定で、一部を除き基準燃料価格と改定率は申請当初より低下し、需要・供給想定も審査上おおむね合理的と整理された。 - 改定後は部門別収支、利益率、監査等で毎年度監視し、料金が著しく不適当な場合は経済産業大臣が変更認可申請命令を発動する仕組みである。 - カルテル・不正閲覧が規制料金に直接影響した明確な因果関係は確認されなかったが、高コスト化への懸念を踏まえ、厳格な効率化査定を行う方針である。
- 4
その他の論点について③
- 発電部門の3年平均効率化係数は各社7.0~23.0%で、発電部門のない東京電力EPには他6社平均13.7%を用いる案である。個別事情を係数に含めず、修繕費や業務設備は二重査定を避ける適用方法が提案された。 - 非化石証書収入は設備投資または修繕費・除却費から減額し、過去分も報告済みの使途に沿って料金原価へ反映する案である。託送料金改定の影響と事業報酬率の参照データ更新も最終補正に反映する提案である。 - 中国電力の基本料金は据え置き、北陸電力の季節別料金は見直さない案が示された。 - 7事業者すべてで料金改定の周知と専用問い合わせ窓口、通常の料金・使用量問い合わせ窓口が確認された。
- 5
四国電力株式会社の特定小売供給約款の変更の認可に係る「国民の声」で寄せられた主な意見に対する見解(案)
- 四国電力の規制料金改定申請に対する意見への見解案であり、認可決定そのものではない。審査では効率化係数や直近燃料価格を反映し、原価が適正水準となるよう査定したとしている。 - 料金設定は基本料金を据え置き、電力量料金を改定する方針である。燃料費変動は燃料費調整制度で反映され、値下げ認可申請の要否も毎年度確認される。 - 四国電力の従業員給与は直近統計等に基づき、社外役員給与は上限超過分の一部を減額する査定となった。伊方原発3号機の再稼働は原価に織り込まれている。 - 支援策や燃料費調整上限、エネルギー政策などは資源エネルギー庁の回答事項とされ、カルテルは事実確認等の上で法に基づく対応を検討する。
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特定小売供給約款の変更認可申請に係る査定方針案について(案)
- 大手電力7社の規制料金改定申請に対する査定方針案であり、最終認可や確定料金ではない。 - 補正後申請の標準家庭料金は現行比16~46%増の試算で、査定反映後に変わり得る。 - 燃料・電力調達費の再算定、調達単価へのトップランナー査定、固定費の効率化係数適用などを方針化した。 - 需要想定・供給力は概ね合理的と確認された一方、沖縄の費用配賦誤りなどは補正を求める。
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