インバランス料金制度の見直しに関する審議結果
資料の目的・背景
本資料は、インバランス料金制度の見直しに関する審議結果をまとめたものであり、主に電力広域的運営推進機構が中心となって検討された。
電力広域機関の業務とインバランス料金の役割
電力広域的運営推進機関の主要な業務は以下の通りである。
- 全国規模での電力安定供給の確保
- 平常時および緊急時の需給調整機能の強化
特に需給ひっ迫時においては、以下の役割を果たす。
- 会員(電気事業者)への電力融通や電源の焚き増し指示
- 需給状況改善への責任を持つため、インバランス料金制度が重要視されている。
新たなインバランス料金制度の基本方針
電力・ガス基本政策小委員会の議論
新たなインバランス料金制度の基本的な考え方は、以下の三本柱に基づいている。
- 一般送配電事業者が調整力コストを適切に回収できること
- 系統利用者に対して需給調整を促進するインセンティブとなること
- インバランス料金が実需給の電気の価値を反映すること
課題の指摘
以下の課題が顕在化している。
- インバランス水準を意図的に作り出す事業者の存在
- インバランス収支の不均衡
- 系統利用者へのインセンティブ不足
今後の検討事項
2020年の需給調整市場開設を見据えた制度改正が進行しており、以下が求められる。
- 一般送配電事業者が調整コストを過不足なく回収できる制度
- 需給調整の円滑化に向けた適切なインセンティブ
インバランス料金の算定方法
インバランス料金の具体的な算定式は、以下の要素が考慮されるべきである。
- 限界的な調整力価格や卸市場価格を用いた補正
- 一般送配電事業者の余剰収支の還元仕組みの検討
需給調整市場における対応策
- 計画値同時量の仕組みにより、発電事業者や小売事業者が計画と実績の差分を調整する責任が生じる。
- 今後、需給調整市場においては調整力の広域調達が行われるため、インバランス料金制度の見直しが必要である。
論点と今後の方向性
本日議論される主要な論点として、インバランス料金の在り方、需給ひっ迫時の指標、および体系的な見直しの必要性が挙げられる。具体的な数値や基準を設定し、今後の制度へ生かす必要がある。
需給ひっ迫の事前対策に関する広域的な予備率
提案された予備率基準
以下の表は、広域的な予備率に関する主要な項目を示す。
| 項目 | 案 | 備考 |
|---|
| ① 横軸 | 広域的な予備率(連系線混雑考慮) | 需給調整市場に関連する状況を前提とする |
| ②-A 起ち上げの基準点 | 8〜10% | 過去のひっ迫融通実績および需給調整市場開始による状況変化 |
| ②-B 上限価格到達点 | 3% | 計画停電準備 |
| ③ 上限価格 | 1,900円 | 電源 I' 追加調達コスト |
| ④ 調整力参照価格 | 加重平均 | 需給調整市場の前提に基づく情報 |
| ⑤ 余剰収支の取扱い | 清算仕組み | 小売への配分を通じて送配電が損得なく清算できる仕組みを推奨 |
需給ひっ迫時の対応とリスク
- 現状、他地域に余力があるため、ひっ迫融通が可能であるが、需給調整市場の開始後は他地域の余力が利用できなくなる見込みである。
- 需給の厳しさが明白になる前に、事前対策を講じることが必要で、時間的な余裕が重要である。
- 過去の実績から、広域的な予備率は大規模電源の脱落により、1%強程度低下することがある。
- 日本は発電機の起動に時間を要するため、需給ひっ迫が予想される場合は早急な事前対策の実施が求められる。
推奨される事前対策基準
事前対策を開始する広域的な予備率の水準は、**8〜10%**とされている。この基準は、過去の実績に基づき、需給対策に時間的な余裕を持たせる意味でも必要である。
結論
需給ひっ迫に備えた広域的な予備率の設定は、安定供給を確保するために不可欠であり、特に予備率の基準を**8〜10%**とすることで、国全体の電力需給を効果的に管理していくことが期待される。
重要な数値・データ
- インバランス料金の上限価格:1,900円/kWh
- 過去の電源 I 発動実績を元に算出された最大運転単価:600円/kWh
課題・リスク
- 上限価格が600円に設定された場合、不足インバランスが発生するリスクがある。
- 現在のインバランス料金が、需給ピーク時に供給者の玉出しを促す水準に達していない可能性がある。
その他重要事項
インバランス料金の見直しは、需給アンバランスを回避するための重要な施策として期待されており、海外事例を参考にした慎重な設計が求められる。
本資料は、電力・ガス基本政策小委員会による第7回会議の記録に基づき作成された。詳細は以下より参照可能である。
経済産業省 電力・ガス基本政策小委員会資料