この回のダイジェスト
連系線2案件の基本要件案と長期方針の分析枠組みが具体化した。
この回で示されたこと
- 東北東京間は既設線と並行する500kV線を新設し、運用容量を570万kWから1,120万kW以上へ高める基本要件案を提示した。概算工事費は約1,520億円、工期は約11年であり、いずれも実施案募集後に具体化する案である。資料3
- 東北東京間の短工期対策は、電源系統切替、電源制限、既設275kV線併用、STATCOMを検討したが、現時点で有効策を実施できるとの判断には至らなかった。費用負担案では、受益を増強設備ごとに評価し、応募量を超える空容量分を一般負担とする。受益の定量化と負担額試算は次回扱う予定である。資料3
- 東京中部間FCは210万kWから300万kWへ90万kW増強する基本要件案を提示し、佐久間30万kW・東清水60万kWの案Dを候補4案中で経済性優位と評価した。概算工事費は1,754億円、年経費は132億円、工期は約10年である。資料2
- FC増強費用は沖縄を除く一般電気事業者9エリアの一般負担とする案を示した。既設設備を持つ電気事業者が工事を実施し、公募は行わず、2016年4月を目途に広域系統整備計画を取りまとめる予定である。資料2
- 広域系統長期方針は、10~20年程度先を対象に、系統利用、供給信頼度、老朽設備更新の3軸で課題と対応策を整理する策定案を示した。再エネ導入や需要のシナリオ設定などは次回以降に議論する予定である。資料4
- 計画策定プロセスの開始要件は、北海道本州間・東北東京間・東京中部間・中国九州間の4連系線が少なくとも一つに適合した。北海道本州間と東京中部間は増強分のマージン再評価後に適否を再確認し、東北東京間は進行中プロセスで検討を続け、中国九州間は長期方針を踏まえて進め方を決める提案である。資料1
前回からの変化
- 東北東京間は、区間1の太平洋側A2案・区間2のE案という選定案から、基本要件案として500kV線新設による2ルート化へ進み、概算工事費は約1,390億円+αから約1,520億円、工期は約11年の想定となった。資料3
- 東北東京間では、前回検討中だった短工期案について、電源系統切替・電源制限・275kV線併用・STATCOMのいずれも現時点で有効策との判断に至らず、実施希望があれば恒久対策と分けて検討する扱いを示した。資料3
- 東京中部間FCは、前回未決定だった4配分案から案D(佐久間30万kW、東清水60万kW)を経済性で優位と評価し、基本要件案として提示した。資料2
- 長期方針は、前回示された3つの評価軸を維持しつつ、市場取引の簡易試算として広域メリットオーダー約1,100億円/年、連系線制約解消約600億円/年、計約1,700億円/年の発電限界費用削減を示した。試算は仮定に依存する。資料4
今後の予定・残った論点
- 東北東京間は基本要件を取りまとめた後、実施案等を募集し、受益・費用負担割合を試算する。提示工程案では2015年9月に基本要件決定、2016年10月に広域系統整備計画決定を予定する。資料3
- FCは基本要件決定後に事業者を特定し、実施案の作成・評価と各エリアの負担割合の検討を経て、2016年4月を目途に計画を取りまとめる予定である。資料2
- 長期方針では需要・再エネの具体的シナリオ設定とモデルによる定量評価を進め、あるべき姿と実現の考え方を取りまとめる予定である。資料4
- 北海道本州間・東京中部間はマージン再評価後に要件適否を再確認し、中国九州間は長期方針の検討を踏まえて具体的な進め方を決める提案である。資料1
この回の資料の要約から AI が作成したダイジェストです(作成)。「資料N」は根拠にした資料で、押すと下の一覧の N 番目の資料へ移動します。正確な内容は配信元の資料 PDF をご確認ください。
この回の資料と要約
- 1
計画策定プロセスの検討開始要件適否の状況について
- 4連系線が少なくとも一つの検討開始要件に適合し、案件ごとの進め方が提案された段階である。 - 東北東京間は進行中のプロセスで検討を継続し、北海道本州間と東京中部間はマージン再評価後に要件適否を再確認する提案である。 - 中国九州間は長期計画のみ適合し、広域系統長期方針の検討を踏まえて進め方を決める。 - 地内制約による恒常的な出力制限は確認されず、過去に増強に至らなかった案件もないため、事業者の増強ニーズ指標は現段階では対象外である。
- 2
東京中部間連系設備(FC)に係わる 計画策定プロセスについて
- 東京中部間FCを210万kWから300万kWへ90万kW増強する基本要件案を提示し、佐久間30万kW・東清水60万kWの案Dを工事費・年経費面で優位と評価した。 - 増強は大規模災害時の安定供給に寄与し、停電損害額や市場取引活性化の試算から効果が見込まれる一方、再エネ導入効果は現時点で評価できていない。 - 概算工事費は1,754億円、工期は約10年で、2020年代後半のできるだけ早期を目指す。用地取得や環境手続などに伴う遅延・費用上昇リスクがある。 - 費用は設備更新分を除いて9エリアの一般負担とする案であり、事業者の特定と負担割合の決定を経て、2016年4月を目途に整備計画をまとめる予定である。
- 3
東北東京間連系線に係る計画策定プロセスについて
- 東北東京間連系線を2ルート化し、運用容量を570万kWから1,120万kW以上へ増強する基本要件案を提示した。提起者・応募者19発電所の計507万kWの取引拡大と、43万kW以上の空容量確保を見込むが、案は未確定である。 - 概算工事費は約1,520億円、工期は約11年の想定である。ただし、長距離線の用地状況などにより工期は大きく変動し得る。 - 短工期対策は現時点で有効と判断できず、事業者の希望があれば恒久対策と分けて検討し、実施時は暫定運用とする案である。 - 費用負担は提起者・応募者を特定負担者、東北電力・東京電力を一般負担者とする案で、基本要件決定後に事業者の継続意思と負担意思を再確認する予定である。
- 4
[広域系統長期方針の策定について]
- 広域系統長期方針は策定に向けた検討案であり、電源導入・市場活性化、供給信頼度、老朽設備更新の3軸で将来の課題と対応策を整理する。 - 市場効果の簡易試算は年間約1,700億円の発電限界費用削減を示すが、前提依存であり、実効果と連系線増強の投資費用は今後の検討事項である。 - 300万kWまでのFC増強は必要性が再確認され、具体化プロセス開始が示された一方、300万kW超は連系線全体の在り方の中で検討する段階である。 - 潮流分析は代表断面を用いた概略モデルを基本とする案で、相対契約や実運用制約を含まないため、結果は限定的な比較として扱う。
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広域系統整備委員会
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