本資料は、2017年4月の都市ガス小売全面自由化後の実績と、電力・ガス取引監視等委員会の取組を整理し、今後の評価・課題について審議を求める資料である。自由化の成果として新規参入、契約切替、料金・サービスの多様化が示される一方、参入や競争には地域差がある。
2020年10月時点でガス小売事業者は82者、そのうち新たに一般家庭への供給を行う、または予定する事業者は35者である。新規小売の販売量シェアは2020年6月時点で全用途15.0%、家庭用11.3%。家庭用では近畿17.1%、中部・北陸13.1%、関東10.6%、九州・沖縄7.1%であり、全国194の一般ガス導管事業者のエリアのうち新規参入があったのは31エリアである。北海道・中国四国などは家庭用の新規小売シェアがほぼない。
家庭用の契約切替は2020年6月末までに約373万件、全国のスイッチング率は14.7%である。料金・サービス面では、新規参入者の平均販売単価が大手3社の規制料金より安価に推移し、セット割引、ポイント、見守りなどのメニューも広がった。新規参入・新メニューを打ち出した事業者は125者で、そのエリアの需要家は全体の約95%を占める。ただし、料金単価は月ごとの収入を販売量で除した機械的な算出であり、資料は個別契約の料金比較を示すものではない。自由化の認知は、調査対象全体では約7割が何らかの認識を有する一方、内容を詳しく知る層は限られる。
都市ガス導管網は国土の6%弱をカバーし、都市ガス普及率は約49%である。導管網は地域間の接続が限られ、LNG基地や供給源も少数事業者に集中するため、小売参入者がガスを調達しやすい環境づくりが競争上の課題となる。委員会は、基地の第三者利用に関する情報開示・料金ルールの改善、卸元への長期契約や需要家情報の取扱いに関する要請、接続申込みへの不適切な対応の是正、逆流連結託送の実現などを進めた。第三者利用制度では利用実績が1件あり、接続指導により2カ所で接続が円滑化した。逆流連結託送は2018年に特例認可され、2019年度から実施されている。
小売全面自由化に際しては、導管事業者に託送供給約款と料金を整備させ、自社小売部門と他社を公平に扱う制度とした。委員会は託送料金の審査・毎年の事後評価、託送収支の監査、スイッチング手続の標準化などを実施した。2017・2018年の評価では、値下げ命令の基準を超えた10社が期限までに値下げを届け出た。また、2017年度の超過利潤分析を受け、6社が自主値下げを行った。監査で問題が確認された場合は指導し、内管工事費の見積りや収支管理についても改善を促している。
小売営業指針は2017年1月に制定され、契約前の説明・書面交付、セット販売の料金や解除条件、契約解除や無契約状態への対応などを規律する。委員会は不適正な営業等について業務改善勧告を4件行い、必要に応じて文書・口頭指導も実施した。相談窓口、セミナー、相談事例の公表も行っている。家庭用ガス小売の相談件数は電力小売の約1割である。
競争が不十分な地域では経過措置として規制料金が存続し、委員会が毎年適正性を事後評価する。規制料金が撤廃された後も、ガス利用率が50%を超える区域等では3年間の特別な事後監視を行う。この監視で2者の値上げが合理的でないと認められ、指導後に料金が適正化された。規制料金の解除や値上げ監視は、自由化後も需要家保護を補う仕組みとして位置づけられている。
2022年4月から、東京ガス・大阪ガス・東邦ガスの導管部門は小売・製造部門との兼業が原則禁止となる。法的分離された導管会社とグループ内事業者には、人事、業務委託、情報管理などの行為規制が適用される。委員会は2020年4月に詳細設計を取りまとめて経済産業大臣へ意見回答しており、省令改正に向けた作業中である。これは施行前の制度設計・準備段階である。
資料末尾では、①小売全面自由化が当初の狙いどおり進んでいるか、②委員会の取組・役割をどう評価するか、③今後注力すべき課題は何か、④審議に追加で必要な分析は何か、を委員に問うている。したがって、本資料自体は自由化の評価や追加措置を決定するものではなく、実績と制度運用を踏まえた議論を求める段階である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「ガスシステム改革の進捗と委員会の取組について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_kensho.html)をもとに当社作成
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