インバランス料金制度に関する審議会資料の説明
資料の目的・背景
本資料は、2021年度以降のインバランス料金制度についての詳細設計を検討するものである。経済産業省の資源エネルギー庁にて、需給調整市場の創設に伴うインバランス料金制度の改正が提案され、その具体的な内容が審議された。
インバランス料金制度の改正方針
- 資源エネルギー庁の審議会において、2021年度からのインバランス料金制度の改正が示された。
- 詳細については、電力・ガス取引監視等委員会において協力しつつ検討を進めることとされた。
検討事項
2021年度以降の検討事項は以下の通りである:
- 新たなインバランス料金の詳細
- 関連情報のタイムリーな公表のあり方
- 一般送配電事業者の需給調整関連経費の収支管理のあり方
スケジュール
- システム開発に関する要件については、早期に結論を得ることが予定されている(2021年5月・6月頃)。
今後の検討課題
- インバランス料金の詳細:
- 調整力のkWh価格の反映方法について
- 需給ひっ迫時のインバランス料金の設定
- タイムリーな情報公表:
- 収支管理のあり方:
- その他:
インバランス料金に関する議論
今回の専門委員会合においては、以下のような議論が展開された:
- 調整力のkWh価格をインバランス料金に反映させる方法
- 各コマの限界的なkWh価格の引用方法
- システム開発条件に関連する事項
kWh価格決定方法の検討
- インバランス料金は、需給ひっ迫時のコストや停電リスク等を反映する。
- 結論として、広域運用された調整力のkWh価格や市場価格の評価が求められている。
補正の必要性
- インバランス料金と卸電力市場価格との逆転が起きないよう、補正の導入が提案されている。
- 補正に基づく料金設計については、系統調整力の使用状況に応じて改善する必要がある。
| 項目 | 系統余剰のとき | 系統不足のとき |
|---|
| 余剰インバランス料金 | 調整力kWh価格又は卸市場価格P (低い方) | 限界的な調整力kWh価格 |
| 不足インバランス料金 | 限界的な調整力kWh価格 | 調整力kWh価格又は卸市場価格P (高い方) |
今後の検討事項
- 補助的施策としての補正の考案
- 需給調整市場の適切な機能確認
- 契約ベースでの需要実績測定と調整力の運用見直し
需給調整関連費用の負担に関する考え方
概要
需給調整関連費用の回収について、一般送配電事業者がその費用をどのように負担するかについての考え方が提示されている。この考え方に基づき、受益者に応じた負担の仕組みが求められている。
費用回収のフレームワーク
-
起因者(受益者)が特定できる費用
- 費用はその起因者(受益者)が負担する。
- 具体例:
- インバランスに対応するために稼働した調整力のkWhコスト
- FIT太陽光の予測が外れた場合に対応するために確保した調整力のΔkWのコスト
-
起因者(受益者)が特定できない費用
- 費用は託送料金を通じて系統利用者全員で負担する。
- 具体例:
- 時間内変動に対応するために稼働した調整力のkWhコスト
- その他のコスト(人件費等)
今後、再エネの拡大に伴い需給調整関連費用が増加する懸念がある。一般送配電事業者が努力しても低減することが難しい費用については、毎年託送料金を減少させる仕組みの導入が適当とされる。
調整力関連費用回収の新しい仕組み
2021年度以降の費用回収の方向性
- 調整力公募調達制度の始動を受けて、過去2年間の状況を考慮しつつ、改めて議論を深めることが提案されている。
| 費用の種類 | 小分類 | 費用回収の考え方 |
|---|
| 調整力のkWhコスト | インバランス対応のもの | インバランス料金で回収 |
| 時間内変動対応のもの | 託送料金で回収 |
| 調整力のΔkWコスト | 要因が明確なもの | 起因者から回収 |
| それ以外のもの | 託送料金で回収 |
| その他のコスト | インバランス精算のためのシステム費用等 | 託送料金またはインバランスを発生させた者からの手数料で回収 |
| 調整力調達運用システムの費用 | 託送料金で回収 |
再生可能エネルギー予測誤差への対応
- 再エネ予測誤差に起因する調整力の費用について、これを負担する方法を検討する必要がある。
- 三次調整力②に関しては、2021年から需給調整市場での調達が開始される。このため、再エネ予測誤差に対応する調整力の確保にかかる費用は、需給調整市場の実績を基に算定することが可能である。
既にFIT特例制度によるインバランスリスクが補填されているため、予測誤差と調整力確保に要する費用の負担については、FIT交付金の活用を検討する必要がある。さらに、全ての費用を自動的に補填するのではなく、予測誤差を削減するインセンティブを得る仕組みが求められる。
需給調整市場における電力価格の取り扱い
- 調整力価格の算出について、限界コストを基にする妥当性が議論されている。
- 調整力価格の選択肢としては、限界的な価格(稼働した調整力の最も高い・低いもの)を用いるか、平均的な価格を用いるかが論点である。
限界的な価格を用いる場合、余剰収支への還元策が必要である。市場取引の停止・再開時のインバランス料金については、さらなる補正が求められる。
諸外国の事例
英国
- 調整力のkWhコストはインバランス料金で回収され、ネットワーク利用者に対して再配分が行われる。
- パススルー:需給調整業務に係るコストは託送料金で回収される。
ドイツ
- 調整力およびインバランス料金は、系統利用者の発電量・需要量に応じて課金される。
このような事例から、日本における制度設計の参考とされることが期待される。