電力・ガス取引監視等委員会(電取委)は、電気事業法上の「電力の適正な取引の確保」を、①競争の活性化、②市場への信頼の維持、③ネットワーク(NW)部門の適正運用の3項目として捉え、2015年の設立以来、事業者への指導や制度改善の提案を行ってきた。資料は、これまでの成果を示すとともに、市場拡大や新たな託送料金規制に対応するための体制・専門性の強化を課題として挙げる。
競争促進では、スポット市場の公正性確保や取引量拡大に向け、東電EPへの業務改善勧告、旧一電のグロスビディング促進、連系線利用ルールの変更、売り入札価格の考え方の整理などを実施した。JEPX取引量の電力需要に占める割合は、2016年4月の2.1%から2020年3月の35.5%へ増加した。スポット市場価格は2016年3月から2020年3月にかけて7.2円/kWhから6.0円/kWhへ低下した一方、同期間のLNG価格は上昇している。資料は、2019年以降のスポット価格の低下が燃料価格より大きい要因として、限界費用ゼロの再エネ電源の増加と、2018年12月の売り入札価格の適正化を挙げる。
東電EPは2016年4〜8月、限界費用より高い「閾値」を用いた入札を行い、約定価格の上昇や約定量の減少を生じさせた。委員会は相場操縦に該当すると判断し、同年11月、当該価格設定の停止、社内体制の整備、措置の報告を勧告した。市場への信頼の確保では、小売事業者による料金過大請求や契約時の説明・書面交付の不備などに対し、業務改善勧告等を行った。
NW部門については、2015年に10社の託送料金を審査し、2015年12月に経済産業大臣が新たな託送供給等約款を認可した。低圧向け平均単価は各社の申請額から引き下げられ、沖縄では11.50円/kWhから9.93円/kWhとなった。また、電力量通知の遅延、発電事業者への工事費負担金の過大請求、送電ロス率の設定などに対応した。制度面では、2022年度以降のインバランス料金制度の詳細設計を行い、新たな託送料金制度は資料作成時点で詳細設計中である。
委員会は月2〜3回の会議で個別案件や制度課題などを審議・決定し、委員・委員長と事務局の打ち合わせも通じて調査・分析を進めてきたとする。委員長は、設立以来、中立性・独立性が侵されたことはなく、現行の仕組みは機能しているとの見解を示した。
今後は、時間前・先物・先渡市場の取引拡大に伴う市場間の監視や、レベニューキャップ規制の開始に対応する必要があるとして、事務局体制の強化と専門人材の活用を課題に挙げる。資料は英国Ofgemの職員数を約800人、日本を約130人と比較している。再エネについては、拡大を阻害する制度の見直しや、市場活用と効率性の両立に関する提言を今後進める考えが示された。制度設計への関与は、明確な基準と透明性を確保することを条件に、委員会が中心となることが適切な場合が多いとの見解である。なお、電取委のミッションに「公正な競争の促進」「市場メカニズムを通じた効率性の向上」を加える案は、八田委員長個人の見解として提示されており、委員会決定ではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「これまでの活動を振り返って」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_kensho.html)をもとに当社作成
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