この回のダイジェスト
第41回は、効率化係数や電力料・燃料費の査定案を示し、費用配賦の補正事項を整理した。
この回で示されたこと
- 分類③の固定費を発電・販売部門別に電力量で除して比較し、過去実績と上位事業者との差、年1.4%の効率化を組み合わせる係数案を提示した。3年間の試算範囲は発電7.0~23.0%、販売2.8~21.9%であり、係数は未確定である。資料3
- ヤードスティック査定の方法として、一般経費の単価水準と変化率を点数化し、グループⅠ・Ⅱ・Ⅲに応じて0%・1.5%・3.0%の査定率を適用する手順を説明した。会社別の評価例は仮の数値である。資料2
- 東電EPのJERA相対購入価格について、スポット調達費用を上限とする案、または他社の相対購入価格比率を基準に効率化を求める案を提示した。共同開発と認める原子力購入電力料の査定方針や、北陸電力の相対販売収入に112.08億円の控除収益を加える案も示した。資料12
- 燃料費では、海外炭を発生熱量当たり単価で比較する案や、LNG契約の数量・価格査定案を提示した。重油については、北海道電力の高硫黄重油が脱硫費込み89,412円/kl、低硫黄重油が102,893円/kl、中国電力は脱硫費込み指数107に対して低硫黄重油115、四国電力は燃料費削減年33億円に対し脱硫コスト年16億円と回答した。資料8資料9資料7資料4
- 人件費は、2022年賃金構造基本統計調査等を用いた年間給与水準の再算定案を示した。超過労働給与は10社平均851千円/人、退職給与金は1人当たり2,210万円、委託集金費は211円/口を基準とする査定案などを提示した。資料14
- 設備投資・修繕費では、不使用・低稼働設備等の査定方向と、非化石証書収入を設備投資から控除する条件別の取扱い案を提示した。泊3号機の安全性向上・再稼働関連費用は年137億円を申請原価に算入。修繕費のメルクマール超過分や再稼働時期に応じた費用の扱いは、なお検討段階である。資料16資料18資料15
前回からの変化
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この回の資料と要約
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これまでに委員から頂いた御意見・御指摘への対応状況について
- 料金制度専門会合での委員指摘について、審査全般から費用配賦までの対応状況を整理した進捗資料である。多くは過去の会合で回答済みだが、本日回答する項目や未回答事項も残る。 - 本日回答する主な論点は、経営効率化の横比較、人件費・燃料費の扱い、設備投資・事業報酬、修繕費である。 - 次回以降の回答予定には、値上げ後5年間の損益・財政状態、自由料金の設定・移行促進、固定費配賦シミュレーション、他社と異なる算定方法の根拠がある。 - 本資料は対応状況の一覧であり、個別論点の審査結果や料金改定の決定を示すものではない。
- 2
ヤードスティック査定について
- ヤードスティック査定は、一般経費を電源・非電源部門別に事業者間比較し、効率化努力を料金原価に反映する制度である。 - 単価水準と変化率を各100点満点で評価し、合計点に応じて査定率を0%・1.5%・3.0%に分類する。 - 効率化努力目標額は、個別査定を行わない一般経費に査定率を乗じて算定し、営業費項目の割合に応じた原価補正を審査する。 - 資料時点では申請原価の適正性審査中であり、会社別の提示評価は仮例で、実際の比較査定結果は未確定である。
- 3
経営効率化について④
- 事務局は、事業者の効率化努力を比べるため、分類③の固定費を発電・販売部門に分け、各部門の電力量当たりで横比較する方法を提案した。方法は審議中である。 - 効率化係数は、過去水準、上位事業者ベンチマークとの差の50%、年1.4%の継続的効率化を組み合わせる案で、3年平均の試算は発電7.0~23.0%、販売2.8~21.9%である。 - 減価償却費は、新規工事分に加え、過去分では業務設備を係数査定の対象とする案が示された。各案・試算値の適用は未決定である。
- 4
【燃料費】委員からのご質問への回答
- 四国電力は坂出3号機・阿南3号機で硫黄分2.0%の高硫黄C重油を使用し、両機に脱硫装置と電気集塵装置を設置している。 - 高硫黄C重油による燃料費削減額は2機合計で年33億円、脱硫装置コストは原価算定期間の3カ年平均で年約16億円である。 - 同社は燃料費低減効果を踏まえ、脱硫装置を含めても十分な経済性がある水準と説明している。 - 脱硫装置は硫黄酸化物を90%以上除去し、電気集塵装置は排ガス中のばいじんを捕集する。
- 5
他社購入・販売電力料(原子力)について
- 柏崎刈羽原発7・6号機の再稼働時期を仮置きした原価試算では、全系の費用削減効果は年900億円程度である。 - 供給力119億kWh/年の増加を市場調達の減少に反映し、規制部門では年130億円の削減、0.40円/kWhの価格抑制効果を見込む。 - 再稼働時期は料金算定上の仮置きで、具体的時期は未提示である。 - 東海発電所関連費用は前回原価比32億円増であり、前回のマイナス精算を除くと制度変更等による増加は16億円である。
- 6
他社購入・販売電力料
- 北陸電力の2023~2025年申請原価では、敦賀2号機の受電費用は年141億円で、2008年原価比15億円増である。 - 敦賀2号機の停止により電力量料金はゼロとなる一方、停止状態の維持管理費を含む基本料金が50億円増加する。 - 増額には運転期間延長認可関連費用34億円と一般負担金10億円を新規に織り込むが、安全性向上対策工事等の費用は含まない。 - 延長認可は2027年2月16日までに取得する必要があり、認可に必要な費用は原価算定期間中に発生する。
- 7
燃料費について:前回会合における委員からのご質問に対する回答
- 中国電力は、硫黄分2.35%の高硫黄重油は脱硫コスト込みでも低硫黄重油より調達競争力があると評価している。 - 調達単価指数は高硫黄重油が脱硫コスト込み107、低硫黄重油が115である。 - 発電時に硫黄分を除去し、煤煙等の硫黄分を環境基準値未満に抑える対応をしている。 - 脱硫で生じる石膏は、石膏ボードなどに活用し基本的に全量再資源化している。
- 8
燃料費について③
- 海外炭は発生熱量当たり単価で比較し、旧一般電気事業者・JERAの2022年11月~2023年1月実績を基にトップランナー査定する案である。国内炭は契約価格または見積価格を確認した。 - LNGは契約上の買主オプションを最大限反映した数量とし、不可抗力期間は一定の下方修正を認める案である。契約価格が未合意の分などには他社比較によるトップランナー査定を提案している。 - 石油、核燃料、蒸気料の算定根拠を確認し、各社の燃料調達数量は原則メリットオーダー運用と確認したが、契約・設備・燃料供給上の制約がある電源には例外がある。 - 海外炭・LNGの査定方法は提案段階であり、資料上、最終決定や料金への確定反映は示されていない。
- 9
平瀬委員からのご質問に関する回答について:燃料費
- 北海道電力は、知内発電所2号機の高硫黄重油について、脱硫費込みでも低硫黄重油より安価と説明している。 - 脱硫費込みの高硫黄重油は89,412円/kl、低硫黄重油は102,893円/klである。 - 知内2号機は硫黄分3.6%の重油を使用し、公害防止協定の基準を守るため脱硫設備を設置している。 - 脱硫費は年約5億円で、燃料調達単価の約2%とされる。
- 10
石油火力における環境負荷低減の取り組み
- 2023年4月時点で東北電力の石油火力は秋田火力4号(最大出力60万kW)のみで、主に需給調整用として運用している。 - 公害防止協定の硫黄分上限0.27%以下を守るため、硫黄分が主に0.2%以下の低硫黄C重油を使用している。 - 低硫黄C重油は需要期前に調達し、経済性と安定供給を確保している。申請値の平均硫黄含有率は東北0.19%、他地域は1.90~2.35%である。 - 秋田火力4号は2024年7月廃止予定である。
- 11
JERAからの購入電力料について
- 東京電力エナジーパートナーは、JERAとの協議成果を踏まえたPPA料金を今回の申請原価に計上している。 - JERAからの購入電力料は、燃料価格見直し後のコマ別市場価格を調達量で加重平均した水準を下回るとしている。 - 調達量と発電機の稼働計画は、JERAが最経済となる組み合わせを策定し、当社が経済性を確認・協議して決定する。 - 基本料金は2016年度以降、契約規模の適正化や調達・運用方法の工夫を反映して低減方向にあるが、資料中の推移表に金額はない。
- 12
購入・販売電力料について④
- 東電EPのJERA購入価格は、スポット市場との比較、または他社の相対購入比率との比較で効率化を査定する二案が示された。採用は未決定である。 - 受電量が見込まれない原子力契約も、共同開発なら維持管理等の費用を原価算入し得る一方、人件費・修繕費等は効率化不足分を減額する案である。 - 原子力費用の個別論点として、東北電力の再稼働工事費、東電EPの再稼働・廃炉費、北陸電力の運転期間延長認可費の扱いが提示された。 - 相対販売収入がスポット販売試算を下回った北陸電力のみ、差額112.08億円を控除収益に追加する案である。
- 13
他社購入電力料(原子力)の原価増要因について
- 東海第二発電所の購入電力料(3か年平均)は、前回改定93億円から今回申請135億円となり、42億円増加した。 - 増加は、安全性維持・向上に必要な費用を原価に織り込んだことによる。 - 東北電力は費用の妥当性を確認し、工事の進捗に合わせて支払うとしている。
- 14
人員計画・人件費について④
- 対象は料金改定を申請した7電力会社の2023~2025年度の人員計画・人件費であり、事務局は生産性比較と年齢構成を踏まえ、人員数は明らかに過剰ではないとの見方を示した。 - 年間給与水準は2022年賃金構造基本統計調査等を用いる共通算定案を提示し、審査要領の原則に従って賃上げ分は算入せず、最新統計による再算定は申請額を上回らない範囲で認める案である。 - 超過労働給与、出向者給与、退職給与金、委託集金費、雑給について比較基準を設け、平均等を超える一部事業者の費用を原価から減額する方向が示された。 - いずれも事務局の査定案であり、この資料には会合での最終決定は記載されていない。
- 15
泊発電所の安全性向上・再稼働に向けた費用について
- 北海道電力は、泊発電所の安全性向上・再稼働費用として年137億円を料金原価に算入した。長期停止中でも将来の稼働可能性と再稼働準備がある場合に費用を算入する審査上の整理を根拠としている。 - 3号機は2026年12月の再稼働を目標とするが、資料時点では原価算定期間内の稼働は困難としている。審査の残論点説明と新設防潮堤工事を進めている。 - 修繕費は年32億円、委託費は年66億円であり、再稼働直前の2026年度に見込む高水準の修繕費は今回原価に含まれていない。 - 北海道電力は再稼働後に総原価を洗い替え、再稼働メリットを反映した値下げを実施すると表明している。
- 17
事業報酬について④
- 東京電力EPの事業報酬算定について、JERA資産の算入と自主カットによる配分の逆説への対応が審議対象である。いずれも事務局が示した案で、決定事項ではない。 - JERAは有価証券報告書ベースのレートベース相当資産に東京電力HDの持分50%を乗じて算入する案であり、算入後のEP報酬は試算で282億円となる。 - EP以外の自主カットでEPの配分割合が高まり報酬が増える問題に対し、発電事業者分の配分計算には自主カット前のレートベースを使う解釈案が示された。 - 試算上、JERA算入により申請ベースのEP報酬299億円は282億円に、自主カット前額の使用によりさらに270億円となる。
- 21
費用の配賦(個別原価計算)
- 東北電力の個別原価計算は、会社全体の原価を省令のルールに基づき規制部門(特定需要)と自由化部門(非特定需要)へ配賦する手続である。 - 2023~2025年度平均の総原価は規制部門3,369億円、自由化部門16,947億円で、事業報酬はそれぞれ115億円、545億円である。 - 固定費・可変費・需要家費は、電力・発受電量や需要家口数など異なる基準で需要種別に配賦する。 - 資料は配賦方法と平均値を示す参考資料であり、金額は四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
- 23
費用の配賦について②
- 7事業者の補正後総原価を審査し、原価配分・事業報酬は各社とも料金算定規則に沿うと確認された。東京電力EPは、一般管理費を全額直課すべきではないかとの論点が残る。 - 沖縄電力は、自由化部門の最大電力の算定と自社事業用電力等のNW費用算入に誤りがあり、規則に沿った原価補正を求める方針が説明されている。 - 固定費は2:1:1法、可変費は発受電量比、需要家費は契約口数比で規制・自由化部門へ配分し、規制部門の非NW費用とNW費用を基に料金を設定する。
- 24
費用の配賦(個別原価算定)の概要資料
- 四国電力の特定小売料金原価は、送配電非関連費555億円と送配電関連費241億円の計796億円である(3カ年平均)。 - 燃料・卸市場価格の採録期間見直しにより、送配電非関連費は全体で12億円減、規制部門で1億円減となった。 - レベニューキャップ制度に伴う託送料金改定により、規制部門の送配電関連費は27億円増え、規制部門原価は申請比26億円増の796億円となった。 - 送配電非関連費の再算定には燃料費・購入電力料・販売電力料の変動を反映し、託送料金改定による事業報酬への影響等は含めていない。
- 26
費用配賦(個別原価計算)の概要(原価再算定・新託送単価反映)
- 沖縄電力の個別原価計算は、総原価を特定需要・非特定需要へ配賦する仕組みであり、配賦結果が示されている。 - 算定誤りの再算定により、合計原価は219,785百万円から220,158百万円、合計単価は36.38円/kWhから36.44円/kWhへ修正された。 - 再算定値では送配電非関連費の総額は不変だが、送配電関連費は51,428百万円から51,801百万円へ増加している。 - 括弧外が申請値、括弧内が再算定後の値であり、料金の決定や適用時期は資料に記載されていない。
- 27
その他の論点について
- 北海道電力・東京電力EPは申請時に2023計画案を用いており、事務局は査定後の補正で届出済み2023計画に基づく修正を求める案を示した。確定決定ではない。 - 案から届出済み計画への変更は供給力のみで、需要想定に変更はない。供給電力量の3年度平均は北海道が290億kWhから304億kWhへ、東京が2,323億kWhから2,313億kWhへ変化した。 - 法人税等の算定では、8社の直近10年の一株当たり配当額平均約29.5円を30円とする事務局案が示された。従来の査定方針の50円に代わる提案であり、未確定である。 - 需要種別ごとの算定根拠、低圧自由・規制の配分、節電・離脱・戻り需要の反映などが需要想定・供給力の確認論点である。
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料金制度専門会合
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